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レクサス初ポールへの貢献/“最遅”ロッシの言い分/シューマッハーにプレッシャーetc.【WECスパ予選日Topics】

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レクサス初ポールへの貢献/“最遅”ロッシの言い分/シューマッハーにプレッシャーetc.【WECスパ予選日Topics】

 WEC世界耐久選手権第3戦は、5月9日に公式予選が行われ、フェラーリAFコルセ50号車フェラーリ499Pを駆るアントニオ・フォコがポールポジションを奪った。LMGT3クラスではアコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3が最速となっている。

 予選とハイパーポールが行われたベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットのパドックから、各種トピックスをお届けする。

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■イモラのミスを取り返したフォコ

 ハイパーポールで1分59秒617をマークしたフォコは、フェラーリにWEC7度目のポールポジションをもたらした。これはフェラーリにとって3戦連続、そしてフォコ自身にとって4度目のポールポジション獲得となった。

「昨年同様、タイヤのウォームアップをうまく管理することができた。それが他のドライバーとの差を生んだ要因だと思う」とフォコはポールポジションラップを振り返った。

「アウトラップとウォームアップラップでしっかりと準備を整え、良いラップを組み立てることができた。プッシュラップが1周しかなかったこのコンディションでは、決して楽なラップではなかったけどね」

 昨年のレース以降、スパで行われた路面再舗装に加え、ラップタイムの大幅な向上の要因は気温の低下にもよるものだとフォコは述べている。2023年のポールタイム2分00秒812は、昨年最終的に無効となった2分02秒600という記録よりもかなり速いタイムであったと彼は指摘した。

 フォコは、前戦イモラの予選でトラックリミット違反を繰り返し、ハイパーカー最下位に沈んだことを受け、スパの予選パフォーマンスに対するプレッシャーについても質問された。

「正直に言って、それがこの仕事の好きなところだ」とフォコは答えた。

「イモラでのミスで大きな損失を出し、もちろんプレッシャーは僕の肩にのしかかっていたけど、プレッシャーがかかっても何の影響も与えないことを証明できたと思う」


■レクサス陣営は「支援してくれたTGRに感謝」

 レクサスは、フィン・ゲルシッツが78号車で記録したベストラップにより、LMGT3でポールポジションを獲得した8番目のマニュファクチャラーとなった。これにより、昨年このカテゴリーが創設されて以来、ポールポジションを獲得していないのはフォードと、2025年シーズンから新たに参戦しているメルセデスAMGの2社のみとなった。

 ゲルシッツのポールポジション獲得について、ASP代表のジェローム・ポリカンは、RC F GT3のポテンシャル向上に貢献してくれたチームとトヨタに敬意を表している。

「昨年、このチャンピオンシップに参戦できたのは夢のようだったが、数戦で最下位に沈んだこともあり、悪夢のようなシーズンでもあった」とポリカン。

「だが、我々は決して諦めなかった。IMSAのマシンとは異なるこのマシンの開発を支援してくれたTGRに感謝する。昨シーズン終盤には速さを見せることができ、冬季は弱点の克服に努め、それが実を結んだのだ」

 ゲルシッツは、2020年のスパ・フランコルシャンでデンプシー・プロトン・レーシングのポルシェを駆ってLMGTEアマクラスで最速となったクリスチャン・リード以来となる、ドイツ人のポールポジション獲得を達成した。

 ASPのガレージの反対側では、クレメンス・シュミットがハイパーポールで1周もラップ計測をできず、3周目にピットインしていた。このため87号車は、セッション最下位の10番手に終わっている。

 ポリカンはSportscar365に対し、「予選1回目ではマシンは完璧な走りを見せていたが、クレメンスはピットアウト時にマシンのバランス、特にフロントエンドに違和感を感じたと言っていた。正確な原因は分からなかった。スパにはオー・ルージュとブランシモン(という高速コーナー)があるので、マシンが100%安全だと確信できないのであれば、プッシュしても意味がないし、故障する可能性もあるので、マシンを止めることを優先した」と説明している。


■プジョーが殊勲の4番手

 ストフェル・バンドーンは、94号車プジョー9X8でハイパーポール4番手を獲得し、フェラーリに次ぐ好成績を収めたことを喜んだ。

 彼はまた、最終プラクティスのFP3ではロールバーのトラブルにより走行時間を奪われたため、予選に向けては「劣勢」だったと明かしている。

「だからこそ、予選前半はかろうじて通過できた。しかし、ハイパーポールではラップタイムを稼ぐために何をすべきか、ほぼ正確に分かっていた。そこですべてをうまく機能させ、まとめ上げ、必要なラップタイムを記録することができた」とバンドーンは語った。


