すべてのイタリア車のためのイベント
モントレー・カーウイークに開催されるイベントの中でも、カジュアルな雰囲気の中でイタリアンカーの世界を楽しめることで人気を集めているのが、コンコルソ・イタリアーノだ。その歴史はすでに30年以上にもおよび、すでにコンコルソ・イタリアーノの名前は、エンスージアストには広く知られている。
今年のコンコルソ・イタリアーノでは、フェラーリ創立70周年、そしてマセラティ・ギブリのデビュー50周年が特集された。今年のモントレー・カーウイークで、フェラーリの創立70周年は、ほかのイベントでもとりわけ重要なテーマとされていた。ここではクラッシックはもちろんのこと、ネオクラッシック、そして最新モデルに至るまで、まさにフェラーリが残した70年の歴史を、ひとつのイベントで振り返ることができたのは、今年のコンコルソ・イタリアーノを訪れたファンには、何よりの収穫だったに違いない。
イタリアンカーを愛するエンスージアスト交流の場
「フェラーリ」、「ランボルギーニ」、「デ・トマソ」、「フィアット&アバルト」、「アルファ・ロメオ」、「マセラティ」、「ランチア」、「イソ&ビッザリーニ」、「スペシャル・コーチワーク」、そして「モーターサイクル」の各クラスに分かれて行われるコンクールは、もちろんこのイベントのメインとなるもの。だが実際にコンコルソ・イタリアーノを見学していると、ここはむしろ同じブランドを愛する、そして同じイタリアンカーを愛するエンスージアスト同士の、交流の場であるように感じられる。ちなみに主催者によれば、今年のコンコルソ・イタリアーノには、トータルで1000台近くのエントリーがあったという。
ここ最近は、その集客力の高さから、コンコルソ・イタリアーノは、メーカーがニューモデルをプロモーションする場としても積極的に活用されるようになった。昨年ここでワンオフモデルの「コード57」をお披露目した日本のKEN OKUYAMA CARSは、今年もそれに続くニューコンセプトカーの「コード0」を、前日にクエイル・ロッジで開催されたモータースポーツ・ギャザリングに引き続いて披露。KEN OKUYAMA CARSの名前は、ここから再び世界へと広く発信された。
逝去したトム・チャーダを追悼するプログラムも用意
カロッツェリア・ギアの時代に、デ・トマソ・パンテーラなどをデザインしたことで知られ、このイベントでもゲストとしてその姿を見ることが多かったトム・チャーダ氏が、今年6月に他界したことは、コンコルソ・イタリアーノのファンには、とりわけ悲しい出来事だったに違いない。今回のイベントでは、このトム・チャーダを追悼するプログラムも用意され、イタリアンカーの歴史を語るのに欠かせない、偉大なるカーデザイナーの死を悼んだ。
全21枚 「コンコルソ・イタリアーノ」詳細レポ
今年のコンコルソ・イタリアーノでは、フェラーリ創立70周年が特集され、新旧のモデルが集まった。
グリーン上での展示はタイプごとにまとめられるのが特徴。こちらはBB系のエリア。
ブラック・ホース・ゴルフ場のグリーンはイタリア車で埋め尽くされた。こちらがフェラーリのブロック。
華やかな雰囲気を放つのはランボルギーニのコーナー。新しいモデルが多い。
とはいえ400GTやミウラなどのクラシック・モデルもちゃんと参加。
超希少なジャルパやシルエットも姿を見せた。ディアブロ系は多数参加。
ヴィンテージ期を代表する名車であるランチア・ラムダが姿を見せた。
ランチアは輸入が途絶えているため、フルヴィア系とベータ系が中心。
当時数多く販売されたメラクは、様々なボディカラーが見られた。
日本ではあまり見られないボーラも素晴らしいコンディションで参加。
マセラティのモダンモデルのクーペ/スパイダーは数多く集まった。
集まったボーラは、どれも完ぺきなコンディションに保たれていた。
こちらはデ・トマソのエリア。マングスタも流麗な姿を披露していた。
パンテーラは、オリジナルからモディファイまで楽しみ方は様々。
アメリカらしいカスタム化が施されると、また違った雰囲気に変わる。
アメリカではほとんど見ることのできないアルファ・ロメオSZだが、熱心なオーナーが持ち込んだ。
バーンファインドなのか長年使い込まれて痛みが見られるアメリカ仕様のフィアット・ムルティプラが姿を見せた。
素晴らしい状態のアウトビアンキ・ビアンキーナ。左のフィアット500Cと後ろのフィアット850も目を引く。
何故ナッシュ・ヒーレーが展示されているのか? 実はピニンファリーナ・デザインのため参加が許される。
キャデラック・アランテも同様に参加できる。このようなフレンドリーさがコンコルソ・イタリアーノの魅力。
エンジンフードを開けると同士が集まり、メンテやパーツの話で盛り上がるのは世の東西を問わないようだ。
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