現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 速さとドライビングプレジャーだけを追求? ドライバーの技量が試された車3選

ここから本文です

速さとドライビングプレジャーだけを追求? ドライバーの技量が試された車3選

掲載 7
速さとドライビングプレジャーだけを追求? ドライバーの技量が試された車3選

■電子デバイスに頼らなかったスポーツカーを振り返る

 最新のクルマには、衝突被害軽減ブレーキの搭載や車体姿勢の制御、駆動力制御にサスペンションなど、車体の各部にわたって電子制御化され、高い安全性と安定した走りを実現しています。

世界一カッコイイかも…! 570馬力のマツダ「RX-VISION」が美しすぎる!

 とくに、スポーツカーに代表される高性能車では、高度な電子デバイスを搭載することで、安全に速い走りが可能となりました。

 そうした電子デバイスが普及し始めたのは1980年代からで、当初は4輪アンチロックブレーキから搭載車が拡大し、今ではエンジンと駆動系、サスペンションやブレーキまで、統合して制御するのが一般的です。

 一方、電子デバイスが登場していたにも関わらず、あえて搭載しないことで、スポーツカーらしさを追求したクルマも存在。

 そこで、1990年代に登場したピュアなスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シビック タイプR」

 ホンダは1992年に、それまでのスポーツカーの概念を大きく変えた「NSX タイプR」を発売しました。すでに国内で最高峰に位置する走行性能を誇ったNSXをさらにチューンナップし、サーキット走行に対応したというもので、街なかでの快適性は無視されたほどストイックなモデルでした。

 その後、1995年に同様のコンセプトの「インテグラ タイプR」が登場し、1997年には6代目「シビック」のマイナーチェンジの際に、「シビック タイプR」が発売されました。

 3ドアハッチバックの「SiR」グレードをベースに、やはりサーキット走行に対応するチューンナップを実施。

 エンジンはハイコンプピストンに、ハイリフトで広開角のカムシャフト、軽量吸気バルブ、軽量・高強度のコンロッドなどが組み込まれ、吸排気ポートの研磨と自然吸気エンジンの王道チューニングがおこなわれた結果、1.6リッター直列4気筒の「B16B型」は最高出力185馬力を発揮。

 また、シャシまわりも大きく手が入れられ、パフォーマンスロッドの追加によるボディ剛性アップ、ローダウンに加えスプリングレートを上げたサスペンション、ヘリカルLSD、専用チューニングのブレーキ、タイプR専用の「ポテンザRE010」ハイグリップタイヤなどが装着され、運動性能が飛躍的に向上。もちろん、乗り心地は考慮されていません。

 外観では専用のエアロパーツに加え、専用のボディカラー「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーとし(他の色も設定)、赤地のホンダエンブレムがタイプRの証です。

 内装ではエアバッグを内蔵したMOMO社製直径368mmの小径ステアリング、ホールド性を高めるレカロ社製バケットシートと、シートに合わせてコーディネイトしたインテリア素材、ショートストロークのシフトノブはチタン削り出し品とされるなど、従来のタイプRの作法に則って仕立てられています。

 ほかにも、エアコンとハイマウントストップランプはオプションとし、軽量フライホイールや小型バッテリーの搭載、リアワイパーなどを廃止することで、30kgもの軽量化が図られました。

 なお、シビック タイプRには電子デバイスというとABSとエアバッグが採用されたくらいで、そのどちらもレスプションが可能でした。

●ポルシェ「911 カレラRS」

 世界でもっとも有名なスポーツカーといえばポルシェ「911」です。初代は1964年に誕生して現行モデルは8代目にあたります。

 歴代の911は一貫して、ファストバッククーペのボディに、水平対向6気筒エンジンを搭載しRRの駆動方式を基本とする伝統を守ってきました。

 これまで911には定期的に特別なモデルが設定されてきましたが、とくに1989年にデビューした第3世代の「964型」では数多くの限定モデルが登場し、そのなかの1台が1992年に発売された「911 カレラRS」です。

 911 カレラRSはワンメイクレース用の「カレラ カップカー」をベースに、公道走行用にモデファイしたモデルで、外観はフロントのフォグランプがダミーであったり、リアバンパーのセンター部分の形状が異なるくらいで、スタンダードなカレラ2から大きく変わっていません。

