■第1世代ランエボの究極形態、「エボIII」
WRC(世界ラリー選手権)をはじめとして、国内外の各種モータースポーツで数々の勝利を収めたことから現在でも高い人気を誇る、三菱 ランサーエボリューション。
【推し車】心の中で走り続ける懐かしの名車・希少車たち vol.4 メーカー編その2
その最初の完成形と言えるのが第1世代最後にして究極のエボリューションモデル、「エボIII」ことランサーエボリューションIIIです。
時代に合わせてベース車が大きく重くなるという宿命ゆえに、後々まで「もっとも小型軽量なランエボ」として競技で愛好するユーザーは多く、MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが興味を持つ名車」へのノミネートは当たり前でしょう。
実際、この世代でエボIIIと戦い、あるいは世話になったユーザーは多いのでは?
■進化もさることながら、ド派手なダンデライオンイエローが印象的
1995年2月、「エボII」から約1年ぶりに発売された「エボIII」ことランサーエボリューションIIIは、同年10月にフルモデルチェンジを控えた4代目ランサーの最後にして究極のエボリューションモデルにふさわしい進化を遂げます。
しかし発表時にまず目を引いたのは「ダンデライオンイエロー」と称するド派手な黄色いボディカラーで、競技用グレードらしくあくまで白(スコーティアホワイト)のみだったRSにはさすがに設定されたものの、一般グレードのGSRではイメージカラーになりました。
それだけでも目立つのに、開口部を広げて迫力を増すだけでなく、エアダクトを内蔵してブレーキやトランスファーの冷却能力を上げたフロントバンパーや、当時としては「空でも飛ぶのか」というほど巨大なリアウイング、それにサイドエアダムなど外観も一新。
空力性能や冷却性能のみならず、270馬力までパワーアップされた4G63ターボエンジンや、ミスファイアリングシステム、アンチラグシステムとも言われる二次エア供給システムも搭載され、改造範囲が限られたグループAマシンとして完成度の高いモデルでした。
さらにボディのねじれ剛性はエボIIから20%アップ、サスペンションアームの剛性も向上し、悪路から舗装路まで自在に振り回せるマシンとして、ジムカーナのような舗装系競技でも参加台数を増やしていったのです。
しかしやはりエアロパーツや派手なボディカラーは目を引き、一般ユース向けのエボIIIGSRは街中でもかなり目立つ存在になりました。
■WRCでついにドライバーズタイトルを獲得!
本命となるWRCでは1995年の第4戦からエボIIに代わって参戦、第6戦ラリー・オーストラリアで早くも初優勝を飾るなど幸先のよいスタートを切り、1996年シーズンを迎えます。
この年、3勝にとどまったとはいえチームとして安定した速さを誇ったスバル(インプレッサWRX)がマニュファクチャラーズ(メーカー)タイトルを取ったものの、エボIIIで5勝を挙げたトミ・マキネンが三菱初のドライバーズタイトルを獲得!
ギャランVR-4から、あるいは古のコルト1000FやランサーGSRでの奮闘とスポット参戦での勝利は重ねてきたものの、シリーズタイトルに恵まれなかった三菱では初の快挙でした。
4代目ランサーをベースとした第1世代ランエボでは最後にして究極の進化形態となったエボIIIは、ラリーなど国内外のグループA、より改造範囲の狭いグループN競技以外にも、国内のダートトライアル競技やジムカーナ競技でも広く使われます。
2リッターターボ4WDではスバル インプレッサWRX(初代GC8)と2分する人気でしたが、ガラスのミッションと言われた弱点を持つGC8インプレッサに対し、信頼性に優れるエボIIIを好むユーザーが次第に増えていき、ランエボの大人気はIIIからと言ってよいほど。
ランエボがIXやXの時代になっても、古いとはいえ名機4G63ターボを積み、5ナンバー最後のエボIVより小型軽量で信頼性の高いエボIIIは好まれ、特に地方のダートトライアル競技では、あえて古いエボIIIで戦い続けるベテランドライバーがよくいたものです。
第2世代最後のエボIX MRあたりがランエボ最強と言えますが、「5ナンバーランエボ」に限れば、エボIIIが最強と見て間違いないでしょう。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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