強いこだりと関西ならではのユーモアを巧みに掛け合わせた大阪ファッションの震源地を紹介する短期連載がスタート。第3回は、独自のセンスで強烈なインパクトを放つクリエイティブユニットの「THEモンゴリアンチョップス」が登場。彼らが手かげる「COSMO2」、「TASF」、そして、「BOKU HA TANOSII®︎大阪店」を紹介する。
二人の“おもしろい”が詰まった唯一無二の大阪ブランド通天閣がそびえ立ち、カラフルで個性的な看板が街を彩る大阪随一の個性派エリア・新世界。いまでこそ多くの飲食店やインバウンドでごった返している観光地だが、ひと昔前までは治安の悪いエリアとして有名だった。物騒な残り香をそこかしこに残し、カオスな空気が流れる雑居ビルの細長い階段を上がった3階に、クリエイティブユニット「THE モンゴリアンチョップス」の安藤仁彦と山本健太のふたりが手がけるショップ「COSMO2(コスモ)」がある。まずはブランドをスタートした経緯について訊いた。
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「『THE モンゴリアンチョップス』としての活動はZINEの制作が原点にあります。ZINEといっても当時の二人のフラストレーションとクリエーションをそのまま吐き出した、どうしようもない内容でしたが(笑)。そこから2013年に表現が紙から服作りに変わり、そのまま当時の名前を引き継いでスタートしたのがブランドとしての『THEモンゴリアンチョップス』です」(山本)
漢字をモチーフにしたデザインを筆頭に、「THEモンゴリアンチョップス」のアイテムは日本を意識したものが多い。トレンドとは無縁の個性的なコレクションだ。
「当時は日本の要素を押し出しているブランドがなかったことに加え、単純にそれが楽しかったから。服作りの際は、単に日本語を使うわけでなく、日本人だからこそわかるおもしろみやギミックを取り入れるように意識しています。あとは背景やカルチャーなど、自分たちがちゃんと説明できるものを作ることを心がけています」(安藤)
おもしろさを追求した服作りとなるとそれなりにリスクが伴うが、商業的な不安はなかったのだろうか。
「僕らは専門学生の頃から同級生で気が合うというか、お互いにおもしろいと思うツボが似ているんです。だからお互いが思う「おもろい」が一致したことをやれば、いずれ道は開けると、根拠のない自信だけは常にありました(笑)」(安藤)
デザインはどんな時に思いつくのか尋ねると「漫才みたいな感じですね」と、いかにも大阪人らしい返答が。
「自分たちがおもしろいと思うことをお互いに投げ合って、それを重ねてブラッシュアップしていく感じです。その中で古着がベースになっていることが多いですね。もともと安藤は古着バイヤーだったこともありヴィンテージの知識があるので、アイテムのベースになる古着が出てくることもあれば、逆にデザインがあって、それを古着に落とし込んだりっていう」(山本)
大阪から世界へ“楽しい”を伝えるここ数年で活動の幅を拡げている「BOKU HA TANOSII®︎」は、「THEモンゴリアンチョップス」の代名詞となっているブランドだ。ユニークなブランドはいかにして生まれたのだろうか。近隣にある『BOKU HA TANOSII®︎大阪店』へ向かった。
「アメリカへ買い付けに行っている最中に日本を意識したところからです。ローマ字のグラフィックが気になるという話を二人でしている時に、当たり前ですが、アメリカではみんな自分の国の言葉で書かれたTシャツを着ているわけです。でも日本で、日本人は日本語のTシャツは着ずに意味不明な英語が書かれたものを着ていて、それがすごくおもしろいと感じたことが最初です。自分たちなりにアプローチできないか考えた結果、ローマ字なら日本人でも着られるし、アメリカで着ても現地の人は意味こそ分からなくても文字は読める。そこからBOKU HA TANOSII®︎という言葉が生まれました」(安藤)
一見すると大阪人特有のギャグみたいなメッセージロゴだが、もちろん二人は真剣そのもの。そんな姿勢が伝わるエピソードを披露してくれた。
「最初はお土産屋さんで売っているノリみたいな感じで受け取られたので、本気度を見せるのに商標を取ったんです。強い意志を持って取り組んでいるということを伝える意味も込めて「®️」マークがついているっていう。それもおもしろいかなと思って。そうやって真面目に自信を持って出し続けていたら、ファッションとして理解してくれる人が少しずつ出てきたという感じです」(山本)
バス釣りも“楽しい”から流行に左右されることなく、自分たちがおもしろいと感じたものをやり続ける姿勢は、もう一つの系列店舗にも見られる。それが釣りに特化したショップ「TASF」。店舗は「COSMO2」と同じビルの1階に構えている。
「たまたま二人とも中学生の頃からブラックバス釣りが趣味で、好きが高じてどんどん深いところにいって最終的に行き着いたところが釣り具屋さんでした。90~2000年代初頭はバス釣りのバブル期で、業界が潤っていたせいか当時の日本製のルアーのバリエーションが多彩で品質も高いんです。たまたま店じまいするお店の在庫を全部買い取らせてもらいました」(山本)
とはいえ現状、これらのアイテムに市場価値はないそう。だが二人はそこにこそ価値を感じているという。
「ブランドを始めたときと同じで、なぜか根拠のない自信だけはあって(笑)。最近はバス釣りが好きな人の中でも感覚が鋭いというか、少なからず僕らに共感してくれる人があらわれて、そういう人たちがお客さんになってコミュニティーは少しずつ広がっているように感じています」(安藤)
「正直、赤字続きですが意地でやっています(笑)」と言いながら、将来のビジョンについて続ける。
「こういうアプローチのお店は釣り業界にはないので、そこを表現として続けていきます。服屋さんでも釣具屋さんでもジャンルにとらわれず“楽しい”ということを発信していって、楽しくなる人をどんどん増やしたいです」(山本)
“僕は楽しい”から、“みんな楽しい”へ。THE モンゴリアンチョップスの楽しい旅はこれからも続く。
COSMO2住:大阪府大阪市浪速区恵美須東1-7-5 1F
TEL:06-6626-9777 営:不定期営業
https://www.instagram.com/cosmo_sinsekai/
https://www.instagram.com/themongolianchoppsss
BOKU HA TANOSII®︎大阪店住:大阪府大阪市浪速区恵美須東1-16-16 TEL:06-6556-9114 営:13:00-20:00 休:火、水
https://www.instagram.com/bokuhatanosii/
TASF住:大阪府大阪市浪速区恵美須東1-7-5 1F TEL:06-6626-9777 営:13:00-20:00 休:不定休
https://www.instagram.com/tool_assist_super_fishing/
大阪ファッションLOVER──Vol1. IMA:ZINE強いこだりと関西ならではのユーモアを巧みに掛け合わせた大阪ファッションの震源地を紹介する短期連載がスタート。第1回は関西ファッションのキーマン、TANY(谷 篤人)がディレクターを務める「IMA:ZINE(イマジン)」の魅力に迫る。大阪ファッションLOVER──Vol2. 古着屋十四才強いこだりと関西ならではのユーモアを巧みに掛け合わせた大阪ファッションの震源地を紹介する短期連載がスタート。第2回は、唯一無二のセレクションで新しいヴィンテージの価値を提案する「古着屋十四才」を紹介する。写真・中島真美 文・オオサワ系
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