造形美と空力性能を磨いたエアロパーツは、欧州スポーツに負けない性能と質感を表現
サーキットでのタイムアタックで、トップタイムを刻むデモカーやチューニングカーに究極の空力アイテムを提供する『VOLTEX(ボルテックス)』。実戦で得たノウハウを盛り込んだ、日産R35型GT-Rのストリート仕様を開発しているという。ビジュアルだけでなく、機能までも磨き上げられた逸品に迫る。
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鈴鹿サーキットの袂に拠点を構える「ボルテックス」といえば、代表作のGTウイングを筆頭とした空力性能向上に拘るエアロパーツメーカー。極限の世界でコンマ1秒を削るべく、有名ショップやトップランカーらが愛用する。そして、実はストリート用のエアロパーツも開発。「技術は日進月歩で進化しており、それは空力の世界でも同じ。究極の世界でノウハウを積まなければ商品に還元できないので、最速タイム更新を目指すチームとタッグを組んでいます。そのため、ハードなイメージがつきものですが、当社の考えるエアロパーツはまずストリートありき。その上で、走る人たちの要望に応えながら形を変え、多様化させていくスタイルです」とは中島昭宏代表。
同社として初となるR35型GT–Rのエアロパーツもその流れを踏襲し、ストリートバージョンから製作。取材時では、フロントバンパー&ワイドフェンダーのプロトタイプが完成したばかり。今後はリアバンパー、リアフェンダーなども開発予定という。「外観は派手にしたくないGT–Rオーナーは多いため、デザインはR35型GT-Rのシーンで人気のMY17(2017年モデル・画像参照)をモチーフに。前後に285/35R20サイズのタイヤを履けるようにするのもお約束なので、必然的にフェンダーも製作。こうすることで妥協のないデザインができる目処が立ちました」。
バンパーボトムに備わるリップは、前方に延長することでダウンフォース効果をアップ。アンダーフロアは純正品を使えるようにしている。「フロントグリルのデザインは純正を踏襲。GT-Rは小さな開口部で十分な冷却性能を確保しているので、かなり完成度は高いと思います。プロトなので、作り込まれたダクト類も生かせるように内部の造形を煮詰めていく予定ですよ」。まさに純正アップグレードといった印象で、見た目はノーマル派のオーナーも納得のデキ。オーナーが求めるデザイン性を重視しながら、機能面、品質を追い求める「ボルテックス」のエアロパーツ。フルキットの完成が待ち遠しい。
MY17をモチーフにさらなる機能美を追求
バンパーをスキャンして、読み取ったデータとイメージスケッチ画と照らし合わせながら加工。完成後はポリゴンメッシュで出力し、最終的にはパテを盛るなど修正をしてマスター型を完成させている。前・中期ボンネットのキャラクターラインにMY17風のデザインを融合させるが違和感なし。バンパー両端のグリルデザインは空力的に効果があるのか、風洞に入れて確認を行なう。
バンパーを約100mm延長したことで、フェンダーラインからエッジに繋がる流れが緩やかに。純正よりも優しいシルエットとなる。
バンパーとリップは2分割されたデザインとなり、上から見るとリップが前方に出ているのが確認できる。両端のエッジ部分も彫りが深い。
フロントフェンダーは片側30mm拡大。フロントのインナーフェンダーを彷彿させる下部のキャラクターラインがデザインのアクセントだ。
リアウイングはすでにリリースする「カモメタイプ」のタイプ12。R35は空力的には非常に優れているのだが、高速コーナーでは唐突にリアオーバーになることがある。それを抑えるためにGTウイングは効果的だが、ビジュアルを派手にしたくない。そんなオーナー向けのアイテム。
ボルテックス ☎059-375-7792 https://www.voltex.ne.jp/取材協力:ガレージ力 ☎0594-82-5026 http://www.garage-chikara.com/
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