ハイブリッド車の4WD事情に大きな変化あり!?
かつては設定が少なく、性能的にもあくまで“簡易型”とされてきたハイブリッド車の4WDが、いま大きく進化してきている。
狙い目はどれ!? 大幅値引きもあり!!? 今年の決算セールは買いなのか!?
直近では日産の新型ノート e-POWERが2020年末に4WD車を発売。従来型に対して後輪のモーター出力を大幅にアップさせるドラスティックな“電動4WD”をデビューさせてきた。
そうは言うものの、やはり従来のイメージからすれば「いわゆる電動4WDって本格的な雪道でも使えるの?」という点は気になるところ。果たして最新の電動4WDは、雪道などでも使える性能を持っているのか? 以下、国沢光宏氏が解説する。
文/国沢光宏 写真/NISSAN、TOYOTA、編集部
【画像ギャラリー】本稿で取り上げた日産ノートe-POWER 4WDとRAV4雪上走行写真をみる
HVの4WDはプリウスですら長らく未設定! 技術的なネックは?
歴代ではじめて4WDが搭載された現行型プリウス(販売期間:2015年~)
ハイブリッド車などに採用されていた、いわゆる「e-4WD」は、これまで極めて限定的な効能しか持っていなかった。
先代ノート e-POWERの4WDでいうと、後輪を駆動するためのモーターって僅か4.6馬力。46馬力じゃありません。プリウスの後輪モーターだって7.2馬力しかない。しかも走り出せば、後輪の駆動アシストはまったくなくなってしまう。
もう少し詳しく説明したい。エンジンで走るクルマの場合、FF車のフロア形状と4WDのフロア形状は決定的な違いを持つ。
4WDを作ろうとすれば、前に搭載するエンジンから後輪駆動用のドライブシャフトを床下に通す必要が出てきます。したがってFFと4WDに使う2タイプのフロア形状を作らないとならないワケ。
けれど、ハイブリッド車は、基本的にフロア形状のバリエーションを増やしたくない。そこでプリウスでいえば3代目まで4WDの設定なし。現行アクアだって4WDなし。
当然ながら降雪地域に住むユーザーから「4WDはないのか?」というプレッシャーを掛けられてしまう。そこで考えたのは、後輪に小さいモーター付けること。
多くのケースでスタート時にホンの僅か前輪がホイールスピンするだけで走り出せなくなってしまう。そこだけ後輪も駆動してやればOK。
滑りやすい雪道の発進性能を確保できればいいのなら、走り出しの数秒間、後輪を駆動してやればいい。圧倒的に発進性能は高くなります。ドライブシャフト不要。フロア形状だって変更しなくていい。ユーザーからすれば簡易型であってもFFより100倍安心ということになります。
かつての電動4WDはやはり性能面で本格派に届かず
ただ、絶対的な性能まで考えたらどうかといえば、キッチリと後輪に駆動力を伝えるフルタイム4WDに届かない。
走り出したらFFなので、後輪を常時駆動しているような安定感は出ないです。アクセル戻した時のエンジンブレーキだって前輪にしか掛からず。
なかでも安定感がないのはアイスバーンの下り坂でアクセル戻した時。4つのタイヤにエンジンブレーキ掛ければ安定するけれど、e-4WDだと前輪にしか掛からない。
雨の日の自転車で前輪だけブレーキ掛けるようなもの。e-4WD、必要最小限の4WDだと思っていい。4WDの安定感みたいなものは享受できません。
現行型アルファードはハイブリッド全車が4WDの「e-Four」。FFはガソリン車のみとなっている
参考までに書いておくなら、アルファードやレクサスのe-4WD(e-Four)は、最初から大馬力モーターを後輪に採用していたものの、巡航状態になったら“ほぼ”FF(=前輪駆動)の制御。
後輪をドライブシャフト使ったビスカスカップリングにしてきた歴代フィットのハイブリッドも、巡航時は“ほぼ”FF。フルタイム4WDの安定した走行性能を期待出来なかった。
従来の流れを払拭したハイブリッドの4WDとは?
RAV4ハイブリッドの4WD車では、旋回時に狙ったラインを的確に捉え、車両の挙動を安定させられるよう進化を遂げたE-Fourシステムを搭載
流れを変えてきた最初のe-4WDは、現行RAV4のハイブリッドです。WRCにカムバックしてからのトヨタ、走行性能への「こだわり」が圧倒的に強くなった。
エンジン車のRAV4、後輪に常時駆動力を伝えるようにしただけでなく、トルクベクタリング(左右の駆動トルク配分を変えて曲がるような味を出す)まで採用してきた。
エンジン車の楽しい4WDを持っているのにハイブリッドだけ「簡易4WD」のままだとバランスが取れない、とRAV4のチーフエンジアや開発チームは考えた。
そこで54馬力の後輪モーターを積極的に使うようにしたところ、素晴らしいe-4WDになりましたね! 電気なら後輪への駆動力配分は自由自在。後輪から先に駆動力を掛けることも可能。
やってみたら面白くて曲がるし、安定感も確保できる4WDになったそうな。RAV4ハイブリッドのe-4WD、最高速に近い速度域まで後輪を駆動している。
もちろん、エンジンブレーキに相当する回生ブレーキを4つのタイヤに掛けています。ハイブリッドではないものの、同じような制御をアウトランダーPHEVのマイナーチェンジから採用してきた。
新型ノートe-POWER 4WDは、リーフで培ってきた電動車の制御技術を活用し、馬力を4.6馬力から68馬力までに上げた
そして、最新のe-4WDが新型ノートe-POWER。前述のとおり、先代モデルの後輪駆動用モーターの出力ときたら4.6馬力しかなかった。なのに新型のスペック見て仰天! 68馬力となっている。
これだけ大きな出力を持つモーターを搭載すれば、スポーツ4WDみたいな制御だって可能。果たして日産がどんなe-4WDの走りを見せてくれるか大いに楽しみです!
また、電気自動車の時代になった時の4WDも期待できそう。直近だと新型アリア(編注:日本での発売は2021年中頃を予定)の4WDが凄いらしい!
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みんなのコメント
と言いながら、
「やってみたら面白くて曲がるし、安定感も確保できる4WDになったそうな。」
そうな!? 伝聞かよ?
「日産がどんなe-4WDの走りを見せてくれるか大いに楽しみです!」
楽しみです、って実走や試乗してないのか?
解説になってねえ、メーカーから聞いた話を伝聞しただけ、実走テストしたわけじゃない、
こんな内容でよくもいい加減な記事を出せるもんだ。
モータージャーナリストって妄想とカタログの宣伝の内容で事足りるじゃねえか。