カロッツェリア・ギアにデザインを依頼
『オートモビルカウンシル2025』にジョルジェット・ジウジアーロ氏が来日することを記念し、いすゞは『アッソ・デ・フィオーリ』を展示した。そこで前編、後編の2回に分け、このモデルについて詳しくご紹介する。なお、当原稿はいすゞ広報からのコメントなどをもとに、筆者が補完して作成したものとなる。
【画像】いすゞ117クーペ、アッソ・デ・フィオーリにピアッツァ!ジウジアーロがデザイン名作いすゞ車たち 全31枚
いすゞは1960年代、営業サイドより『ベレット』よりも上級車である『ヒルマン』後継車の要望が強まり、後の『フローリアン』開発をスタート。そこで『カロッツェリア・ギア』(以下ギア)にデザインを依頼した。
実は、いすゞは1958年に英国ルーツ社と乗用車『ヒルマンミンクス』の技術援助協定を締結するなど、欧州の情報を吸収していたこともあり、デザイン面においても積極的に欧州テイストを取り入れていた。
そうした素地があったことに加え、後にジウジアーロ氏とともにイタルデザインを起業する日本人、宮川秀之氏の存在も大きかった。宮川氏はベルトーネとマツダを結び付けた実績をもとに、日本へイタリアンデザインを広めるためいすゞと接触していた。
このデザイン開発途中に、カロッツェリア・ベルトーネからギアへ移籍したジウジアーロ氏が加わったといわれている。その後、そのフローリアンのアンダーフレームを使ってクーペを作るというアイディアがジウジアーロ氏からもたらされ、フローリアンの派生モデル『いすゞスポーツクーペ』、後の『117クーペ』が誕生する。スポーツクーペは1966年3月に開催されたジュネーブ・ショーに出品され、大いに注目を集めた。
当時のいすゞ首脳部が興味を示した
それ以降、ジウジアーロ氏と宮川氏はいすゞと関係を密に保ち、117クーペ後継として何案かのデザインスタディのアプローチがもたらされた。そのひとつに『コンパクトで実用性が高く、しかもスーパーカーとしてのディグニティを持ち得るクルマ』いう、SSC(スモール・スーパー・カー)構想があった。
これに対し当時のいすゞ首脳部が興味を示したのがきっかけで、1978年5月9日にジウジアーロ氏、宮川氏と会談のうえ、ショープロトタイプ(=アッソ・デ・フィオーリ)製作が決まったといわれている。
決定後、いすゞ側からジウジアーロ氏には、以下の条件が提示された。
・既存のコンポーネントを利用すること(ジェミニのシャシーとエンジン)
・話題となるような良いスタイリング
・2+2+αの居住性、実用性
・ラゲッジルームの使いやすさのアイディアが欲しい
提案はジウジアーロ氏だが主導はいすゞで
この意図について、いすゞ広報から文章にて提供された『宣伝会議別冊』1982年12月号の『いすゞ自動車「ピアッツァ」のスタイルがいすゞデザインの証』では、以下のように掲載されている。
『いすゞ社内で当初コンセプトとしてSSW(スーパー・スポーツ・ワゴン、スポーティ・スペーシャス・ワゴンなど)を企画し、外形は大きくすることなく居住性のよいインテリアを有する新しいタイプの車、走る愉しさと快適な空間、多用途志向できるフィーリングを持つクーペで、当然「117クーペ」をさらに超える次の時代を先取りする車を狙ったのです。形づくりに入る前に相当リアルな内容を、仮説として計画したうえで、ジウジアーロとのコンタクトを始めました。彼の才能をいすゞの目的に合わせたうえで、(筆者追記:最大の)成果を上げることこそ狙いだった』。
またさらに、『いすゞの企画で具体的構想とイメージの設定、デザインスタディを終えたうえでジウジアーロの力を引き出す醸造方式の提携と言えるでしょう』と記されている。つまりこのプロジェクトが、あくまでいすゞ主導であることが暗に示されており興味深い。
この条件に対しジウジアーロ氏からは、以下の回答があった
・エンジン位置が高くボンネットに制限があることもあり、良いスタイルにするのは難しいが努力する
・バンパーは、US仕様のポルシェ風(ボディ同色の灯火類ビルトイン樹脂バンパー)
・9月末にレンダリング完成
・翌年3月のジュネーブ・ショーは、このプロトタイプのみ出展
こうしてショープロトタイプ、後の『アッソ・デ・フィオーリ』開発がスタートしたのであった。
(後編につづく/6月25日公開予定)
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