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イベント 2019.3.12

西武新型特急Laviewが実現する、5つの「今までに見たこともない“すごい”こと」/月刊乗り鉄話題(2019年3月版)

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 西武鉄道は2019年3月16日から新型特急電車「Laview(ラビュー)」の営業運行を始めます。Laviewは2018年度に2編成が作られました。2019年度は5編成が作られます。合計7編成が製造されて、西武鉄道の2019年3月現在の主力特急電車「ニューレッドアロー」と交代します。

 Laviewは西武鉄道の「今までに見たこともない列車を作ろう」という意気込みで企画されました。斬新な車体デザインは建築家の妹島和世氏を抜てき。既存の鉄道車両にとらわれないデザインにするために、あえて鉄道を知らない著名な建築家に依頼したそうです。

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 妹島氏は2010年に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞しています。プリツカー賞を受賞した日本人建築家は過去に丹下健三氏、安藤忠雄氏など。妹島氏の受賞は日本人女性としては初、世界でも2人目の女性受賞者です。

 妹島氏の作品を画像検索してみると、ガラスとアルミなど銀色の金属を組み合わせたデザインが幾つか見つかります。西沢立衛氏と組むユニット「SANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)」名義で、金沢21世紀美術館、ルーブル美術館分館を手掛けました。鉄道分野の建築では、JR常磐線の日立駅橋上駅舎と自由通路、展望飲食施設「シーバーズカフェ」が話題になりました。

 この他、座席や床面などのテキスタイルはデザイナーの安東陽子氏、車内の照明デザインは照明家の豊久将三氏、デザインコーディネーションとグラフィックデザインは建築家の棚瀬純孝氏が担当しました。

 世界的建築家が鉄道車両をデザインした結果、西武鉄道と製造に当たる日立製作所も巻き込んで、ケンケンゴーゴーの議論が起きたそうです。「風景に溶け込む車両、ってなんなんだよ!!」みたいな。しかし「鉄道分野に詳しくない才能」が、デザインの目的やイメージを実現すべく頑張って「今までに見たこともない列車」が完成しました。

●【Laviewスゲー 1】今までに見たこともない「先頭形状」

 先頭車両の形にビックリ。半球です。今まで、曲面ガラスを使った先頭車はたくさんありました。平面を左右方向に曲げたガラス面です。しかしLaviewの前面は半径1500ミリの球です。球面ガラスの車両は日本初とのこと。

 金属とガラスの造形は固い印象になりがちです。しかし球面になるとカワイイですね。この球面ガラスは製造だけでなく、取り付けも大変な技術がいります。それと同じくらい苦心したのがワイパーだったそうです。球面に対応するワイパーは日本では実績がなく、フランス製を採用しているとのことでした。

●【Laviewスゲー 2】今までに見たこともない「大きな窓」

 Laviewの側面窓は縦が1350ミリ、横が1580ミリあります。大きい! 特に縦方向がレッドアロー号より拡大されています。

 この大きな窓を採用した結果、窓の下辺はシートの座面よりやや下まで来ています。従来の電車の窓は下辺が肩から胸の辺りですからかなり違います。窓がここまで下にあると、景色の下の方がよく見えます。「景色が近い」という感覚です。ホームの点字ブロック、踏切の遮断棒も見えます。

 人は手前の景色の方が動きが速いと感じるので、スピード感も増します。プレス向けの試乗会は小手指駅から池袋駅までの近郊と都市部を走りましたが、飯能~秩父間など自然の多い区間で鉄橋を渡るときは、景色が真下まで見えます。かなりダイナミックで、ちょっとスリル。今までに見たこともない窓から、今までに見たこともない景色を楽しめます。

●【Laviewスゲー 3】今までに見たこともない「ゆりかごシート」

 窓が大きく、下辺が膝あたりまである。そうなると、スカートの人は「駅の停車中などに覗かれてしまうかも」と気になるかもしれません。もちろん心配はありません。その対策もしています。

 窓ガラスには半透明の水玉模様があり、窓ガラスのフチに近づくほど水玉の数が多く、不透明になります。さらに、シートの肘掛けが板状のため、真横から腰は見えません。この肘掛けは背もたれ側と一体化されているため、シートを倒すと肘掛けも回転します。肘の位置が変わらず、膝も隠したままです。まるで揺りかごのような構造です。

 ただし乗り鉄目線で言わせていただくと、Laviewの目的地の秩父や飯能は、川下りやハイキングなど、身体を動かして楽しむところがたくさんあります。存分に楽しんでもらうために、ズボンやキュロットスカートなどの動きやすい装いが良いと思います。

●【Laviewスゲー 4】今までに見たこともない「風景に溶け込む車体」

 銀色の車体は珍しくありません。鉄道会社のほとんどが通勤電車などを中心にステンレスを使用し、塗装を省いて塗り直しなどの維持コストを下げています。

 Laviewも銀色ですが、「塗装した銀色」です。おカネが掛かっています。車体はアルミニウムを主な素材とし、さらに銀色で塗装しました。アルミニウム自体はステンレスと同様に錆びにくい素材です。しかし、強度を上げるために合金とするため、混ぜた素材が錆びたり、腐食する恐れはあります。鉄道車両はアルミの素地色を引き立てる場合であってもクリア塗装しています。

 Laviewは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む」というテーマを実現するため、独特のシルバー塗装を施しました。普通の銀色では光を反射してしまい、風景の中で車体がギラギラと目立ってしまいます。光を適度に反射し、風景を車体に映す、適度な銀色を求めました。そこで採用した塗料が「スーパーブライトNo.2000」です。

