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カー用品 2018.7.29

コーナーをスムーズに曲がれるようになる「LSD」ってなんだ?

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LSD(リミテッド・スリップ・デフ)は駆動差を抑制してパワーを路面に伝達

スポーツ走行には欠かすことができないLSD。なぜ不可欠なのかといったら、よりクルマが曲がるようになるからだ。しかし、なぜ曲がるようになるのか? LSDの役割を紹介しながら種類、構造、その効果を紹介していこう。

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抜けがちな駆動輪をメカニカルにフォローする

スポーツを標榜するSUBARU車に乗る以上、誰もが理想とするのが、安定して速く、そして美しいコーナリングである。その実現のために理論を学びスキルを磨き、マシンをメイク……とアプローチの方法はさまざまだ。そのなかで忘れてはならないひとつの概念が、コーナリング中の駆動輪には均等に駆動力がかかっていないという事実だ。アイスバーンなど路面に由来する外的要因もあるが、コーナー外側輪は内側のタイヤよりも遠回りする軌跡を描く。するとどうしても外側のタイヤは内側のタイヤより速く回転する必要があり、その結果、発生するのが「回転差」だ。これを発生させているのがノーマルのディファレンシャル(デフ)。スポーツ走行中にはとくに、内側輪がわずかに浮いているような空転状態となっているので、本来かかるべきトラクションが内側輪にはかかっていない。そのためパワーを適正に駆動輪に伝えるためには、左右輪の回転差を抑えつつデフの作動を制限させるのが最大かつ最良の方法となる。そのために存在するのがLSD (リミテッド・スリップ・デフ)なのだ。

LESSON.1 「LSDの役割とは?」

駆動力を適正に配分させ意のままにクルマを曲げる

クルマがコーナリングしている状態を解析すると、コーナー外側輪は内側輪よりも遠回りをする軌跡となるので、スムースにコーナリングさせるためには外側輪を内側輪よりも速く回転させる必要がある。その回転差を発生・吸収させるのがノーマルデフの役目だ。曲がりやすくなる半面、どちらかの駆動輪の負荷が抜けてしまうとお手上げ状態。回しやすいほうへと駆動力を配分してしまう構造のため、たとえばインリフトしてタイヤが空転してしまったなら、そちらへと駆動力が逃げてしまう。

それを克服してくれるのがLSDだ。機能はトラクションが抜けてしまった側とは反対のタイヤにきっちりと駆動力を分配する役割を持つ。左右の回転差を完全になくすと非常に乗りにくくなるので、そうならない絶妙な範囲でデフの作動を限定的に制限させるゆえ「リミテッド」という名が付いている。

純正デフとLSDの走行イメージを比較

LESSON.2   「機械式と純正採用されるトルセン」式などの違いは?

セッティングの幅広さなら多板式が唯一無二の選択

いくつかのタイプに分類できるLSD。SUBARU AWDで純正採用されているヘリカル(トルセン)LSDは「トルク感応型」に属する。左右輪を例にとるなら、どちらかの駆動輪が滑ったりして駆動力が抜けてしまった場合、瞬時にそのトルク差を感知しデフの作動を制限、反対側の駆動輪へと駆動力を分配する。CUSCOブランドの多板クラッチ式LSDも同じくトルク感応型となるが、内部構造は大きく異なる。ヘリカルギヤが噛み合う純正(写真下)に対し、薄いプレートが重ねられているのが多板式の特徴。ヘリカルギヤ式は騒音が少なくメンテナンスフリーということから純正採用となっているが、本来のLSDらしさと自身の腕と好みに合わせてセッティングできるのが多板式の最大のメリット。利きについてもヘリカル式の比ではない。また、プレートの組み方や圧着力の組み合わせ方により、静かでマイルドな方向にセッティングすることも自在だ。

トルセン式(WRX STIリア純正採用)静かさとメンテナンスフリー、専用オイルを必要としないなど手間はかからないが利きの面では多板式に比べ劣るのがヘリカル(トルセン)式のLSDだ。

