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【跳ね馬の新たな最高峰】Driving Review:Track/硬派な849テスタロッサの「アセット・フィオラーノ仕様」で全開走行! 想像以上にコントローラブル。安心して攻められる

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【跳ね馬の新たな最高峰】Driving Review:Track/硬派な849テスタロッサの「アセット・フィオラーノ仕様」で全開走行! 想像以上にコントローラブル。安心して攻められる

フルブレーキング時でも終始安定。自信を持ってドライブできる「手の内感」に感服/山本善隆

 公道での試乗車は標準車のストラダーレだったのに対し、トラックでの試乗車は「アセット・フィオラーノ」。空力をより煮詰め、サスペンションを専用調律し、徹底的な軽量化を施した硬派モデルだ。試乗車にはオプションのカーボンホイールも装着されていた。

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 試乗の舞台となったスペインのモンテブランコ・サーキットは、プライベート・テストやトレーニングなどマルチパーパス型トラックで、多彩なレイアウトパターンがある。今回はVariant #3という全長3357m、メインストレートは全長960mで高速・低速コーナーがほどよく混ざった比較的シンプルなレイアウトだった。

 事前に撮影用にトラックを1周したが、路面状態はスムーズで起伏は少なく、走りやすいと感じた。試乗プログラムはアウトラップ、ホットラップ2周、インラップの計4周を2スティント。開発ドライバーがカモフラージュでラッピングされた同型車で先導ドライブする。

 試乗にあたって走行モードはeマネッティーノがパフォーマンス優先のQualify、マネッティーノはRACEモードが指定された。ピットレーンを出て1コーナーに入り、徐々にペースをあげる先導車をフォローしていく。トラックでとくに確認したかったのはブレーキ・バイ・ワイヤのフィーリングだ。前日のディナーで担当エンジニアと話をしていたのもあるが、PHEVゆえに回生との切り分けの妙が試されるところだからだ。結果、油圧式と明らかにフィーリングは違うが違和感はなく、短すぎないストロークと相まって、きわめてコントローラブル。しかも電子制御だから、コンディションが変化してもブレーキの状態をセンサーが感知し、パッドとローターのクリアランスが自動補正される。そのため基本的にタッチ・フィーリングが変わることはない。メインストレートでは285km/hをマークしたが、1コーナー進入時のフルブレーキングでも終始安定していた。

 シフトはオートで走行したが、とくにダウンシフトが巧妙だった。ターンイン直前で絶妙に落とし込むところなど、ココというところで変速してくれるのが心地よい。挙動は安定方向、というより、FIVEの恩恵でクルマ自身が賢く動いているのがよくわかる。これならあまり慣れていない人でも、まるで自分の運転が上手くなったかのように感じられることだろう。この「手の内感」はこのクルマが1050cvのモンスターマシンであることを忘れさせるほどだ。荷重変化もわかりやすく、多少スライドしてもすぐに対応できるほど、インフォメーションは濃密。だから自信をもってドライブできる。849テスタロッサは誰もが安心して官能的に楽しめるスーパースポーツである。

速すぎて呼吸するのを忘れるほど。だが扱いやすい/西川淳

 一般道では解放できない総合1050cvのスーパーパフォーマンス。それを有するからにはサーキットテストは必須。マラネッロのトラックテストはプロ(テストドライバー)の先導+ひとりドライブの1対1方式。制限付きのテストとしては最良の方法だ。

 試乗車はアセット・フィオラーノ。先導車両も同じ仕様だ。4点式ベルトを締めて追走する。ドライブモードはレース+クォリファイ。変速はオートで走り始めたが、これがアップもダウンも上手で舌をまく。1周目後半からどんどんペースは上がり、だんだんと息を詰めるシーンが多くなった。速すぎて呼吸することを忘れてしまう。

 それでもなんとかプロについていけるのは、もちろん彼がバックミラーを意識してくれているからとはいえ、最新の車体制御FIVEが効いているからだ。まるでクルマ自身が、サーキットを熟知しているかのように振る舞う。

 それでいてフロントアクスルによる安定した旋回制御が、リアの自由な動きをある程度容認する点が面白い。スポーツではなくレースモードであってもだ。勇気さえあれば、1050cvの後輪スライドを安心して楽しむことができる。参考までに、同じサーキットで試した296GTBアセット・フィオラーノのほうが、数段に難しかったことを付け加えておこう。

 サーキットで安心して「速さ」を楽しみたいという人にアセットフ・ィオラーノは必須のパッケージである。コストパフォーマンスも高い。けれども個人的にはオリジナルデザインのほうが好ましい。

冷静に振り回せる! サーキットでも心拍数は上がらない/大谷達也

 スーパースポーツカーでサーキットを全開走行して、これほど冷静でいられたクルマはない。心拍数が上がらなかったのだ。
 849テスタロッサのサーキット走行で緊張を強いられなかったのは、操りやすかったことが第一の理由。そして限界を早めに教えてくれる特性も、心拍数が上がらずに済んだ要因のひとつだった。

 とにかく狙いどおりのスピード、狙いどおりのラインでコーナーにアプローチするのが容易。そして限界に近づくと、まずはフロントタイヤから「チリチリチリ……」と軽いスキール音が聞こえ始める。つまりアンダーステアが起きかけているわけで、これ以上プッシュするのは無意味。一方、低速コーナーの出口で無理にスロットルペダルを踏み込めばトラクションコントロールが作動してスピンを未然に防いでくれる。いずれにしても、車両は安定した姿勢を保ったままだ。私の心拍数が上がらなかったのは当然だろう。

 しかも、システムの介入が巧妙なため、クルマに勝手に制御されているというストレスを感じにくい。また、先代のSF90と比べると、システムが動作している状態でもリアタイヤのスライドを許容する傾向が強くなったおかげで、安心して振り回すことができる。さらにいえば、ハイブリッド4WDのコントロールが巧妙なためか、はたまたサスペンションのロードホールディング性が改善されたためか、テールスライドのスピードは抑制的で修正は容易。幅広いスキルのドライバーが楽しめるスーパースポーツカーに仕上がっていた。

文:カー・アンド・ドライバー 山本善隆、西川淳、大谷達也
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