TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム(旧TGRラリーチャレンジプログラム)に参加している勝田貴元が2月24~27日、北欧スウェーデンで開催されたWRC第2戦ラリー・スウェーデンに参戦。TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから、コドライバーのアーロン・ジョンストンとともに『トヨタGRヤリス・ラリー1』で同イベントに臨み、総合4位入賞を果たした。
2020年以来、2年ぶりの開催が実現したラリー・スウェーデンは、シーズン唯一のフルスノーラリーであると同時に、シリーズ屈指のハイスピードラリーでもある。今大会は雪を求めて開催地が大きく北上。スウェーデン北部最大の都市、ウメオがラリーの中心となった。
トヨタGRヤリスがWRC初優勝。ロバンペラ独走、勝田貴元は4位/第2戦ラリー・スウェーデン
勝田が所属するTOYOTA GAZOO Racing WRTは、新規定の導入にあわせて開発したハイブリッドマシン、トヨタGRヤリス・ラリー1を開幕戦モンテカルロでデビューさせている。同ラウンドでは、勝田も新型ハイブリッド車のステアリングを握り一時5番手を走行したが、手痛いミスで総合8位でのフィニッシュとなった。
そんなラリー・モンテカルロの閉幕から約1カ月後の開催となった今戦は、前述のとおり開催地が以前のイベントから変更された影響で、ラリーが行われるステージも一新された。そのため各クルーは“レッキ”と呼ばれるコースの下見走行を通じて、ペースノートを白紙の状態から作らねばならず、勝田にとってはこれもまた大きなチャレンジのひとつとなった。
木曜のシェイクダウンで4番手タイムを記録して翌25日(金)の競技初日を迎えた勝田は、システム合計500馬力以上を発揮する新しいハイブリッドマシンと、予想以上に滑りやすい氷雪路に苦戦する。SS4ではフロントからスノーバンク(雪壁)に突っ込みタイムを失ってしまう。しかし、午後ループの再走ステージではタイムが向上し、デイ1最後のSS7では3番手タイムを記録。総合6番手で初日を走破した。
26日(土)のデイ2はクルマに対する自信をさらに深め、安定して5番手前後のタイム刻みながらラリーを進めていった勝田。この間に順位は総合5番手となり、競技最終日には総合4番手までポジションを上げてみせる。
■「土曜日以降は、とても乗りやすく感じられた」と勝田
さらに“パワーステージ”に設定された最終SS19では4番手タイムをマークし、総合4位のポイントに加えてボーナスの2ポイントを獲得するなど、良いかたちで今季第2戦を締めくくった。勝田はこのラリー・スウェーデンで合計14ポイントを獲得し、前戦終了時点で8番手だったドライバー選手権ランキングのポジションを6番手へと押し上げている。
「総合4位でフィニッシュすることができて、とてもうれしく思います。ラリー序盤は苦労しましたが、終盤はクルマが乗りやすくなり、ステージを楽しむことができました」とラリーを振りかえった勝田。
「サービスごとにセッティングをいろいろと変えた結果、最後はクルマのフィーリングが完璧になったので、チームには本当に感謝しています。とくに土曜日以降は、クルマがとても乗りやすく感じられました」
「パワーステージでは、少しでも多くポイントを稼ごうとかなり攻めて走り、2ポイントを獲得することができました。もう少し速く走ることもできたとは思いますが、満足しています」
「しかし、何よりも重要なのはラリーを最後まで走り切ったことです。この週末、本当にいい仕事をしてくれたコドライバーのアーロン(・ジョンストン)にも感謝しています」
トヨタ育成プログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、勝田の走りを次のように評した。
「タカ(勝田貴元)にとって、非常にポジティブなラリーだったと思う。金曜日には小さなミスを犯したが、最終的な総合順位に大きな影響は及ぼさなかった」
「クルマのセットアップを少し変更したところ、土曜日は朝からすぐに自信を取り戻した。土曜日、日曜日とコンスタントに好タイムを記録し、最後のパワーステージでもいい走りで好タイムを記録して、ラリーウイークを締めくくってくれた。私もとても満足している」
「モンテカルロの後、新しいクルマでこのような好成績を残したことで、タカは次のクロアチアに自信を持って臨むことができるに違いないと思っているよ」
2021年シーズンにWRC第6戦として開催された『ラリー・サファリ・ケニア』で記録した、総合2位に次ぐ好成績を残した勝田。彼の次なる戦いの舞台となるのは、4月21日から24日にかけて行われる第3戦クロアチア・ラリーだ。同イベントは昨年初めてWRCが開催されたターマック(舗装路)ラリーで、勝田はトヨタ・ヤリスWRCをドライブして総合6位入賞を果たしている。
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