公開初日で興行収入8億円超
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】新作公開!【エヴァンゲリオン・シリーズに登場したクルマ】 全24枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
庵野秀明監督による大ヒットアニメーション映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの完結編として度重なる延期の末ついに2021年3月8日に公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
初日だけで興行収入は8億277万4200円(123.8%)、観客動員数53万9623人(121.7%)と驚異的な人気となっている。
ちなみに、()内の数字は2012年公開の前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と比較したものだ。前作は土曜日公開、今回は「密」を避けるなどの理由で異例の月曜日公開となったうえでの数字だ。
筆者も初日の朝7時からの回、および2日目も「再確認」のために劇場に足を運んだ。
なんの再確認か? それは、シン・エヴァに登場するクルマをもう1度よく見ておきたかったからだ。
エヴァンゲリオン・シリーズには、これまで趣味性の高いクルマが随所に登場してきた。
詳しい状況や登場シーンはネタバレ加速となるので伏せておくが、シン・エヴァには2代目ジムニーが登場している。
それもメーター部分に「バッテリー残量計」や「電圧計」らしきものがちらっとうつっていたので、EV仕様として登場している模様。
え? EV? と驚いてしまったが、その翌日、公開2日目にも確認のためもう1度映画館を訪れた。
たしかにベース車両のジムニーは2代目となる1981年発売のSJ30型だ。幌タイプのモデルになるが、荷台にはバッテリーが搭載してあった。EVとして登場していることは間違いなさそうだ。
ジムニーのナンバー「1701」意味は?
SJ30ジムニーにつけられたナンバーは「練馬40え17-01」。
エヴァのファンであればこの1701の数字の意味がわかるだろう。
主人公である碇シンジのネルフIDカードと同じ番号で、さらにその由来は庵野監督が大ファンだというスタートレックシリーズ登場の「航宙艦エンタープライズ号」につけられた番号「NCC-1701」だといわれている。
なお、これまでエヴァ・シリーズに登場してきたクルマのナンバーは、「東2ネ33-103」(アルピーヌA310)や「NERV作1 1971」(コスモスポーツ)など、絶対実在しない記載内容だったのでいずれも一目で「架空」とわかるものだった。
なぜ今回、リアリティあるナンバーにしたのかは現在のところ不明である。
ちなみに、シン・エヴァのパンフレットにもこのジムニーの画像が掲載されており、そこでもナンバーをしっかり読むことができる。
このSJ30ジムニーはスズキが制作協力しているのか? と思ったがエンドロールにスズキの名前はなかった。
代わりに流れてきたのは、「アピオ株式会社」と「日本ジムニークラブ関西支部」の2つの名前だった。
ジムニーファンやオーナーにおいては、その名を知らない人はいないと思うが、アピオといえば世界一のジムニープロショップだ。
ジムニー神と崇められる尾上茂氏(現アピオ株式会社会長)が「尾上自動車」として1969年に設立したのが始まりである。
ちなみに、尾上氏は2018年に神奈川県藤沢市に「ジムニー歴史館」をオープンさせており圧巻のコレクションで歴代ジムニーを展示している。
2代目ジムニーの撮影取材は2012年に
シン・エヴァに登場するSJ30ジムニー。撮影協力をおこなった当時の話をアピオの河野仁社長に聞いてみた。
「次回のエヴァンゲリオンでジムニーを登場させる予定があるので2代目ジムニー(SJ30)の取材をさせてほしいと依頼がありました。当時はまだジムニー歴史館もなかった頃だったので、アピオにあるSJ30を準備しました」
「内外装をかなり細かく時間をかけて撮影していましたね。また、エンジンをかけた状態や走行状態でのエンジン音、ドアを開け閉めしたときの開閉音なども録音していたと思います」
「どのようなシーンで使われるのか? なぜジムニーなのか? などは、極秘となっているので詳しい内容はいえませんとのことでしたね」
「なお、最初は日本ジムニークラブ関西支部に話が来たようですが、取材に提供できるSJ30がなかったので、アピオに回って来たのだと思います」
「SJ30はアピオの歴史がスタートするきっかけとなったジムニーなのでそのジムニーがこうして役立ったのは嬉しく思います」
河野社長の話によると、取材がおこなわれたのは2012年。
新劇場版の3作目にあたる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が公開された年だ。
日本ジムニークラブ(ジムニー・クラブ・オブ・ジャパン、略称JCJ)とはジムニーのオーナーズクラブで発足は1982年7月と40年近い歴史を持っており、会員数は日本だけで延べ5000名超。
世界各地に支部があり、ワンメイクのオーナーズクラブとしては世界最大級を誇る。
筆者は80年代末頃からジムニーカーニバルの取材などにも訪れている。
これまでエヴァに登場してきたクルマ
エヴァンゲリオン・シリーズには、テレビアニメ時代から特徴的なクルマがいくつか登場している。
中でもエヴァンゲリオンのクルマといえば多くの人が思い浮かべるほど定着しているのが、「アルピーヌ・ルノーA310」だ。
ナンバーの「33-10」はオーナーの名前である「葛城ミサト」のミサトを数字にしたものだと推測される。
なお、A310はA110の後継として1971年に登場したガソリン車(直4 V6)であるが、エヴァシリーズの中ではハイブリッド仕様(メーターパネルに回転計、燃料計、電圧計が見られる)の右ハンドルモデルと、実車の設定に近いV6搭載の左ハンドルモデルがそれぞれ登場する(左ハンドルモデルはTVアニメの新世紀エヴァンゲリオンのみ登場)。
度重なる使徒(敵)の攻撃でダメージを受けながらも自走を続け乗員をまもっている。
続いて有名なクルマといえば2作目「エヴァンゲリオン新劇場版:破」で登場するマツダ・コスモスポーツだろう。
1967年に登場したマツダ(当時は東洋工業)初のロータリーエンジン搭載車だ。
なお、コスモスポーツが登場した背景には諸説あるが、庵野監督が「帰ってきたウルトラマン」(1971-72)の大ファンで、同作に登場する地球防衛チーム「MAT」のパトロール車(怪獣攻撃隊用パトロール車「マットビハイクル」)として日本中の老若男女から人気が高かったコスモスポーツを使いたかったという理由から「破」に登場させたのではないか? といわれている。
エヴァとクルマのアツくて深い関係はアニメ作品だけにとどまらない。
スーパーGTやD1選手権、スーパー耐久選手権、鈴鹿8時間耐久などのレースに「エヴァンゲリオンレーシング」として参戦している。ヱヴァンゲリオンの世界観を表現したピットもユニークだ。
3月12日には「Audi Team AS Sport」とタッグを組んでS耐シリーズST-Zクラスに初めてシリーズ参戦することが発表されている。
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みんなのコメント
特撮好きな庵野監督らしいチョイスということでは無いのか??知らんけど。
特に作り手の拘り反映される作品に登場するクルマは、細部の表現が凄いですからね。
ジムニーはクルマ界でも特別な立ち位置ですから、今回の件で2型の相場も一部で高騰するんでしょうな。