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イベント 2019.6.19

「GT-Rより救急車が好きだ!」という俺得な試乗会に行ってきた 日産のはたらくクルマ、ガツンと大集結

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 日産自動車(以下、日産)が神奈川県横須賀市の日産追浜工場で、“はたらくクルマ”の展示試乗説明会を実施しました。個人向けの“かっこいい車”で新製品試乗説明会を行うことはよくありますが、“はたらくクルマ”でそれを行うのは「珍しい」(同社広報担当)ことです。

 日産が扱うクルマは、テレビCMなどで知られる個人向け製品だけではなく、法人向け、行政向けの製品も多くあります。同社の日本LCVマーケティング部で主に救急車「パラメディック」を担当する甲斐崇史さんによると、この法人向けと行政向けの製品が「はたらくクルマ」という位置付けになるそうです。

    【写真35枚】「日産のはたらくクルマ6選」フォトギャラリー

 日産のはたらくクルマは、「WV」(Work Use Vehicles)と「LV」(Life Care Vehicles)に分類されます。WVは文字通り、仕事で使う業務用車両です。LVは「生活において役に立つ車両」と定義されますが、そのほとんどは車いすに対応する福祉車両を指します。なお、WVにも車いすに対応したタクシー用車両があります。

 そんなはたらくクルマに実際に触れてみました。ここでは試乗した感想を交えてそれぞれの特徴を紹介していきましょう。

●日産の救急車「パラメディック」 一応、個人でも買える……えっ!?

 パラメディックは、日産が開発製造している「高規格準拠救急車」です。

 2018年に登場したこのE26型パラメディックは「NV350キャラバン(CBF-CS8E26)」をベース車にしています。まず、「最小回転半径が6メートルとそこそこ小回りが利くため、狭い市街地によくある4メートル幅の直角路でも取り回しが容易」(甲斐さん)という特長があります。

 実際に運転してみても「意外と普通」でした。救急車っていろいろ機材が積んでいるから重量ありそうだし、車体も普通に大きいからカーブとか曲がりにくそう……などと警戒しながらの初走行でしたが、試乗コースの連続ペアピンカーブも普通車と同じ感覚。グイグイと曲がることに驚きました。

 ちなみに、パラメディックは日産のお店で個人でも買えます。

 ……買えますが、緊急車両としての登録はできないので赤色灯やサイレンなどの緊急車両関連設備は搭載できません。もちろん移動できる医療施設として使うことも可能なので、医療組織や介護組織で導入する例もあるそうです。

●大切なお子さまが乗るからこその優しい工夫「シビリアン送迎バス」

 続いては園児送迎のためのシビリアン送迎バスです。

 こちらもさり気ない工夫が凝らしてあります。例えば乗降ステップは小さな園児に合わせて段差を低くしています。また、引率の先生が車内を移動しやすいように車内は高さ1.85メートルの高さを確保しているのだそうです。

●車いす対応車両もひと工夫あり「セレナ e-POWER チェアキャブ」「NV200タクシー ユニバーサルデザイン」

 セレナ e-POWER チェアキャブは、シリーズハイブリッドの人気ミニバン「セレナ e-POWER」を車いす対応にしたモデルです。

 車いす対応車は方法によって3つの方式があり、また、車いすの固定場所と台数によって4パターンのレイアウトがあります。今回試乗したのは車いす1台を後部ハッチからスロープで載せて、サードシート部に固定する仕様の車両でした。同乗者は車いすに座ったまま乗車できます。

 後部ハッチを開いてスロープを降ろします。スロープの角度がさらに緩やかになるように、スイッチ1つで車高を低くする装置を搭載しています。

 車いすはこのスロープとウインチ付きのガイドロープを使い、引き上げるようにしてクルマに載せます。ウインチはワイヤレスリモコンで操作できるのでいつでも止められますし、万が一ウインチが故障したときのための後退防止機構もしっかり備えています。

 車いすを載せて、しっかり固定して後部ハッチを閉めると、下がった車高は自動的に戻ります。対象者を車いすに乗せたまま、介助者も体力をほとんど使わずに安心して乗車できる仕組みです。

 「運転しますか? それとも車いすで乗りますか?」(日産の説明員さん)

 「おおお! では、車いすで」(私)

 ということで車いすでセレナ e-POWER チェアキャブに試乗してみました。車いすは車内の器具でがっちり固定できるので、走行中の加減速に左右カーブの遠心力がかかったとしても全く揺らぐことはありません。通常のシートと変わりません。いや通常の座席よりも座面が高いので、視界が良くてかえって快適です。

 続いてはNV200タクシー ユニバーサルデザインです。NV200タクシーに貨物を載せるスロープと車いすに対応した固定器具を備えたモデルです。

 セレナ e-POWER チェアキャブにあった乗降時の車高変更+ウインチ機能はありませんが、福祉タクシーとは異なり介護資格を持たない運転手でも利用できるようになっているそうです。

 なおNV200タクシー自体も、スーツケースなどの大きな貨物の搭載を重視したバンタイプのタクシーと他にはあまりない存在でしょう。燃料にガソリンとLPGを利用できる「LPGバイフューエルモデル」も用意しています。

