ここ数年アウディの命名規則は錯綜
6月25日、アッパーミディアムセダン&ワゴン(アバント)である『アウディA6』の新型が日本でも発表された。「A6って昨夏に新型が発表されたばかりでは?」という読者諸氏もおられるかもしれないが、あちらは電気自動車の『A6 eトロン』。今回発表されたA6は、ガソリン&ディーゼルの内燃機関(ICE)搭載モデルで、まったくの別モノだ。
【画像】アウディA6がフルモデルチェンジで第6世代へ進化!セダンとアバントで登場 全200枚
ここ数年、アウディの命名規則は錯綜していた。当初は、低床モデルは『A』、高床モデルは『Q』に、電気自動車は偶数、ICE車は奇数を組み合わせることになった。
それゆえ2024年に発表(日本仕様は2025年に発売)されたA4後継モデルは『A5』となった。しかしこの規則は2025年2月に変更され、ボディタイプ(セダンやアバントなど)とパワートレーンのコード(eトロンやTFSI、TDIなど)で区別されることになった。
それゆえ、2025年3月にワールドプレミアされたA6の後継モデルは、従来どおりA6を名乗ることができた。命名規則が変わっていなかったら、この新型A6は恐らく『A7』と名付けられただろう。
初代A6は4代目100のマイナーチェンジ版
A6のヒストリーを簡単にふり返っておこう。
そのルーツは1968年に登場した『アウディ100』。1994年に4代目アウディ100がマイナーチェンジされた時に『A6』へと車名を変更し、これが初代A6に当たる。これも当時のアウディの命名規則変更によるものだった。今回の新型は6代目、アウディ 100からは9代目にあたる
A6はアウディ100の時代から、『優れた空力性能』と『機能的でスタイリッシュなデザイン』をDNAとして受け継いできた。1982年に登場した3代目のアウディ 100は当時の量産セダンとしては世界最高レベルのCd値=0.30を達成し、機能性とデザイン性を兼ね備えた『アバント』(ワゴン)や、アウディの象徴である『クワトロ』(4WD)もラインナップに追加した。
新型A6が事実上のアウディ・フラッグシップサルーン
アウディのフラッグシップサルーンだった『A8』や5ドアクーペの『A7スポーツバック』がフェードアウトした今、この新型A6が事実上のアウディ・フラッグシップサルーンになったと言えるだろう。つい先日、大型SUVの『Q9』が発表されたが、あちらはフラッグシップとはいえSUVであり、立ち位置が少し違う。
従って、サイズもセダンでは従来型A6より全長は50mm長く、全幅は10mm幅広く、全高は15mm高くなった。ただしホイールベースは2925mmで変わらない。
日本仕様はセダン、アバントとも2L直列4気筒ガソリンターボの『TFSIクワトロ200kW』と、2L直4ディーゼルターボの『TDIクワトロ150kW』の2グレードを設定。いずれも48Vマイルドハイブリッドと組み合わされ、7速Sトロニック(DCT)を介してフルタイムで4輪を駆動する。
アウディのICE車として最高の空力性能
アウディらしい、エレガンスとスポーティさを融合したデザインによるボディのCd値は、セダンで0.23、アバントで0.25と、アウディのICE車としては最高の空力性能を誇る。ちなみに、EVのA6 eトロンは0.21を達成している。
インテリアでは11.9インチのバーチャルコクピット、14.5インチのMMIタッチディスプレイ、そして10.9インチのMMIパッセンジャーディスプレイと、インパネ全面にディスプレイが展開。
16個のスピーカーとフロントヘッドレストスピーカーも備えた高音質の3Dサラウンドやスマートパノラマガラスルーフなど、フラッグシップサルーン&ワゴンにふさわしい装備が充実している。
なお、本国仕様ではクロスオーバーSUVテイストの『A6オールロードクワトロ』も発表されているが、これは日本に導入される予定はないという。
サイズや重さを感じさせない軽快な乗り味
今回の取材車は、セダンの『A6 TFSIクワトロ200kW』。短時間だが試乗もできたので実際に見て、触って、乗ってみた印象も報告しておこう。
1997年に登場した2代目A6セダンからインスパイアされたというスタイルは、アウディらしく流麗。クーペ風のルーフラインは、セダンではあるがA7スポーツバックの後継でもあることを示唆している。
低くワイドな大型シングルフレームグリルやスリムなヘッドランプなどは最近のアウディに共通だが、フロントバンパースポイラー両脇のエアカーテンのインテークが精悍さを加えている。リアエンドはスポイラー風に跳ね上げられ、薄くシャープなテールランプがフロントのデザインと呼応している。
コクピットに乗り込めば、アウディらしいデジタルステージが展開し、一見インターフェースは複雑そうだが、思ったより操作性は良い。ただし、短時間の試乗で完全にマスターするのは難しかった。
乗り出しての印象はとにかく静か
乗り出しての印象は、とにかく静かなこと。
撮影車はオプションの255/40R20タイヤを履いていたせいか、そのノイズこそ少し気になったが、それ以外は極めて静か。Q5などと同様のマイルドハイブリッドは低速域はモーターのみで駆動するが、車速が上がってエンジンがかかっても分かりにくい。
また、スポーツサスペンションやオールホイールステアリング(4WS)もオプション装着していたため、全長5mで車両重量2トン近いクルマとは思えないほど加速は素早く、しかもハンドリングは軽快だ。乗り心地も悪くない。
短時間の試乗でもかなりの好印象だったA6だが、やはり長距離ツーリングも試してみたい。その場合はディーゼルのアバントのほうがいいだろうか、なんて考えるのも楽しくなる、新型A6はそんなクルマだった。
アウディA6 TFSIクワトロ200kWのスペック
全長×全幅×全高:5000×1875×1465mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:1980kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ+モーター
総排気量:1984cc
最高出力:200kW(272ps)/5000-6500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/1600-4500rpm
モーター最高出力:18kW(24ps)
モーター最大トルク:230Nm
トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
駆動方式:フロント縦置き4WD
燃料/タンク容量:プレミアム/61L
WLTCモード燃費:15.2km/L
タイヤサイズ:225/55R18
価格:885万円
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