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ポルシェ 911 タルガの伝統は、安全に楽しむオープンエアモータリングの追求と進化の歴史【動画】

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ポルシェ 911 タルガの伝統は、安全に楽しむオープンエアモータリングの追求と進化の歴史【動画】

Porsche 911 Targa 4 / Targa 4 S

ポルシェ 911タルガ4/タルガ4S

ポルシェ 911 タルガの伝統は、安全に楽しむオープンエアモータリングの追求と進化の歴史【動画】

安全なロールバーを備えた新コンセプトのオープンモデル

クーペ、カブリオレに続き、ポルシェ911(タイプ992)の3つ目のボディバリエーションとして、簡単にオープンエアが楽しめるタルガ・モデルが加わった。今回、ポルシェは新型911タルガの発表をポルシェのウェブTVチャンネル「9:11 Magazine」で行なっている。

新型911タルガの特徴は、革新的な全自動式ルーフシステムだろう。初代から続く特徴的なタルガ・ロールケージを備え、全自動収納式ルーフ、ラップアラウンド式リヤウインドウを採用。このルーフの開閉はわずか19秒で行うことができる。

そもそもポルシェは、1965年9月に開催されたフランクフルト・モーターショーにおいて初代「911タルガ」を初公開したが、“タルガ”はカブリオレでもクーペでもなく、ハードトップでもサルーンでもない、新たなカテゴリーを作り上げた。固定式セーフティロールバーを備えた世界初の安全なカブリオレだったのだ。

タルガは取り外し可能なルーフと、後方に折りたたむことができるプラスチック製リヤウインドウを備えており、様々なスタイルでオープンエアを楽しむことができた。完全にクローズドの状態、完全にオープンの状態、センタールーフのみを取り外した状態、リヤウインドウのみを折りたたんだ状態など、さまざまな状態を選択できたのである。この初代タルガのコンセプトは、それまでとは全く異なるポルシェのドライビング体験の出発点となり、その後の911各世代でも受け継がれていく。

Porsche 911 2.0 Targa(1967)

ポルシェ 911 2.0 タルガ(1967)

タルガ・フローリオから付けられた“タルガ”のネーミング

1960年代、アメリカ市場では転倒時のオープンモデルの安全性に対する懸念が高まり、「カブリオレは全面的に廃止すべし」という声が高まった。これに対応すべく、ポルシェは新たなコンセプトのオープンモデルを開発した。

そしてモデル名を決定する際、1950年代半ばからポルシェが大きな成功を収めてきたシチリア島を舞台とするロードレースイベント「タルガ・フローリオ(Targa Florio)」から採られることが決まった。最初は「911フローリ(911 Flori)」が検討されていたが、当時の国内販売責任者であるハラルド・ワグナーが「タルガにしないか?」と発言し、こちらが採用された。

実は「タルガ」とはイタリア語で「盾」という意味も持つが、この事実はあるコピーライターがセールスパンフレットの製作時に発見したという。

1965年8月、ポルシェは「タルガ」のコンセプトの特許を申請。1966年秋からタルガがクーペの派生モデルとして、911、911 S、912に採用され、大成功を収めることになった。1967年夏にはプラスチック製折り畳み式リヤウインドウの代わりに、オプションでデフロスター付き安全ガラス製リヤウインドウをオーダーできるようになった。この仕様はわずか1年後に標準装備となり、1993年までタルガの特徴のひとつとなっている。

Porsche 911 2.7 Targa(1977)

ポルシェ 911 2.7 タルガ(1977)

Gシリーズのオプションとしてタルガが登場

タルガは、1973年夏に登場した第2世代911、Gシリーズのラインナップにも採用された。このGシリーズでは911のボディに初めて大きく改良が加えられ、アメリカの新しい安全基準に合わせてブラックのジャバラ形状を持つボックスバンパーが採用されている。この通称“5マイル・バンパー”は、文字どおり時速5マイル(8km/h)以下で衝突した際、ボディにダメージを与えることなくバンパーが衝撃を吸収した。

タルガに関しては基本的なデザイン・技術ともに変更はなかったが、従来の耐久性に優れたブラッシュ仕上げのステンレス製ロールバーに加え、ブラックカラーが登場した。1983年1月に911 SCカブリオレがデビューし、再びフルオープン・ポルシェが復活した後も、1989年のGシリーズ生産終了後までタルガはラインナップに存在し続けた。