■一時ハイパーポール進出が危ぶまれたシューマッハー

 最終的には5番手で通過したものの、36号車アルピーヌA424を駆るミック・シューマッハーは、予選の第一ステージでトラックリミットによりラップタイムが抹消されたため、ハイパーポール進出が危ぶまれた。

 このドイツ人ドライバーは、このミスがセッションの残り時間にプレッシャーを与えたことを認めている。

「その後はクリーンなラップを走らなければならなかった。幸いタイヤはまだ良好な状態だったので、ラップタイムは縮まらなかったものの、少なくともそれなりにタイムは縮まった。それでもハイパーポール進出には充分だった」とシューマッハーは振り返っている。

 シューマッハーはその後のハイパーポールで、6番手タイムを記録した。


■大クラッシュは「ドライバーのミス」

 アイアン・リンクスのスティーブン・グローブは、木曜日のフリープラクティス2回目にラディヨンで発生した激しいクラッシュの原因を、ドライバーのミスだと述べた。

 チームの広報担当者によると、60号車メルセデスAMG GT3 Evoの修復は金曜朝のフリープラクティス3回目にはあと数分のところで間に合わなかったものの、午後の予選ではコースに戻ることができた。

 グローブはSportscar365に対し、「ダブルスティントのタイヤを履いていて、とにかくプッシュしていたら、少しワイドになってアンダーステアが出てしまった。少しワイドになってマーブルに突っ込んでしまったんだ。そうなると、少しばかり傍観者のようになってしまうものだ」と語った。

 今週末、グローブが息子のブレントンとマッテオ・カイローリとともにドライブするマシンは、WEC開幕戦のカタールとイモラに出場したマシンとは異なる。チームはスパに参戦する60号車に、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのシャシーを使用することを選択した。


■初のWEC予選は15番手

 アイアン・リンクスの姉妹車である61号車で、クリスチャン・リードからチームのブロンズドライバー役を引き継いで初のWEC予選に臨んだマーティン・ベリーは、15番手となった予選を振り返り「ここに来られてとても嬉しい」と語った。

 オーストラリア出身のベリーはSportscar365に対し、「ELMSとは少し違う。ELMSは準備に多くの時間をかけられるが、今回は最初から準備が必要なので、少し調整が必要だ。マシンと自分自身の両方でまだやるべきことはあるが、この結果をもとにさらに前進できればと思う」と語った。

 ベリーは、第5戦のサンパウロ6時間レースを除き、シーズンの残りのレースに参戦する予定であることを明らかにした。ブラジルのレースは、EBMからの出場を予定しているGTワールドチャレンジ・アジアの富士ラウンドと日程が重複している。


■FP3での“ヒヤリ”はお咎めなし

 第2戦イモラでLMGT3のポールポジションを獲得したバレンティーノ・ロッシは、スパのハイパーポールで9番手と(アタックできていない87号車を除く)最遅のラップタイムを記録したことを受け、自身とチームWRTの46号車BMW M4 GT3 Evoのコ・ドライバーたちがスパでトップ5入りを狙えることを期待していると語った。

 ポールタイムから2秒以上の離されたロッシは記者団に対し、「このサーキットはイモラと比べ、僕らのマシンにとっては競争力が低いようだ」と彼らが置かれた状況について説明した。

「マシンのフィーリングは良いが、まだ充分な速さではない。レースではコンスタントに走り、あまりタイムを落とさないように努力する。昨年はタイヤのデグラデーションがひどかったからだ。今年は少し良くなっているようだが、どの程度かは未知数だ」

 この46号車は金曜日午前のFP3終盤、オー・ルージュへの進入でアハマド・アル・ハーティがアレッサンドロ・ピエール・グイディの51号車フェラーリ499Pと側面同士がハードに接触するという大きなトラブルに見舞われていた。

 この接触により、アル・ハーティは高速上りコーナーで芝生を横切ってしまう結果となった。しかし、スチュワードは両陣営を交えたレビューの結果、この件に関してそれ以上の措置を取らないことを選択した。

 当該スチュワード・ブルテンには、「46号車のドライバーは、51号車がその時点で追い越しを試みないだろうと考えていた一方で、51号車のドライバーは46号車が追い越しのためのスペースを残してくれると予想していた。スチュワードは、この相互の誤解が接触の原因であると判断した」と説明されている。

 WEC第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースは、現地時間5月10日土曜日14時(日本時間21時)にスタートが切られる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年05月10日]

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