この記事をまとめると
■ボルボは100年近く前から安全なクルマ作りに努めている
軽自動車は普通車よりも事故ると危ない……は本当? いまどき軽の安全性能のホント
■日本では前面/オフセット前面衝突/側面/後面衝突頸部保護性能試験の4項目を試験する
■今後はより衝突を回避できる技術の進歩が期待される
人の命を守るための衝突試験の内容とは
乗用車の衝突安全性能が国内を含め世界的に注目されだすのは、1990年代といえる。
もちろん、衝突安全の取り組みがその時代からはじまったわけではなく、たとえば安全なクルマとして世界的に知られるスウェーデンのボルボは、1927年に創業する前から、衝突安全の重要性を認識してきた。創業へ向け開発していた試作車が道路を外れ、立ち木に衝突したことから、「クルマは人によって運転され、使用される。したがって、ボルボの設計の基本は常に安全でなければならない」との企業姿勢が貫かれることになった。
メルセデス・ベンツも、第二次世界大戦前の1939年から安全を研究する部門を設け、戦後1953年には、今日につながる衝撃吸収ボディ構造を生み出している。
現在、日本で安全性を評価しているのが、自動車アセスメントだ。そこに、衝突試験の内容が紹介されている。
具体的には、フルラップ前面衝突試験/オフセット前面衝突試験/側面衝突試験/後面衝突頸部保護性能試験の4項目である。
前面衝突は、フルラップというのが正面衝突で、オフセットというのは、対向車や対象物が前面のやや横にズレた状態での衝突になる。当初は、前面全体が真正面から衝突する試験のみ実施されてきたが、実際の事故現場では運転者がハンドル操作で避けようとしたり、対向車との衝突であったりすると、必ずしも真正面同士の衝突とならないため、2とおりの試験が実施されることになった。
それによって、前面衝突といっても、真正面と、ややズレたオフセット衝突で必要とされる衝撃吸収車体構造は、別の要件が求められることがわかり、それぞれに適応できる車体構造が開発されることになった。
側面衝突は、横道から他車が飛び出してきた場合に、前後ドアの境目当たりに突っ込んできた事例を再現した試験だ。
この側面衝突について、米国のテスラは、現実の事故ではより車体の前よりでの衝突事例が多いことから、クルマの真横ではなく前よりの側面から衝突した際の試験も行うようになったという。こうした実態が明らかになった背景に、電気自動車(EV)ではクルマの走行状況を、逐次情報としてメーカーで把握できるため、より現実に近い対処が可能になったという。
事故現場の様子から、事故の実態を把握し、それを衝突安全につなげる取り組みは、ボルボやメルセデス・ベンツも長年行ってきた。自動車メーカー自ら事故現場を訪れ、警察などと協力して事故を検証するのである。たとえば、前面衝突でのオフセット試験は、こうした現場検証の結果、追加されるようになった。
後面衝突は、いわゆる追突事故のことだ。それによって、いわゆるむち打ち症となる懸念がある。そこで頸部の損傷の度合いを測るため、ダミー人形を使い頸部保護性能試験が実施されている。
車体構造に加え、人間の体を支えるエアバッグの装備などは、最終的な衝突事故での安全性確保である。しかし、本来であればぶつからずに済むのが優先課題だ。自動ブレーキなど含め、そこから先の運転支援や自動運転など、ぶつからないクルマの実現が強く求められる。
たとえ衝撃吸収車体構造やエアバッグがあっても、怪我をせずに済むのはまれだ。痛みや後遺症などを伴う懸念もあり、そのためにも、衝突を回避できる技術の実用化が求められることになる。
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