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第5回 クラシェス VW トレッフェン・イン・ジャパン 写真84枚

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第5回 クラシェス VW トレッフェン・イン・ジャパン 写真84枚

日本を代表するビンテージ空冷VWイベント

特にクルマに興味がないというヒトでも「ビートル」や「バス」といえば特定のクルマをイメージするほどに、我が国に浸透している輸入車メイクス、フォルクスワーゲン。とりわけタイプ1に始まる空冷エンジンをリアに搭載した一連のモデルは、半世紀以上に渡って作り続けられたということもあり、単なる自動車という存在を超越し、それ自体がひとつのカルチャーとなった。

今回、筆者がお邪魔したのは日本において空冷VWの文化を守り続けてきたスペシャリストであるFLAT4が2年に1度の間隔で開催しているイベント、5. Klassisches VW Treffen In Japan。5回目となる今回は9月30日・10月1日の2日間に渡って開催された。初日は静岡県御殿場市の御殿場高原ホテル「時之栖」(ときのすみか)でエントラントを対象としたパーツトレードとウェルカムパーティーが執り行われた。2日目は裾野市の帝人アカデミー富士へ舞台を移し、ビンテージVWカーショーがオープンイベントとして開催された。


筆者が取材したのは2日目。朝に時之栖を出発したエントラント一行は富士山を横目に裾野のショー会場までクルーズを楽しみ、帝人アカデミー富士の名物であるメタセコイアの並木坂をくぐり抜けて、広大なグリーンに美しく整列した。

それぞれのVWに宿るヒストリーを感じる

“Klassisches VW Treffen(クラシックVWミーティング)” の名の通り、このイベントにエントリーできるのは、1959年モデルまでのタイプ1、タイプ2はリブバンパーの1958年モデルまで、カルマンギアは1959年の角テールまで。また、1959年までに生産されたVWベースのコーチビルド&軍用モデルと、シングルナンバーを掲げた1967年モデルまでのVWと1965年モデルまでのポルシェ356となっており、全ての参加車両は純正ホイールとノーマル車高であることという厳格なものとなっている。半世紀もの時の中で様々なスタイルのカスタムが文化として根付いている空冷VWの世界だが、オーナーとクルマとの付き合い方もまた様々である。後世にオリジナルコンディションの車両を遺し伝えていくためにも、このイベントは実に意義深いものであるといえるだろう。


エントリーしたビンテージVWは約50台。そのいずれもがノーマル車高&ホイール。その風景は退屈だったかというとまったくそんなことはなく、年代を反映した色とりどりのボディに、モデルや年式、グレードごとに異なるディテールのVWたちが並ぶ様子は、さながらカタログから飛び出てきたかのようで、目を奪われた。60年前にラインオフした直後のようなコンディションのクルマもあれば、敢えてレストアすることなく、しかし長年大切に乗られてきたことが察せられる “ヤレ感” のクルマもいる。クルマの雰囲気や装着されたパーツ、それらが相まって、そのクルマとオーナーが重ねてきた時間と情熱が感じられた。どう言えば良いのだろうか、とにかく「とても尊い」感じがした。だからといってお堅いワケではない。ビンテージVWのオーナーたちにとってそれは人生を共にしてきたパートナーであり日常。くだけた感じの空気感とゆったりと流れる時間、そんな心地よい週末であった。

■5. Klassisches VW Treffen In Japan 公式サイト -flat4.co.jp-
https://www.flat4.co.jp/ivent/2017vwtreff.html




84枚の写真で「第5回 クラシェス VW トレッフェン・イン・ジャパン」詳細レポ

心地よい朝の日差しの中、ホテルから会場までを愛車と共にドライブする『VINTAGE VWクルーズ』から今日のイベントが始まった。

会場となったのは静岡県裾野市の帝人アカデミー富士。絶好のロケーションから、自動車関連のイベントのメッカとなっている場所だ。

この施設のアプローチは約300m続くメタセコイヤの並木坂となっている。深い木立に差し込む日差しがとても厳かな空気感を醸し出す。

やはりギャラリーパーキングにもVWが! タイプ82キューベルワーゲンや、高年式のタイプ1ビートルの姿が数多く見られた。

駐車場の一角が小さなタイプ3ミーティング状態に! 充分に旧いタイプ3だが、この会場にいるとものすごくモダンに見えてしまう。

メタセコイヤのアプローチを抜けて、緑に囲まれた坂を下っていくエントラントたち。この先に広がる芝生の広場が会場となっている。

ゆったりとした間隔で整然と並ぶエントリー車両たち。そこにはまるで海外のカーショーを見ているかのような風景が拡がっていた!

