8月26日に鈴鹿サーキットで開催された2023スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』の公式予選で、GT300クラス3番手につけたグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝と片岡龍也だが、予選結果は「ベスト」だったと語った。ただ、2022年に優勝を飾った決勝に向け聞くと、「自信はない」とも。明日の決勝はどんなパフォーマンスをみせるだろうか……?
グッドスマイル 初音ミク AMGは、8月6日に決勝レースが行われた第4戦富士では、予選からトップを争う存在だったが、悔しい結果に終わっていた。そんな一戦を経て迎えた第5戦鈴鹿は、3番手という好位置に。「午前中の公式練習の結果(12番手)を見ると、僕の目標は1分59秒台に入れるということだったけど、予想以上のタイムを出すことができたね」とQ1を担当した谷口はアタックを振り返る。
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今回グッドスマイル 初音ミク AMGは予選Q1B組の出走ということで、A組の走りを見た谷口は「ちょっとコンディションが変わったのか、A組のみんなのタイムが速い」と思ったという。しかし、A組を3番手で通過したのは、同じメルセデスAMG GT3を使用する9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGだったことから、ある気持ちが芽生えた。
「9号車が3番手だったので『俺にもチャンスがあるかも!?』という気持ちが若干出はじめた。そこでアタックに行ったら1分59秒029を記録できたので、“嬉しい誤算”でした(笑)」と谷口。
「このタイムならQ1は通過していると思ったけど、結果ではB組2番手だったので嬉しかった。そこまで行けたならトップが良かったけど、片岡にバトンを繋ぐことができたから」
そんな谷口からステアリングを引き継いだ片岡は、谷口のタイムとコメントを聞き「公式練習とは違って良いフィーリングなんだろうな」と思いながらQ2のアタックへ。公式練習とQ1A組ともに首位の61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは「別格」の速さということを気にしつつも、ポールポジションを狙いにいった。
「若干のリスクを負ってでも、尖ったタイムを狙いにいくべきだと思いました。ウォームアップも悩みましたけど早めにタイヤを温め、“決め打ち”でアタックをして、うまく、気持ちよく走ることができました」
片岡は1分58秒652を記録し、Q1の谷口から0.422秒のタイムアップを果たす。61号車と96号車K-tunes RC F GT3は「ちょっと追いつかないレベルの差」ではあったが、「レースではうまくいけばチャンスがあるかも」と続ける。
「そういった意味ではベストグリッドだったのかなという気持ちもあります。セカンドロウですし、今日の予選に関しては予想以上の結果でしたね」
そしてファンならば思い出すのが、第4戦富士でトップ争いを繰り広げながらも結果を残せず、次の第5戦鈴鹿で4番グリッドから逆転優勝を飾った2022年シーズンだろう。奇しくも2023年もダンプコンディションの第4戦富士でトップ争いを展開しながら、「自分の失態(谷口)」で実質首位から陥落し、決して得意ではない鈴鹿が舞台となる第5戦の予選で上位につけたことは、昨年の再現を予感させる。
そのことを踏まえ、昨年同様にズバリ優勝を狙うかと聞いたところ「ぶっちゃけ自信はない」と谷口が切り出し、片岡も「もちろん(優勝を)したいけど、まったく分からない」と弱気にすら感じられるコメントを続けた。
さらに片岡は「今日の感じで言うと、そこまで鼻息が荒くなるようなことはないですね(苦笑)」と語り、「ただ、決勝は“蓋を開けてみれば”ということがあると思うので、チャンスが来たときに取りこぼさないようにしたいです」と、決勝では慎重に上位を狙っていきたいと語った。
GT300のヨコハマタイヤ最上位として第5戦の決勝に臨むグッドスマイル 初音ミク AMG。サクセスウエイト9kgということに加え、ベテランふたりとチームの実績から踏まえても、弱気とはいえレースでは無視できない存在になるだろう。
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