■なぜ「スーパーチャージャー」消えた? 国産車ではもう1車種しかない!?
クルマのエンジン出力をアップさせたい場合、排気量や気筒の数を増やすほか、高効率な燃焼システムを装備するといった手段があります。
これに加え、「スーパーチャージャー」という機構があり、かつての国産車には採用される例も多くありましたが、いまではほとんどが装備されていません。なぜなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが「スーパーチャージャー搭載車」です!(45枚)
スーパーチャージャーは、エンジンの駆動力を使ったコンプレッサーにより圧縮した空気をたくさん送りこみ、燃焼させる空気量を増やして爆発を大きくすることで出力をアップさせる装置です。
国産車では、トヨタ「MR2」(初代・AW11型)などのスポーツタイプのクルマだけでなく、トヨタ初代「エスティマ」といったミニバンや、軽自動車ではスバル製の「サンバー」にもスーパーチャージャーを搭載したモデルが設定されていました。
しかし、現在はその数を急速に減らしています。
国産車でスーパーチャージャーを搭載したモデルとして、もっとも新しいところでは、日産の先代「ノート」(E12型)が挙げられます。
このうち、1.2リッター3気筒スーパーチャージャーエンジン「HR12DDR型」搭載車がありましたが、2020年発売の現行型(E13型)から全モデルで電動化され、「e-POWER」搭載車のみになりました。
ノートのラインアップからスーパーチャージャーモデルが消えたことで、スーパーチャージャーを搭載している現行の国産車は、残念ながら「ほぼない」という状態です。
「ほぼ」というのは、「SKYACTIV-X」エンジンを搭載したマツダ「MAZDA3」があるからです。
マツダのSKYACTIV-Xエンジンには、2組のねじりローターを回転させ、空気を送り込むというルーツ型構造のスーパーチャージャーが搭載されています。
しかし、このスーパーチャージャーは、マツダでは「エアサプライシステム」と呼称。新しい燃焼システムを稼働させるのが主な役割で、スーパーチャージャーとは目的が異なっており、搭載車としてカウントしていいのか難しいところです。
では、なぜスーパーチャージャーは廃れていったのでしょうか。
その背景には、「ターボチャージャー」が主流になったことが挙げられます。
ターボチャージャーはエンジンに空気を送る「過給器」である点はスーパーチャージャーと同じなのですが、実はさまざまな違いがあります。
エンジンの排気ガスを利用して風車を回転させ、エンジンへ空気を送り込む仕組みであることからエネルギーのロスが少ないというメリットがあります。
一方で、スーパーチャージャーはエンジンの駆動力を直接利用してコンプレッサーを回すため、低回転域でも出力をアップさせられるというメリットがあります。
双方違ったメリットがあるのに、ターボチャージャーだけ残る流れになったのは「ダウンサイジング」に重きを置く傾向が強くなったのが大きな理由です。
世界的にコスト削減や効率化を目的とし、クルマの小型化が進められている昨今、エンジン自体の小型・高出力化も進められてきました。
しかし、スーパーチャージャーはサイズが大きく重く、複雑な機構のため、ダウンサイジングには適しません。一方、ターボチャージャーは構造がシンプルでサイズも小さくできます。
そのため、最近ではエンジン自体を小さくし、ターボチャージャーで出力を補う「ダウンサイジングターボ」が主流に。
さらに、スーパーチャージャーの最大のデメリットである燃費が悪いという点も挙げられます。これは先述の通り、エンジンの駆動力を直接使ってしまう(エアコンを作動させたときのような状態)ことに起因します。
こうしたことから、かつては「高性能の証」ともいわれたスーパーチャージャーでしたが、現行の国産車ではほぼ絶滅状態になってしまいました。
海外では、低回転から大きなトルクを発生させることができ、スーパーチャージャーのデメリットを受けにくいV型8気筒エンジン搭載車などに搭載されていますが、やはり一部にすぎません。
その一方、近年では電動スーパーチャージャーが登場。エンジンの力に頼らないことで、低燃費が期待できることに加え、前出のマツダのSKYACTIV-Xといった新技術が登場しました。
もしかすると、今後スーパーチャージャーがふたたび日の目を見るときが来るのかも知れません。
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みんなのコメント
車はどんどんデカくなっているんだが?
プレオにもあったわ!