モータースポーツの歴史 後世に伝える
現在もF1グランプリを開催する鈴鹿サーキットは、モータースポーツが持つ貴重な歴史にスポットライトを当てた鈴鹿サウンド・オブ・エンジンを2015年から開催している。「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」や「モントレー・ヒストリックカーレース」などのヒストリックカーイベントと並び称されることを目指したもので、展示だけではなく実際にレーシングコースを走行し、往年のレーシングマシンの雄姿とエンジン音を感じてもらうことを特徴とする。
「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2017」をスライドショー形式でみる
今年の初日はあいにくの降雨で走らないマシンもあったが、2日目は天候に恵まれてドライ路面となりヒストリックカーのイベント日和となった。
ヒストリック・フォーミュラ1 大挙参加
3回目を迎えた今年は、ヨーロッパで注目を浴びているもうひとつのF1グランプリといえる「マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1」のデモンストレーション・レースを初開催したのがニュースだ。「マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1」は、1966年から1985年までにF1に参戦したノンターボ3ℓエンジンを搭載するマシンという車両規定で、当時のカラーリングを保つ必要がある。しかし安全基準は重視されており、FIAのヒストリック・テクニカル・パスポートが必要で、本気で走る厳しさがある。2017年はかつてF1GPが開かれたサーキットを中心に8戦が組まれる人気急上昇中のレースで、多い時は30台以上が競うもうひとつのF1GPといえる存在なのである。
今回マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1シリーズを転戦するマシンの中から精鋭が来日し、ノンタイトル戦ながらその雄姿と本気の走りを披露した。今回参加したマシンは以下の通り。
・1970ティレル001
・1972ブラバムBT37
・1974ヘスケス308B
・1974ロータス76
・1975マキF101C
・1975ウイリアムズFW04
・1976マーチ761
・1976マーチ761
・1976マクラーレンM26
・1976ペンスキーPC4
・1981ブラバムBT49C
・1982ウイリアムズFW08
・1983ロータス92
・1983ティレル012
このほかデモランのみのレジェンド・オブF1クラスも設けられ、マクラーレンM26やコジマKE007、ウルフWR1、アルファ・ロメオ179Cなども加わり、往年のF1マシンが鈴鹿サーキットを駆け抜けた。
初日の18日は朝から雨が降る残念なコンディションとなったが、本気で闘うドライバーたちだけにレインタイヤを装着してプラクティスのタイムアタックに挑んだ。またこのイベントの冠スポンサーを務めるリストウォッチ・メーカー、リシャール・ミル代表のリシャール・ミル氏も、自らのマクラーレンM26で参加している。
今年のゲストはロベルト・モレノ
鈴鹿サウンド・オブ・エンジンでは毎年かつて鈴鹿で活躍したドライバーをゲストに招くが、今回は1990年の日本GPで欠場したアレッサンドロ・ナニー二の代役としてベネトンに起用されたロベルト・モレノ。苦労人モレノは本領を発揮し同郷のネルソン・ピケに続く2位表彰台を獲得したことは、日本のF1ファンにとっては忘れ得ぬ出来事だ。それだけにサイン会では当時のプログラムを持参したベテランファンの姿も見られ、20数年ぶりに訪れた鈴鹿での暖かい出迎えに感激していた。
またマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1に参戦するオーナーの好意により、当時憧れだったウイリアムズFW08やFW04などをドライブする機会に恵まれ、ウェット路面で現役ドライバー以上のタイムを記録するなど、まだ腕前が衰えていないことを示した。
グループC、スーパーカー勢も大盛況
もうひとつの注目プログラムであるグループCカテゴリーは、メーカーの威信をかけて開発されたモンスターマシンに注目したもの。鈴鹿でもかつてSWC戦やJSPCでおなじみの存在であり、今回は2台のニッサンR92CP、フロムAニッサンR90CK、トヨタTS010、マツダ787B、マツダ767B、アドバン・アルファ・ノバ962C、タイサン・スターカード962、トヨタ・トムス85C-L、サードMC8、ニッサン・シルビア・ターボ・ニチラ・マーチ83G、MCSグッピーなど、懐かしのマシンが揃った。このうち2台のニッサンR92CPには星野一義と長谷見昌弘、トヨタTS010には片山右京、マツダ787Bには寺田陽次郎と、往年を思わせるドライバーたちがドライブした。デモレースはマスターズF1と共にグループCレーシングシリーズを闘う久保田氏が駆るフロムAニッサンR90CKがトップでチェッカーを受けた。