機械式(多板クラッチ式)車両によりデフケースのサイズが異なるため枚数に違いはあるが、複数枚のプレートを圧着させLSDの効果を発揮する多板式。セッティング幅は無限大。

LESSON.3「CUSCOから発売される3方式の違い」

駆動方式によっても最適なチョイスが存在する

走りのステージやスキルによって、多板式LSDなら利かせ方も3つのタイプから選択できる。アクセルONにのみ利かせる「1WAY」、アクセルONに利きアクセルOFF時にわずかに利く「1.5WAY」。アクセルのON/OFF問わずどちらでもフルに利くのが「2WAY」と大分類される。走り方や好みの側面で最適なタイプを選ぶことになるが、ざっくり言うとマイルドな使いやすさで選ぶなら1WAY、挙動変化をコントロールできる自信があるなら1.5WAY、思い切り利かせたいなら2WAYといったところ。SUBARU AWD(MT車)ならフロントには1WAY、リアには1.5WAYが定番のチョイスではあるが、これはあくまで目安。後で述べるが、これ以外にも「カム角」という一歩進んだセッティング項目も存在する。けっして安くはないパーツでもあるので、自分の好みが定まっていないようなら、プロショップと膝詰めで相談しながら決めたい。

「タイプ別」LSDの作動イメージ

1WAYアクセルON時にのみ利くのが1WAY。自然で扱いが、いわゆる「付けてる感」は希薄。逆にいうならそのマイルドさゆえAWD(MT車)のフロントには最適な選択であり、とりあえず1WAYから始めても後に利きを強めることもできるので安心。

1.5WAYアクセルON時にLSD効果を発揮し、アクセルOFF時にはわずかに利きを残す絶妙な配分なのが1.5WAY。2WAYほどのシビアなコントロールは必要なく、AWDのリアに相性がいい。自分好みのセッティングが決まった際の自在感がある。

2WAYアクセルのON/OFF問わずどちらでも利くのが2WAY。常時利いた状態のため手なずけるだけの運転スキルも必要とされるので、競技用として理解してもいいだろう。AWD(MT車)のフロントに装着したならアンダー傾向になる場合もある。

組み合わせ次第でふたつの作動方式が楽しめる3タイプの利かせ方があると紹介したが、じつは利かせ方を決める「プレッシャーリング」は、ふたつのタイプを組み替えて使えるようになっているものもある。1WAYでモノ足りなければ1.5WAYに組み替えることもできるし、その逆も可能だ。

CUSCO LSD主力シリーズラインアップ

【type-RS】

扱いやすさで人気の入門機だが仕様向上も可能CUSCOのLSDの主流は3タイプの構成からなる。その分類は主にプレートの圧着のさせ方の違いだ。内側に組み込まれたスプリングにより圧着させるのが「RS」で、異音発生が比較的少ないのが特徴。耐久性にも優れる。スプリングの本数で利きを調整する。

【type-MZ】

ハイパワーを許容する高スペックの上級者向け外側に位置するコーンプレートにより圧着させるのが「MZ」。RSが内圧式なら、こちらは外圧式と呼ばれる。ブーストアップなどパワーを上げているならこちらをチョイスするのもいい。圧着させる力も強いためオーバーホールサイクルに注意する必要がある。

ハイブリッドデフ】

ライトなAT車オーナーにぴったりなマイルド版MZと同じく外圧式でありながら圧着させる方法はスプリングとなる、機能に優れた部分をチョイスしているのが「ハイブリッド」だ。AT車専用をうたい、その利きは自然でマイルド。1WAYのみの設定であり、とりあえずLSDを味わってみたい方に最適。

キャロッセ 営業部 部長 柳澤宏至さん

「純正採用のLSDでは味わえないダイレクト感が多板クラッチ式LSDにはあります」。効き具合もマイルドからハードまで自在にセッティングできるのも魅力だ。

キャロッセ TEL027-352-3578https://www.cusco.co.jp

(リポート:SUBARUマガジン編集部)

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(Auto Messe Web 『SUBARU MAGAZINE編集部』)

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