 ただし、専用セッティングの強化スプリングとショックアブソーバーによって、車高を40mmローダウンしていたことから、低いスタンスなのは明らかでした。

 エンジンは最高出力を10馬力向上させた260馬力を発揮する3.6リッター空冷水平対向6気筒SOHCを搭載。フライホイールは振動を吸収するダンパーが無い軽量なソリッドタイプで、トランスミッションは5速MTのみの設定でした。

 また、アルミ製フロントフードとマグネシウム製ホイールの採用、アンダーコートやエアコン、オーディオ、パワーステアリング、パワーウインドウ、エアバッグなどが省かれ、2シーター化してリアシートを撤去、サイドとリアはガラスを薄くするなどによって、150kgもの軽量化を実現。

 内装では標準でレカロ製フルバケットシートが装着され、ドアの内張りはボックスを廃止した簡素なパネルに変更し、ドアオープナーをナイロン製ストラップとするなど、まさにレーシングカーに近いイメージのロードカーに仕立てられていました。

 電子デバイスはABSが搭載されたのみで、快適装備と呼べたのはヒーターくらいでしたが、エアコンなどを搭載した「ツーリング」も設定されました。

●ロータス「エリーゼ シリーズ1」

 イギリスを代表するスポーツカーメーカーであるロータスがつくるクルマは、軽量で優れたハンドリングのスポーツカーという共通のコンセプトを守ってきました。

 そして1996年には、新時代の2シーターミッドシップオープンスポーツカーの「エリーゼ(シリーズ1)」が誕生。

 ボディは全長3726mm×全幅1720mm×全高1200mmと非常にコンパクトなサイズで、曲面を組み合わせたグラマラスなボディは、低いフロントノーズのミッドシップスポーツカーらしさあふれるデザインでした。

 また、シャシは新開発されたアルミ製バスタブ型を採用。それまでのスチール製鋼板を組み合わせたバックボーンフレームから大きく進化を果たしました。

 シャシは複数のアルミ製押出材をエポキシ樹脂で接着することで形成され、軽量化と高剛性化を両立。なお、初期のモデルではブレーキローターもアルミ製でした。

 ボディパネルは伝統的なFRP製を採用し、エアコンやパワーステアリング、パワーウインドウ、エアバッグ、ABS、ブレーキサーボすらも搭載しておらず、車重はわずか690kgを実現しました。

 リアミッドシップに搭載されたエンジンはローバー製の1.8リッター直列4気筒DOHCで、最高出力は118馬力とローパワーでしたが、超軽量なボディと4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションとの組み合わせで、優れた加速性能とコーナーリング性能を発揮しました。

 その後、ローバー製からトヨタ製にエンジンが換装されパワーアップが図られ、外観もシリーズ2、シリーズ3とデザインを刷新し、安全技術や快適装備も充実しました。

 エリーゼはすでに生産を終えていますが、なかでもシリーズ1は、ロータスがつくるライトウエイトスポーツカーの原点を体現したモデルでした。

※ ※ ※

 ロータスは2021年7月に、新型スポーツカーの「エミーラ」を発表しました。日本でも同年10月から受注が開始されています。

 さらに、エミーラは同社で最後の内燃機関搭載車になるとアナウンスされました。

 今後、ロータスは電動スポーツカーを開発することになりますが、ロータスがつくるEVがどんな走りを見せてくれるのか、今から大いに楽しみです。

こんな記事も読まれています

スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
ベストカーWeb
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
AUTOSPORT web
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ベストカーWeb
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
グーネット
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
グーネット
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
グーネット
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
ベストカーWeb
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
グーネット
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
ベストカーWeb
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
AUTOSPORT web
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
AUTOSPORT web
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
ベストカーWeb
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
Auto Messe Web
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
AUTOSPORT web
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

7件
  • EK9はドライバーの技量が試されるような車では無かったがな…

    超安定志向で低技量でもそこそこタイムが出せるイージーでとても優秀な超高性能車でしたよ。
  • エリーゼ1を今の技術で作ってほしい。
    パワステもパワーウィンドウも安全装備もいらないから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9264.2万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9264.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村