6速MT車にも“3つのカメラ”を搭載! 交差点での安心感が向上
スバルは2026年7月30日、FRピュアスポーツカー「BRZ」の改良モデルを発表しました。スポーツカーとしての基本性能はそのままに、安全性と操作フィールをさらにブラッシュアップしています。
【画像】超カッコいい! これが走りの気持ちよさと安全性が向上したスバル新型「BRZ」です(15枚)
「BRZ」は、低重心かつコンパクトな水平対向エンジンと、後輪を駆動するFRレイアウトを組み合わせたピュアスポーツカーです。
初代モデルは2012年に誕生し、2021年には現行モデルが登場。トヨタとスバルの共同開発によって誕生したモデルでありながら、基本構造を共有するトヨタ「GR86」とは異なる走りの味を追求しています。
現行モデルのボディサイズは、全長4265mm、全幅1775mm、全高1310mm。搭載する2.4リッター水平対向4気筒自然吸気エンジンは、最高出力235ps、最大トルク250Nmを発生し、トランスミッションには6速MTまたは6速ATが組み合わされます。
低い着座位置や軽量なボディ、後輪を駆動するFRレイアウトなどにより、ドライバーがクルマを意のままに操る感覚を重視しているのが特徴です。
そんな現行型「BRZ」の今回の改良における大きなポイントのひとつが、運転支援システム“アイサイト”の機能強化です。
従来は、左右一対のステレオカメラを使って前方の車両や歩行者、二輪車などを認識し、衝突回避や被害軽減、運転負荷の低減をサポートしてきた“アイサイト”ですが、新型「BRZ」ではステレオカメラの認識範囲を拡大した上で、広角単眼カメラを追加。左右のステレオカメラと単眼カメラを合わせた“3つのカメラ”で前方の状況を監視します。
追加された広角単眼カメラは、低速時の歩行者などを広い範囲で認識します。認識範囲を拡大したステレオカメラと組み合わせることで、交差点におけるプリクラッシュブレーキの作動範囲が拡充。右左折時に接近するクルマやバイク、歩行者、自転車などとの衝突回避を、これまで以上に幅広い場面でサポートできるようになったといいます。
この広角単眼カメラは、すべてのグレードに標準装備。なかでも注目されるのが、スバルのMT車として初めて広角単眼カメラを採用した点です。
「BRZ」の6速MT車は、2023年の改良でスバル初となるMT車向け“アイサイト”が搭載されました。
プリクラッシュブレーキや追従機能つきクルーズコントロール、車線逸脱・ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能などをクラッチやシフト操作をともなうMT車の特性に合わせて制御。自ら変速する楽しさと、運転支援による安心感の両立を図ってきました。
今回の改良で、そのMT車向け“アイサイト”がさらに進化。スポーツカーは、速さやエンジン性能の向上に注目が集まりがちですが、普段の街乗りでも安心して運転できることはクルマを長く楽しむ上では欠かせない要素といえるでしょう。
新型「BRZ」は、6速MTで操る魅力を残したまま、走りの楽しさをより安心して味わえるスポーツカーへと進化したといえるでしょう。
「スーパー耐久」の知見を市販車へ! シフト操作はどう変わった?
新型「BRZ」の6速MT車は、先述した安全性だけでなく、ドライバーが直接操るシフトまわりにも改良が加えられています。
新たに採用されたのは、「スーパー耐久」シリーズへの参戦を通じて得られた知見を生かした新しいシフトレバー構造。スバルによると、この構造によって従来以上にスムーズなシフト操作が可能になったといいます。
「BRZ」の6速MTは、節度感あるスポーティなシフトフィールに加えて、2速から3速、4速から5速といった斜め方向への変速でも、すばやくなめらかに変速できることを重視しています。
新しいシフトレバー構造により、2速と3速、4速と5速の間など、斜め方向への変速でも従来以上にクイックかつなめらかな操作が可能に。ドライバーがリズムよく変速し、ねらったギアを選びやすくするための改良です。
特に、コーナーへ進入する前のシフトダウンや、立ち上がりで加速する際のシフトアップなど、複数の操作を連続しておこなう場面では、シフトフィールのわずかな違いがドライビングの気持ちよさを左右します。
新しいシフトレバー構造の採用は、最高出力や加速タイムのように数値で示しやすい改良ではありませんが、日常的なシフト操作を通じて、進化を実感できそうです。
スバルは近年、モータースポーツの現場で得た知見を「BRZ」へ積極的に還元しています。
例えば2024年の改良では、「スーパー耐久」シリーズに参戦する「Team SDA Engineering」の取り組みから生まれた、6速MT車専用の「SPORT」モードを採用。
同モードを選択すると、全回転域でアクセル操作に対するエンジンの反応がより忠実になり、加減速を細かくコントロールしやすくなります。また“アクティブサウンドコントロール”の音量も変化し、ドライバーの高揚感を演出してくれます。
2024年はアクセル操作、2026年はシフト操作――と、スバルは細かな改良を積み重ねることで、6速MTを単にラインナップへ残しているだけでなく、現在も進化させ続けていることがうかがえます。
新型「BRZ」のグレード構成は、スタンダードな「R」、装備を充実させた「S」、走りと内外装の質感を高めた「STIスポーツ」の3種類。すべてのグレードで6速MTと6速ATを選択できます。
気になる価格(消費税込)は、「R」の6速MT車が337万7000円、6速AT車が341万円、「S」の6速MT車が356万4000円、6速AT車が359万7000円、「STIスポーツ」の6速MT車が383万9000円、6速AT車が387万2000円となっています。
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ルックスやエンジン性能は大きく変わらなくとも、“3つのカメラ”によって安全性を高め、レースで得た知見によってシフトフィールを磨いてきた新型「BRZ」。
電動化や変速の自動化が進む現代において、自分の手足を使ってクルマを操る楽しさを守り、その魅力を現代の安全性能とともに育てていく――今回の改良からは、そんなスバルの姿勢が見えてきます。(VAGUE編集部)
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