2011年5月に日本上陸を果たした5代目フォード エクスプローラーに、2012年1月、2L直4エコブースト・エンジンを搭載した「XLT エコブースト」が設定されて話題となった。フォードがグローバルに展開する次世代低燃費エンジンを搭載した、エクスプローラー初の2WDモデルでもあった。今回は日本導入間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年4月号より)
「エコブースト」は環境や燃費性能を高めたグリーン化技術の総称
フォードの環境対応技術が新たなフェーズに移った。EcoBoost(エコブースト)のことである。エコブーストとは、フォードの環境や燃費性能を高めたグリーン化技術の総称で、その中核にあるのが新開発の「エコブースト・エンジン」である。そしてその技術を搭載したモデルには「エコブースト」の名が付けられる。そのエコブーストを搭載したエクスプローラーXLTエコブーストが日本へ初めて導入された。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
エコブースト・エンジンは、「ターボによる過給」、「ガソリン直噴ユニット」、「連続可変バルブタイミング」の3種類の技術を統合的にコントロールしたもので、低回転域からトルクフルな走りと低燃費を実現している。この製品化にはフォードが長年にわたり欧州で培ってきたディーゼルのノウハウも投入されている。まさにフォードのワールドワイドエンジンと言っていいだろう。
エコブースト・エンジンの主な特長は6つある。(1)3000rpmという低回転域から最大トルクを発生する低慣性ターボチャージャーの採用。(2)7つの噴射口を持ちシリンダー内に直接噴射する直噴・高圧燃料噴射装置。(3)出力を向上し低燃費と低エミッションを実現したバルブタイミングシステム。(4)9.3というターボとしては高い圧縮比。(5)ピストンリングにコーティングを施しタペットの表面を鏡面仕上げしたことにより実現した低フリクション構造の採用。(6)排気をひとつの流れに統合して低回転域の排気ガスが少ない状況でも排気パルスが減退せずにタービンを駆動する排気マニホールドの採用があげられる。
現在、本国では1.6L 直4/2L直4/3.5L V6の3機種のエコブースト・エンジンがラインナップされ、フォードではエッジやF-150、フレックス、トーラス、トーラスSHO、エスケープ、フュージョンに、リンカーンではMKX、MKSに搭載され、好調なセールスを記録している。そしてこの2L直4ターボは、グローバル展開される初のエコブースト・エンジンである。
フォードはこのエコブースト・エンジンを2013年までに年間150万基生産し、北米で販売される90%のモデルにラインナップする予定であるというので、日本にも順次、搭載モデルが導入されることだろう。
レスポンスのいいエンジン、走ることそのものを楽しめる
試乗モデルに選んだのは、ひと際輝いて見えたキャンディレッドIIのボディカラーである。なかなかいい色だ。乗り込んだ瞬間、オーディオスイッチが違うのでXLTグレードであることに気付く。そういえば何度か取材したエクスプローラーはすべてリミテッドだった。
XLTグレードと、上級グレードのリミテッドとの違いは主に装着される装備で、デュアルパネルサンルーフやパワーリフトゲート、3列目パワーフォールディングシート、本革シート、シートヒーター、助手席パワーシートの有無である。そしてXLTエコブーストとXLTの違いは、4WDシステムを採用しないことと搭載エンジンがV6から直4になったことである。これで車両重量は約110kg軽い2020kgとなる。またXLTエコブーストには標準で本革シートやシートヒーターも装備される。
XLTエコブーストは、発進時からとても2トン以上も車両重量があるとは思えない軽快な走りをみせる。排気量を事前に知らなければ、2Lだとは気付かないかもしれない。フットワークはかなり軽い。考えてみれば先代は4.6L V8も積んでいたのだからダウンサイジングぶりには目を見張るものがある。
軽快さはスペックからもわかる。リミテッド&XLTの最大トルク345Nm/4000rpmに対して、XLTエコブーストは366Nm/3400rpmなので、常用が低回転域中心の日本の道路ではとても扱いやすいのだ。
好印象は速度が上がっても変わらない。路面状況の変化を懐の深いサスペンションが吸収、思い描いたラインをストレスなく走ることができ、クルマとの一体感が強く味わえる。SUVの中には刺激の薄いものもあるが、XLTエコブーストは、走ることそのものを楽しめる退屈しないクルマである。
このレスポンスのいい走りは、FFだからこそ味わえる部分も大きい。それでも「エクスプローラーは四駆じゃなきゃね」と思っている人もそれはそれで間違いではないが、燃費やランニングコストなどを考えると、「エコブースト」はかなり魅力的だ。事実、故郷アメリカでもエクスプローラー=4WDだと思っていた人が多くいたようである。しかしエコブーストの好調なセールスを見ると、そうしたこだわりも近い将来、過去のものとなることだろう。
設定された車両価格は、XLTの4WD仕様と同じ440万円。搭載される9型エンジンの排気量は2Lなので、いままでV6しか選択肢のなかったエクスプローラーも税金的なメリットを享受できる。さらにエコカー補助金制度の対象車種に認められているため、購入者は10万円の補助が受けられる。(文:千葉知充・ Motor Magazine編集部)
フォード エクスプローラー XLT エコブースト 主要諸元
●全長×全幅×全高:5020×2000×1805mm
●ホイールベース:2860mm
●車両重量:2020kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:179kW(243ps)/5500rpm
●最大トルク:366Nm(37.3kgm)/3400rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:440万円(2012年当時)
[ アルバム : フォード エクスプローラー XLT エコブースト はオリジナルサイトでご覧ください ]
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ウクライナ軍の新型ミサイル“フラミンゴ”前線から900km超先の製油所を着弾か“ミサイルの機影”の映像も初公開!?
「15年前の日産はそんなメーカーではなかった」のに、どうして変わってしまったのか? CEO激白 「絶対に投入する」新モデルが再生の鍵に?
絶賛された“神機能”はなぜ7年で姿を消したのか? 「ステップワゴン」から始まる空間価値のアップデート、なぜ支持は割れたのか
トヨタが「竹ヤリ出っ歯」カムリを披露した理由 米国から日本車文化を「逆輸入」 殻を破って開発できる環境を
R34GT-Rが海外にて8000万円オーバーで落札! いくらなんでも異常な気がする……なんでここまで高くなる?
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
世界規模のフォードグループ内で使用するエンジンの為ゆえに貧乏マツダがえらく贅を尽くした作りに出来たと