無粋な人工物が目に入らない自然の中、グリーン上で繰り広げられるカーショー。クルマ好きならば誰もが夢見るようなひとときだ。

愛車のディスプレイにも余念がない。こちらのオーバルのオーナーはリアキャリアに雰囲気たっぷりなビンテージ・サイクルを載せていた。

ビギナーにとってビンテージ・タイプ1を見分けるにはリアビューがイチバン? 非常に稀少な原初の “スプリット・ウインドウ” の荘厳さよ!

こちらは小さな楕円の窓が高い位置に備わる “オーバル・ウインドウ” のリアビュー。ルーフの丸さが引き立ち、エレガントな佇まいだ。

オーバルの後に採用された “スクエア・ウインドウ” 。ずいぶんとモダンな雰囲気だが、それでもシングルナンバーを掲げる年代なのだ。

タイプ1コンバーチブルのゴージャスなリアビュー。今回は4台のコンバーチブルがエントリー。そのすべてが1954年モデルであった。

タイプ1をベースにカロッツェリア・ギアがデザインし、カルマン社で架装されたカルマンギア。こんなキレイなカルマンは初めてだ!

シングルナンバーの1964年型ポルシェ356SCもエントリー。やはり後ろ姿が魅力的なのはポルシェ博士作の空冷RR車の血筋と言うべきか。

優雅なマフラーエンドに惹かれ、とあるスプリットに向けてシャッターを切ったが、バンパーにクランク棒が通る穴を発見してちょっと興奮。

正直、これが珍しいディテールなのか全くわからない筆者だが、思わずカメラを向けてしまったウイングランプ(?)付きのサイドミラー。

変なカットばかりで申し訳ないが、旧車に当時モノっぽいコーナーポールというディテールも大好物。イルミ付きポールはこの一台だけだった。

2つ並んだステアリングにハッとしてよく見ると、年季の入ったチャイルドシートだった。子供の頃、こんなシートでドライブしたかった!