「60’s レーシングマシン」カテゴリーには鈴鹿の歴史を彩ってきたマシンが姿を見せた。そこにはフォードGT40、ポルシェ907、日産R382、ローラT70 Mk-IIIからロータス23、コニリオ、ホンダS800までのヒストリックマシンたちがエグゾーストノートを披露。
さらにはフロント・ラジエターが葉巻型のフォーミュラ・マシンによる「ヒストリック・フォーミュラ・レジスター」によるエキジビションレースが行われ、’60年代の風を感じていた。このほかパガーニ・ゾンダ・レボリューションとマクラーレンP1 LMのデモランが行われ、普段目にすることができない超怒級スーパーカーの走りを披露した。
2輪車のレースの舞台でもある鈴鹿だけに、モーターサイクル・ヘリテージとして1972年までに製造されたロードレーサーが集結。
WGPを闘ったホンダのマシンによる「HONDA WGPの栄光」も行われ、3台のNSR500とRC211Vによるデモランでは、往年の名場面がコースの随所で見られた。
グランドスタンド裏のGPスクエアではロベルト・モレノと片山右京氏によるトークショーやサイン会のほか、長谷見昌弘と星野一義氏によるグループCトークショーなどが行われ人気を集めた。
これまでパドックで行われていた「タイムトラベル・パーキング」は、より多くの来場者に見てもらおうとGPスクエアで展示されることに。このほか「スーパーカー・コレクション」と題し、代表的なモデル20台が並んだ。
こうして2日間にわたり300余台ものレジェンドマシンが集まり、ファンを感激させる名場面を提供してくれた。3回目となる鈴鹿サウンド・オブ・ エンジン2017は、フィナーレパレードをもって心地よい余韻を残して静かに幕を閉じた。
全27枚 「鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2017」詳細レポ
初日は生憎の天候になってしまったが、シリーズを闘う猛者たちだけに、初めての鈴鹿を走り込んでいた。
今回は走る予定が無かったモレノだが、オーナーの好意で当時憧れのウイリアムズFW08に乗りご満悦だった。
ウイリアムズFW08と共にFW04もドライブし、どちらもベストタイムをマークし今も健在なところを見せた。
2日目は青空が広がる好天に変わり、絶好のヒストリックカー・イベント日和となった。
当初予定の無かったウイリアムズFW04のコックピットに収まり、コースインを待つロベルト・モレノ。
モレノは日本のF1ファンにとって忘れ得ぬ存在で、サイン会では当時のプログラムを持参したファンの姿も。
マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1のほかデモランのみのレジェンド・オブF1クラスも設けられた。
マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1では、公募で選ばれたグリッドキッズがマシンを出迎えた。
レジェンド・オブF1クラスには日本GPで大活躍したコジマKE007Fが参加し、来場者の注目を集めた。
F1と共にこのイベントのもうひとつの目玉となったのがグループCカーだ。日産、トヨタ、マツダの名優が参加。
トヨタは3.5L NA規定に対応したTS010を持ち込み、片山右京が雨をもものともせず激走し観客を沸かせた。
ニッサンは2台のR92CPに長谷見昌弘と星野一義を乗せ、当時のレースを思わせるバトルを披露した。
デモレースはグループCレーシング・シリーズを闘う久保田氏が駆るフロムA R90CKがトップでフィニッシュ。
初期のグループCマシンであるニッサン・シルビア・ターボ・ニチラ・マーチ83Gは懐かしの姿を見せた。
GPスクエアでは当時グループCカーで闘った長谷見昌弘と星野一義、寺田陽次郎によるトークショーが行われた。
葉巻型フォーミュラ・マシンによる「ヒストリック・フォーミュラ・レジスター」のデモレースが行われた。
ピットウォークだけではなく、グリッドも解放され、普段は入れぬところからのシーンを楽しんでいた。
往年の鈴鹿1000kmを思わせる光景は、鈴鹿の歴史を彩ってきた60’sレーシング・マシンのカテゴリー。
2輪レースの舞台でもある鈴鹿だけに1972年までのロードレーサーによるモーターサイクル・ヘリテージを実施。
WGPを闘ったホンダのマシンによる「HONDA WGPの栄光」も行われ、3台のNSR500とRC211Vが走行した。
「HONDA WGPの栄光」デモランに先がけて、WGPを闘ったライダーによるトークショーが行われた。
今回から「タイムトラベル・パーキング」は、グランドスタンド裏のGPスクエアで展示された。
「タイムトラベル・パーキング」と共に、「スーパーカー・コレクション」と題し、代表的なモデル20台が並んだ。
「タイムトラベル・パーキング」は4輪車だけではなく、懐かしのクラシックバイクも展示された。
アトラクションとしてパガーニ・ゾンダ・レボリューションとマクラーレンP1 LMのデモランが行われた。
リシャール・ミル・パレードにはマクラーレンやフェラーリなど多数のスーパースポーツモデルが参加。
鈴鹿サウンド・オブ・ エンジン2017は、フィナーレ・パレードをもって名残惜しい中幕を閉じた。
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