Porsche 911 Carrera 2 3.6 Targa(1992)

ポルシェ 911 カレラ 2 3.6 タルガ(1992)

85%がニューパーツとなった964でも残されたタルガ

1988年秋、ポルシェは3世代目の911となるタイプ964を発表した。このタイプ964からは4WDモデル「カレラ4」が登場。ポルシェは911 Gシリーズの伝統的なボディ形状を踏襲しながら、タイプ964でその内側のパーツ85%を刷新した。デビュー1年後には伝統的な後輪駆動モデル「カレラ2」が加わり、ボディ形状はクーペ、カブリオレ、タルガがラインナップされた。

1993年まで製造された911 カレラ2 タルガと911 カレラ4 タルガには、クラシカルなロールバーと取り外し可能なルーフセンターが残された。ナロー、Gシリーズ、964の3世代で、合計8万7663台のタルガ・モデルが販売されている。

Porsche 911 Targa 3.6(1997)

ポルシェ 911 タルガ 3.6(1997)

タルガロールバーと別れ、993からはグラスルーフに

1993年秋、新デザインを纏った911の第4世代となる「タイプ993」が登場。911シリーズとして初めてフロントフェンダーが拡幅化され、フラットなフロントフェイスが採用された。そして、1995年11月には新たなコンセプトを採用した「タルガ」がデビューしている。

エンジンとシャシーに大幅な改良を加えるとともに、993ではお馴染みのタルガ・ロールバーを廃止してまったく異なるアイデアが投入されることになった。ルーフはフロントウインドウフレームからリヤへと続く断熱ガラス製のカラードガラスでカバー。電動式の分割ルーフはスイッチを押すだけでスムーズに展開し、ワイドスライドルーフのようにリヤウインドウの後方に格納される。

この新しい機構の利点は、ルーフを閉じたときの風切り音の低減、そして太陽光をたっぷりと浴びられる室内環境の実現だった。993に加わった新しいタルガ・コンセプトは、クラシカルなクーペのルーフラインを維持したままオープンエアドライブの楽しさを融合させたのである。

Porsche 911 Targa 3.6(2002)

ポルシェ 911 タルガ 3.6(2002)

開閉式グラスハッチを取り入れた996

ポルシェは1997年に第5世代となる911、タイプ996を発表。デザインを一新し、初めて水冷式の6気筒ボクサーエンジンを採用した。タルガは2001年12月からクーペ、カブリオレのラインアップに加わっている。

タイプ993同様、996でも電動式グラスルーフを搭載。ルーフのガラス面積は1.5平方メートルを超えており、911史上最大のガラス表面積を持つモデルとなった。また、996では初めて開閉式グラスハッチが採用された。これにより、スーツケースやバッグなどの荷物を積むことができる容量230リットルのリヤストレージ・コンパートメントへのアクセスがより容易になった。

Porsche 911 Targa 4S(2009)

ポルシェ 911 タルガ 4S(2009)

997のタルガに採用された軽量ガラス

2006年9月、6世代目911となるタイプ997にタルガが導入された。先代の996と同タイプのルーフデザインを引き継ぎ、電動グラスルーフとグラスハッチを採用。997では特殊ガラスを導入したことで1.9kgの軽量化を実現した。また、ルーフの縁に沿った2本の高光沢ポリッシュアルミニウムストリップがデザイン上の特徴となる。

Porsche 911 Targa 4 3.4(2014)

ポルシェ 911 タルガ 4 3.4(2014)

タルガ・ロールバーの復活と電動収納を採用した991

2011年9月、ポルシェは7代目911のタイプ991を発表。クーペとカブリオレのボディバリエーションに続き、2014年1月からタルガ・モデルを追加した。

この991では、古典的なタルガのアイデアと最先端の自動収納ルーフの利便性が初めて融合。伝説的な初代タルガと同様の、Bピラーの代わりになる特徴的なワイドバーを復活させ、同時に可動式ルーフを採用した。さらにCピラーのないラップアラウンド型リヤウインドウが採り入れられている。

従来のモデルとは異なり、991タルガのルーフはスイッチを押すだけで開閉が可能になった。このフルオートマチック・ルーフシステムでは、リヤシート後方のスペースにルーフ折りたたみ機構がコンパクトに収められた。このシステムは現行のタイプ992でも引き続き導入されている。

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