ひところ輸入車で目立っていたパッケージオプションやセットオプション商法が、最近は国産車にまで広く浸透してきている。2010年代まではメーカーオプションを一つずつ選択する方式が多かったが、2020年代に入るとセットやパッケージの嵐。必要なものだけを選択できれば嬉しいのだが、なぜこのような売り方になっているのだろうか。
文:佐々木 亘/写真:トヨタ・日産
[ノア]を実際に買うと500万円!? 新車367万円のクルマがここまで高額になる[パッケージオプション]の正体とは
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アクアの登場あたりから増え始めたパッケージオプション
初代アクアが登場した2011年くらいからパッケージオプションが一般化した
2011年に登場した初代アクア。爆発的な人気で納期が長くなり、営業マンたちを困らせたクルマなのだが、困らせポイントは他にもあった。アクアのメーカーオプションには、様々なパッケージオプションが採用されていたのだ。
その数なんと7種類。スマートエントリーや盗難防止システム、そしてコンライトがセットになったスマートエントリーパッケージを筆頭に、LEDヘッドランプ、ツーリング、ナビレディ、アドバンストディスプレイ、オーディオ、ビューティーの各パッケージと続く。4万円~11万円と高額なセットオプションは、ユーザーのメーカーオプション選択を大いに迷わせ、商談を大きく長引かせる要因となった。
単品で欲しいのに、選択肢はセットだけ。その分余計な装備のためのお金が出ていくのだ。販売現場にとってパッケージオプションは、百害あって一利なしなのだが、以降こうしたオプション設定はどんどん増えていくこととなる。
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プロパイロットがほしいだけなのに
日産車に乗るなら積極的に装着したいプロパイロットだが、装着したいならば46万円オーバーのオプションを装着しなければならない
困ったパッケージオプションはトヨタだけのことではない。現行の日産ノートもセットオプションで結構こじらせている。
日産の新型モデルに対して、ユーザーが期待するのは「プロパイロット」なのだが、これが簡単には装着できない代物なのだ。インテリジェントアラウンドビューモニターを付け、インテリジェントルームミラーを搭載し、統合型インターフェースディスプレイにUSBソケットとワイヤレス充電器、コネクトナビに車載通信ユニット、ETCにSOSコール、インテリジェントBSIとBSWを装着すると、やっとプロパイロットが付いてくる。
こちらのメーカーオプション、価格は46万2000円也。
プロパイロットを動かすために、アラウンドビューモニターや衝突防止支援システム、通信ナビを使うからセットにするのはなんとなく分かるのだが、ワイヤレス充電器やUSBソケットは関係ないはず。それらは単独選択のメーカーオプションにして、プロパイロットセットの値段を下げてほしいのだが、全部まとめて45万オーバーは厳しい。
ノートの車格を考えても、このセットオプションは盛りすぎだ。
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ノアはほぼ全部付けじゃん! セットを謳わない分さらにややこしい
ミドルサイズミニバンで1位2位を争うノアだが、オプションだけでも80万円を超えることがある
現行ノアのメーカーオプションは、一見するとセットには見えないのだが、各方面でオプションが複雑に絡み合ってくる。
プロジェクター式LEDヘッドランプを付けるためには、アダクティブハイビームがセット。ブラインドスポットモニターには緊急時操舵支援やパーキングサポートブレーキにアドバンストドライブなどが付いてくる。HEVでエレクトロシフトマチックを希望するとパノラミックビューモニターが必須など、単品で欲しい装備が、「これ無くてもいいよ」という装備とセット化されているのだ。
さらに別口でパッケージオプションが設定され、ヘッドアップディスプレイがデジタルインナーミラーとセットで約10万円、パワーバックドアがハンズフリーパワースライドドアやリアシートオットマンやヒーターとのセットオプションで15万円近くする。
結局これらを全部付けで、メーカーオプションだけで80万円近くになる事態。人気のS-Zのハイブリッドだと、車両とメーカーオプションだけで450万円に迫るのだ。ディーラーオプションと諸経費を加えたら、総支払額は500万円に近くなる。
また、セットオプションをセットしていくと、合計価格が減額されるのもいただけない。カタログを眺めながらの自己見積もりも、正確に出来なくなってくる。
お願いだから最低限、安全装備と快適装備は別々のセットオプションにしてほしい。安全と快適が混ざると不要なオプションのセット化が進んでしまう。
本当にユーザーファーストな、こだわりの1台を作り出すには、メーカーオプションの個別選択は必須。セットにしないとダメなものは、そもそも標準装備へと振ってしまった方が、双方に納得のいくクルマを注文できるはず。メーカーのさじ加減一つで変わってくるメーカーオプションの在り方を、改めて考えてほしい。
楽しく選び、納得の仕様で注文する新車購入が、再び出来るようになることを切に願う。
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