“チープアップ”というオトコの遊びを提案90’sインポートを無理なくオシャレに飾る!!
「最新のクルマをベースに、流行のパーツで装飾する」。自動車をイジクリ回す人間の常識からすれば「いつだって新しいモノこそが正義」な世界なわけで、逆に、余程目を引く車種か旧車以外の「中途半端な中古車」をイジクリ回すのはちょっとばかりの負け惜しみ風情が漂ってしまいかねない世界。ほとんどのジャンルにおいて、クルマのドレスアップの文化なんてそんなものです。
クルマにかかる税金が高すぎる日本「古いクルマに乗ることは罪なのか」
しかし、街の中古車屋さんの軒先に買い手も付かないまま悲しく転がっている「中途半端な中古車」でも、その方法次第では街で目を引く存在に蘇らせられる可能性があるのです。
訪れたのは、大阪市大正区にある「ゼロカートラブル」。下町感バリバリの住宅街の一角にある店舗は、雑多ながら秘密基地感もあっていい感じ。代表の三上さんが、まんべんの笑顔で出迎えてくれました。新しくもなく、世間で注目される旧車と呼ぶにも程遠い”格安中古車”をベースに、現代のカスタム理論とは逆を突き走る。「セロカートラブル」の三上さんが提唱する『チープアップ』とは、いったいなんでしょう。
イメージは「道端に雑に転がってるダサかっこいい感」
「ヨーロッパへ仕事で行った時、古いクルマをスニーカー感覚でラフに乗っている人を多く見かけました。各々のメーカーのクルマたちは日本市場には導入されていない素っ気ないベースグレードがメイン。無塗装の樹脂製バンパーや、スチールホイールのまま乱雑に道端に転がっていました。日本じゃ考えられないんですけれど、ベンツのSクラスとかでも洗車すらロクにしていない様な状態で走っていて…。日本では考えられないような”ボロカッコいい”カンジに感銘を受けました。もちろん彼らにとってはカスタムという認識はないのですが、そんなユルいカーライフの日常が、とても美しく見えたのです(笑)」。
このベース車こそ、’80~’90年代前後の欧州車。どちらかといえば見向きもされず、格安で手に入りやすいワケで、これはオモシロソウです。ふむふむ、では具体的にどんなイメージなのでしょうか。
「チープアップは、この現地仕様(ベースグレード)に対する憧れから生まれたもの。中途半端な古臭さを逆手にとって、さらに鈍くてダサかっこよく仕上げるのがポイントです。ご存知のように、日本仕様の欧州車はカラードバンパーやアルミホイールは当たり前の装備。そこをマットブラックに塗装したり、あえてスチールホイールに変えたり……。90年代~2000年代の欧州車ならば不思議とサマになってしまうのです。車種によってはグリーンやワインレッドなんていうボディカラーも狙い目。日本では不人気な部類ですが、より現地っぽい雰囲気が出てオススメですよ。あと、ドレスアップの世界では嫌われがちなシルバーも、特有の鈍くさい脂の抜けたカンジが強調されるのでイチオシです」。
日本ではブラックやホワイトが王道ですが、あえて原色系のボディ色をオススメするのも三上さんらしいツウなご意見。ちなみに、現地の自動車用品ブランドや国識別記号など、お気に入りのステッカーをポイント的に飾ると、空気感はさらに加速するみたいです。あと、予算が許すならばキャリアの装着もオススメとか。
手を加える箇所はそれくらい。エアロパーツやローダウンも不要なので利便性を犠牲にすることはないし、流行りのアウトドアやキャンプにもガシガシ使えるわけですね。
目利きさえあれば不安もないのです
ちなみに、予算はベース車込みで80万円~(200万あればパラダイス!)。カスタムのトレンドに左右される事はないし、クルマを趣味として考えると決して高くないデス。
しかーし、”型落ちの輸入車なんて壊れるし維持費がかかるだろ!”という、お決まりの声がありそうですが……。
「確かに、外車はトラブルが多くて維持費が嵩むイメージがつきもの。でも、壊れやすいクルマとそうではないクルマ(車種)を見極めることで、購入価格もお手頃な上にメンテナンス費用も控え目。それでいて他人と違うお洒落感を楽しむ、なんていうハットトリックも可能なのがチープアップと言う世界なんです。そもそも購入価格自体が控えめなので、ちょっとくらいメンテナンス費用が掛かっても影響は少ないですしね(電子制御で複雑化した現行型よりも安心感の高い旧モデルも多いとか)」。
この手のクルマにノウハウを持ったショップ、良い付き合い方を提案してくれるショップ選びに目利きが必要ってことだけど、逆にそれさえクリアすれば十分にアリ。いまや、ひと周り回って逆に垢抜けた感のある90’s輸入車。コストの掛かったボディパネルやプレスラインの描き方は、古くなっても味があると言いますか、こういったデザイン性の高さも魅力だと思うのです。
Tシャツとスニーカーを履いて、中途半端な中古車を新しいアプローチで乗り崩す。そんな”ユルさ”こそチープアップの醍醐味。クルマは男にとって最大のアクセサリーと言いましょうか、だったら若者達が古着をオシャレと捉えて楽しむようなカタチが「クルマの世界」にあっても良いのかも知れません。
そのうちより一層の旧車感が出てくれば、そのオーラはますます高まるばかり。と、考えるとワクワクしませんか?
ちなみに下の写真がBEFORE(左)/AFTER(右)との比較。スチールホイールとキャリアだけで、オシャレにグレードアップしてますよね。
日本におけるクルマのカスタムは、エアロパーツや大口径ホイール、LEDなどで着飾っていくのが定番。すなわち、装飾を目的とした”足し算”の「ドレスアップ」に対して、”引き算”のイメージが強いチープアップなのです。表現的にはアレですが、「ドレスダウン」なのかと。
でも、”頑張っている感”がないし、無理する必要もない。肩肘を貼らずに遊べる、というのもじつに新鮮でいい。「チープアップ」にはそんな魅力が詰まった、新しい”オトコのクルマ遊び”だと思いました。
ゼロカートラブル欧州の中古車をメインに取り扱う中古車販売店。“せっかくクルマに乗るんだったら楽しい方がいい”をテーマに、三上サンがこれまでに得たノウハウと経験を生かし、ベース車探しや遊び方をサポートしてくれる。なお、東京にある「カードローブ」というお店もチープアップを推す専門店。関東方面の方はお気軽に。
住所:大阪府大阪市大正区泉尾1-36-10TEL:06-6533-5045営業時間:11:00~20:00http://www.zero-cartrouble.com/
レポート:ちんサブ
(撮影:Auto Messe Web編集部/ゼロカートラブル)
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