 スーパーブライト No.2000は大日本塗料が開発しためっき調シルバー塗料です。クルマのアルミホイール、ホイールカバーなどに採用実績があります。鉄道車両という大きなアイテムに、銀めっきのような表現ができます。

 鉄道車両の採用はLaviewが初。Laviewに乗るときは、車体を見て「ふっ。スーパーブライト No.2000か、いいツヤしてやがるぜ」とつぶやいてみましょう。ツウな人だと思われるかもしれません。

●【Laviewスゲー 5】今までに見たこともない「旅が待ってる」

 そろそろ、今まで見たことのない電車「Laview」に乗りに行きたくなりましたね。

 ただし、きっぷを買うときは要注意です。Laviewは車両の名前です。列車名ではありません。西武池袋線の特急「むさし」と、西武秩父線に直通する特急「ちちぶ」の一部の列車がLaviewで運行されます。その他のむさしとちちぶは「ニューレッドアロー」の車両です。西武新宿線の特急「小江戸」も、今のところニューレッドアローです。

 Laviewの窓の大きさを楽しむならば、ぜひ「ちちぶ号」に乗りましよう。飯能~秩父間は眺望が良い山岳区間です。鉄橋でRaviewの大きな窓から今まで見たこともない絶景を眺められるはずです。

 Laviewで運行する列車は、土休日下り「むさし67号・43号」「ちちぶ5号・13号・29号」、土休日上り「むさし64号・34号」「ちちぶ20号・28号・48号」、平日下り「むさし27号・51号」「ちちぶ9号・17号・37号」、平日上り「むさし6号・12号・42号」「ちちぶ24号・32号・56号」です。

 このうち、平日の「ちちぶ17号」と休日の「ちちぶ5号・13号」「むさし67号」は、池袋~所沢間を最速の19分で結びます。スピード感を楽しみたい人はこれらの列車を選ぶと良いでしょう(以上、2019年3月現在)。

 Laview「ちちぶ号」に乗って向かう先は秩父です。西武秩父駅には温泉施設「祭の湯」が併設されています。露天風呂や岩盤浴などを備えた温泉エリア、フードコート「祭の宴」、物販エリアの「ちちぶみやげ市」があります。

 西武秩父駅から徒歩約10分の羊山公園は芝桜の名所です。開花時期は4月中旬から5月上旬。羊に触れるふれ合い牧場やアスレチック広場もあります。

 西武秩父駅から秩父鉄道の御花畑駅までは徒歩数分です。秩父鉄道はSL列車「パレオエクスプレス」で知られています。秩父鉄道沿線にはパワースポットとして人気の三峯神社、いちご狩りやバーベキューが楽しめる秩父フルーツファーム、秩父神社、長瀞渓谷付近は荒川のライン下り、ロープウェイがある宝登山(ほどざん)はロウバイの名所です。

 Laview「むさし号」終点の飯能には「ムーミンバレーパーク」がオープンします。開園はLaviewのデビュー日と同じ2019年3月16日。「はじまりの入り江エリア」「ムーミン谷エリア」「コケムス」「おさびし山エリア」の4つがあり、それぞれに展示施設やレストラン、グッズショップがあります。飯能駅から「メッツァ」行きの直行バスで約13分です。

 秩父や飯能へまだ訪れたことがない人は、Laviewの乗車をきっかけに遊びにいきましょう。既に行ったことがある人も、Laviewに乗ってまた遊びに行きましょう。今までに見たことがない楽しさが待っているかもしれません。

●(おまけ)西武鉄道の歴代特急車両とS-TRAINについて

 Laviewは西武鉄道の3代目の特急電車です。

 初代特急電車は5000系「レッドアロー」でした。1969年の西武秩父線の開業と同時に特急「ちちぶ」として運行を開始します。5000系電車は西武鉄道からは引退していますが、一部の車両は1995年に富山地方鉄道に譲渡され、16010形となりました。

 2代目レッドアロー号は1993年から営業運転を開始しました。形式は10000系。レッドアロー号と呼ばれていますが、車両の正式愛称は「ニューレッドアロー」です。車体にも「New Red Arrow」を示す「NRA」のロゴが入ります。

 Laviewは大きな窓が特長ですが、この大きさの窓には先輩がいます。S-TARINとして運行する40000系電車です。

 40000系は西武鉄道、東京メトロ副都心線、東急電鉄東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線に直通する定員制列車「S-TRAIN」のために設計された電車です。平日は通勤ライナーとして、休日は横浜と秩父、長瀞を結ぶ観光列車です。

 40000系の行先表示板には西武鉄道の駅のほか、S-TRAINとして直通する東京メトロ、東急電鉄、みなとみらい線の駅データかあります。そして、Laviewにもみなとみらい線の「元町・中華街」行先表示が確認されました。これはLaviewの車両見学会を訪れた人が発見し、SNSで話題になりました。

 これで、Laviewが東京地下鉄と東急電鉄、横浜高速鉄道へ乗り入れる可能性が高まりました。Laviewが東急電鉄で走る日が来たら楽しそうですね。

(杉山淳一:乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴 鉄旅オブザイヤー選考委員)

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(ねとらぼ交通課 )

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みんなのコメント

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  • tom*****|2019/03/12 21:58

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    だから、あんな不細工なデザインの列車になったのか。
    だいたい畑違いのデザイナーに頼むデザインってろくなものないよな。
    カッコ良くてわざわざ遠くから足を運んでまで乗りたいと思わせるデザインでないと。
  • whi*****|2019/03/12 15:46

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    東京の踏切をなんとかしろっつーの!
    車両に金かけなくていいから馬場から降りないでずっと上走ってろや! 邪魔なんだよ!

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