 今回の試乗ではこのLPGバイフューエルモデルを試すことができました。LPGを消費するタクシー車両の運転など、一般人ではそうそう体験できることではありません。始動直後はガソリンを使うので加速力十分。ただ、直線コースに入ってから加速しようとすると、アクセルをしっかり踏み込んで待たないと流れに乗る速度に達するまで時間がかかる……。LPG車特有の体験ができました。

 セレナe-POSERやNV200タクシーのような車いすを載せられる「チェアキャブ」モデルは、今回紹介した「後方スロープタイプ」の他に、「スライドアップシートタイプ」「リフレクタータイプ」もあります。

 スライドアップシートは、車いすの同乗者が乗りやすいように、座席が車体の外側に出て迎え入れる機構を備えます。昇降能力は100キロ超。このモデルでは助手席か中列左側席に搭載できます。

 リフレクタータイプは、スロープの代わりに昇降能力170キロの電動リフターを搭載したタイプです。リフターに車いすを固定したらそのまま車に乗せることができます。

●普通免許対応の「アトラストラック」、現代のユーザー要望から誕生した「キャラバン冷蔵冷凍車」!

 「アトラスF24」シリーズは、積載量1.5~2トンクラスの配送用車両です。

 アトラスは荷台の仕様に応じて多種多様なモデルがありますが、アトラスF24は総重量を3.5トン未満に抑えた「普通自動車免許で運転できるガソリンエンジン車両」です。

 2017年3月12日施行の改正道路交通法によって、3.5トン以上7.5トン未満のトラックに乗れる「準中型免許」という免許区分ができ、同時にそれ以降に取得する普通(自動車)免許は、乗れる車両の総重量がこれまでの5トン未満から3.5トン未満に引き下げられました。

 準中型免許は若い人がトラックドライバーの仕事に従事しやすくなるように新設されたものですが、同様に“普通免許でも運転可能な、総重量を3.5トン未満に抑えたトラック”も、昨今の喫緊の課題である労働力不足に対応する目的で需要が高まっています。例えば生活協同組合(生協)は、最近採用を増やしている女性パートタイム社員でも運転できるはたらくクルマとして、新しい免許区分の普通免許対応車両をかなり採用しているのだそうです。

 普通免許でも運転できるということで私も試乗してみました(私は2007年6月1日以前に普通自動車免許を取得しているので、総重量8トン未満、最大積載量5トン未満の車両まで運転できますが)、確かにトラックというよりは「ちょっと大きめのワゴンかな」くらいの感覚で運転できます。試乗日当日は強風が吹いていたのですが、風にあおられることもなく安定して走行していました。

 もう1つ「キャラバン 冷蔵冷凍車」も、現代の需要とユーザーの強い要望から生まれた現世代のはたらくクルマです。

 これまで冷蔵冷凍車というと、専用の冷蔵保冷庫を載せた特装トラックタイプが主流でした。しかしご存じの通り、ネット通販の一般化で昨今の物流・配送事情は大きく変化しています。課題は宅配ボックスが使えない要冷凍冷蔵の荷物。「冷却能率を下げずに荷物を容易に出し入れ」でき、「狭い街中でも取り回しがよく、効率よく運べる冷蔵冷凍車」の要望が特に増えているのだそうです。

 その要望に応えるべく作られたのが、商用バン「NV350キャラバン」に冷却装置と可動式の断熱仕切りを載せたキャラバン 冷蔵冷凍車です。通常モデルでは空洞だったスライドドア内部もしっかり断熱。可動式の断熱材で内部を仕切ることで、後部ハッチから取り出す品物と側面スライドドアから取り出す品物のそれぞれで冷温を維持できるようにしてあります。スライドドアの内部には遮熱用のカーテンなども取り付けています。

 これら日産のはたらくクルマは、日産と「オーテックジャパン」が共同で開発しています。オーテックは日産グループの関連会社として特装車やカスタマイズなどを手掛ける日産のサブブランド。特に福祉車両の製造においては、福祉関連資格を有するオーテックのスタッフが企画開発に関わったり、オーナーミーティングを定期的に開催して聞き取りを実施し、その内容をフィードバックしたりするなど、実際に使うユーザーの視点を重視していると同社広報スタッフの高木祐美さんが話してくれました。

 「はたらくクルマ」と聞くと、多くの人は重機建機を想像するかもしれません。日産自動車は無限軌道を備えたブッ飛び車両こそありますが重機建機は扱っておらず、そういう意味ではいささか地味な車種が並んでいるように見えるかもしれません。

 しかし、車いす対応の福祉車両は私たちの生活において既に地道に、かつ、これからますます必要性が増してくるのはまず間違いないところです。そして福祉車両もそうですが、幼稚園送迎バスにバンタイプの冷蔵冷凍車、トラックには、生活に密着しているからこそ求められる細かい技術や機能が凝縮されているのです。

(長浜和也)

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(ねとらぼ交通課 )

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