ビートルといえばお医者さんのクルマというイメージを体現する、『急患往診中』のプレート。白いボディカラーにもとても似合っていた。

クルマのサビにはあまり “侘び寂び” を感じない筆者だが、年月のみが描き重ねることのできるマチエールに絶句。しばし目を奪われてしまった。

イベントを主催するFLAT4のブースでは記念アイテムの他にも様々なビンテージ空冷VW用のパーツを販売。コレクションカーも展示していた。

会場のPA機器もまたビンテージ! 当日のMCを担当したのは、専門誌 Let’s Play VW’s編集長のガッツ石原こと石原淳氏であった。

イベントをスポンサードするAte、BBT、CSPプロダクト、JPグループ、ウォルフスブルクウエストのブースも並び、その製品も展示された。

ビンテージの空冷VWやポルシェ用のボディパネルや燃料タンク、細かな外装パーツまでもが今も新品部品として入手できることに驚く。

メインスポンサーのフォルクスワーゲン グループ ジャパンは、ザ・ビートルをはじめ、ゴルフやパサートなどの最新モデルを展示した。

スペシャルショップから個人まで、様々なパーツやグッズが並ぶスワップミート。ショップのサポート車両もビンテージVWと徹底している。

会場で美味しい昼食を提供してくれたケータリングは、なんとレイトバンと非常に珍しいルノー・エスタフェのハイルーフバンだった。

FLAT4ブースに展示された車両の一台、1958年型タイプ1セダンは新車時からの管轄地名なしのシングルナンバー車。レストア後初公開となった。

一見するとポルシェ356のような1953年型Dannenhauer & Staussは稀少なコーチビルドVW。FLAT4のコレクションで自走にて参加した。

こちらも貴重なコレクションカー、1958年型ROMETSCH LAWRENCE。このイベントに向けてレストアが進められていたプロジェクトカーだ。

完璧にレストレーションされた状態で展示されていたのは1948年型タイプ1のシャシー。今回の参加車両では最も旧いモデルとのことだった。

希望するエントラントを対象にして、メタセコイヤ並木の絶景をバックにプロカメラマンによる愛車との写真撮影のサービスも行われた。

カーショーにエントリーしたビンテージVWの中から、FLAT4やVW専門誌、海外からのゲスト、協賛各社が選ぶアワードの表彰も行われた。

フォルクスワーゲン グループ ジャパン賞は1952年型タイプ1スプリットに。素晴らしいコンディションとシングルナンバーが評価された。

Let’s Play VW’s誌賞は1954年型タイプ1コンバーチブルが受賞。元レース車からここまでリフレッシュさせたオーナーの熱意が受賞理由となった。

STREET VW’s誌賞は専門誌でも有名なトミー毛塚こと毛塚富夫氏の1954年型タイプ1コンバーチブル。このクルマが辿った数奇なヒストリーを評価。

いにしえのHOT VW’s誌カバーカーにしてウォルフスブルクウエストのトニー・ムーア氏が元オーナーの’54コンバー。30数年ぶりの対面を果たした。

米HOT VW’s誌賞は1951年型タイプ1スプリット。オーナーは女性で、なんと日々のお子さんの送り迎えにも活用されているというから驚きだ。

ウォルフスブルクウエスト賞は1953年型タイプ1スプリット “ZWITTER”。10年をかけてディテールを詰めたレストアのクオリティが高く評価された。

BBT賞は1957年型のタイプ1オーバルが受賞。女性オーナーが知人より受け継ぎ、ショップと二人三脚で仕上げてきた。各部の素性の良さを評価。

THE THING SHOP賞の1956年型タイプ2コンビ。仕上がりの確かさと審査員のラリー氏のかつての愛車を思い出させるイエローコンビにアワードを。

青森県から約800kmもの道程を自走で参加した、“青5” ナンバーの1965年型タイプ1が、前回に続いて2度目のロングディスタンス賞に輝いた。

52年前のクルマながら長距離を自走してご夫婦でイベント参加できるコンディションに維持されている。尽きることのない愛車への情熱に感動。

FLAT4賞は1967年型タイプ1が受賞。新車時からのシングルナンバーを持つ50年間ワンオーナー。オーナーの年齢は85歳という、素敵な車両だ。

1950年型VWタイプ1セダン・スプリット・ウインドウ

1952年型VWタイプ1セダン・スプリット・ウインドウ

1951年型VWタイプ1セダン・スプリット・ウインドウ

1951年型VWタイプ1セダン・スプリット・ウインドウ

1954年型VWタイプ1コンバーチブル

1954年型VWタイプ1コンバーチブル

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1955年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1953年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1959年型VWタイプ1セダン

1958年型VWタイプ1セダン

1956年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1955年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1955年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1955年型VWタイプ1セダン・オーバル・ウインドウ

1958年型VWタイプ1セダン

1964年型ポルシェ356 SC

1959年型VWカルマンギア・クーペ

1959年型VWカルマンギア・クーペ

1957年型VWカルマンギア・クーペ

1957年型VWカルマンギア・クーペ

1957年型VWカルマンギア・クーペ

1964年型VWタイプ1セダン

1960年型VWタイプ1セダン

1962年型VWタイプ1セダン

1964年型VWタイプ1セダン

1955年型VWタイプ2コンビ

1953年型VWタイプ2パネルバン

1958年型VWタイプ2パネルバン

1967年型VWタイプ1セダン

1967年型VWタイプ1セダン

1966年型VWタイプ1セダン

1966年型VWタイプ1セダン

1966年型VWタイプ1セダン

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