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最近ドレスアップ派も熱視線! 車内にパイプを張り巡らせる「ロールケージ」の意外な効果とは

掲載 更新 47
最近ドレスアップ派も熱視線! 車内にパイプを張り巡らせる「ロールケージ」の意外な効果とは

レースや競技だけではなく ストリートでもメリット多し!!

 タテ・ヨコ・ナナメにパイプが組まれているクルマを見ると、一般道では似つかわしくない「特別な存在感」を感じる。タダモノではないオーラがプンプンと漂うとでも言おうか。

モータースポーツで見かける「ロールケージ」 安全性や走りの向上は街乗りでもメリットある?

 ロールケージとは、車内に組まれたそのパイプの囲いのこと。もともとは、レースカーやラリーカー用のアイテムで、モータースポーツと無縁の人にはまったく関係ないと思われがちだが、じつはストリートでも装着するメリットが多いことも知られつつある。

 また、昨今のスポーツカー人気もあり、ファッション的なアピール面でも効果的で、ドレスアップアイテムとしても注目度が高まっているのだ。ここではそんなロールケージついて、「走り」と「見た目」に効く一石二鳥な観点から掘り下げてみた。

【装着画像】ジムニーや86、コペンにスカイラインなど(写真33枚)

そもそもロールケージって何?

 レーシングカーやラリーカーの象徴と言えば、車内に張り巡らされたロールケージもそのひとつだろう。ロールバーと呼ぶこともあるが、一般的には同じ意味で捉えられているようだ。そもそもロールケージの“Cage”(ケージ)とは、その本来の意味のとおり「カゴ」をあらわす言葉。まさに「鳥かご」をイメージしてもらうといい。

 レースや競技系車両にロールケージを装着する目的は、車内にロールバー(スチール製のパイプ)で「かご」のような囲いを作って、車体が横転したときに、屋根がつぶれることなく、ドライバーや乗員の命を守ることにある。横転やクラッシュしたときにも、ロールケージが車内の空間を確保してくれるというワケだ。

 ラリーの競技中に、マシンが道路を外れて崖を転がり落ちるシーンを見たことがあるかもしれない。普通のクルマなら車体が何回転もしてペチャンコに潰れるような危険な場面でも、ラリーカーのクルーたちが「かすり傷程度で済んだよ」などとコメントできるのは、ロールケージによって命を救われたからだ。ラリーに限らず、クローズドサーキットで行われる、レース中のクラッシュでも同様と言える。

 すなわち、レースやラリーの車両規則では、ロールケージの装着が細かい規定(パイプの素材や太さ、取り付け方など)とともに義務付けられていて、これにより、ドライバーや乗員が命を落としたり、大きなケガを負うことが大幅に抑制されているのだ。

 また、サーキットのスポーツ走行でも、オープンカーの場合はロールケージ(ロールバー)を装着していないと走行できないケースもあるので、事前に規定を調べるなどの注意が必要だ。

見た目的にも あの! ジャグルジムは、ファンならヨダレもの?

 スーパーGTのマシンや、WRCラリーカーの室内には、縦横無尽にパイプが組まれ、まさにジャングルジム状態。ファンなら誰しもがその光景に「カッコイイ~」と固唾を飲んでしまう。これを見てしまうと、「いつかは自分のクルマにもつけてみたい」と走り屋さんなら思ってしまっても不思議ではない。ストリートのドレスアップカーでもロールケージを装着するユーザーが増えているのは、そんな憧れから来ているのは間違いないだろう。

 ドレスアップの手法としては、カラフルなロールバーパッドを巻いてみたり、ロールバーそのものを室内色に合わせてカラーコーディネートして塗装してみたりと、アピールの仕方は人それぞれ。逆に、黒いロールバーパッドを巻いてあえて見えにくくするのもストイックな感じで好感が持てたりもする。また、外から車内が丸見えのオープンカーなら、さらにロールケージの存在感は大きくなる。

 ロールケージはファッションアイテムとしても、見るものに強烈なインパクトを与え、効果は絶大。また、レースに出るワケでもないのに、ロールケージが装着されているというギャップも「萌え」ポイントになっているようだ。

 ちなみにだが、スーパーGTのマシンや、WRCラリーカーの頂点マシンの室内がジャングルジムになっているのは、じつは、ロールケージとは少し意味合いが違って、見た目は同じようでも、車体そのものがパイプフレームで構成されていることもあるので念の為。

 あとから車体にパイプ(ロールバー)を取り付けたのではなく、パイプフレームありきで設計されていることが多いようだ。もちろんロールケージと同じく、ドライバーや乗員を保護する役割も果たしていることは間違いない。



乗り心地もよくなる? ロールケージの利点や効果、車検など

 レースや競技ではマストアイテムとなるロールケージだが、ストリートでもたくさんのメリットがあることが、ようやく浸透しつつあるようだ。ここでは、ストリート向きにたくさんのロールケージをデリバリーしているパーツメーカー「サイトウロールケージ」に、ストリートでの装着メリットや効果についてたずねてみた。

ーストリートでの利点や効果は?ー

「ロールケージはレースや競技での乗員保護などの必要性はみなさんご存知のとおりですが、じつは、ストリートでもたくさんのメリットがあります。ウチのロールケージは、室内のピラーや天井に隙間なくピッタリと沿うように設計されていて、車内の柱を強くすることができます。ボディ剛性がアップすることで、コーナーでのボディの歪みや捻れに打ち勝ち、ハンドリングが大幅にアップします」。

「一般道でも直進安定性が良くなり、非常に乗り心地がよくなります。乗り心地が良くなるのは女性の方からも喜ばれています。あとは、後ろから衝突(オカマ)されても、室内が潰れないこともメリットになるでしょう。軽自動車にお乗りの方が、トラックに後ろから衝突されても命が助かったというケースもあるんです」。

ーデメリットはありますか?ー

「純正の車体に追加して、スチールやクロモリといった重量のあるパイプを装着するので、車重が重たくなるというのがデメリットと言えばデメリットですかね? 車重が重たくなったとしても、それ以上のメリットがあるので、デメリットとして『重量増を感じる』という声を聞くことはほぼありません」。

ー車検って大丈夫なんですか?ー

「ロールケージを装着して車検に通すには、ロールケージパッドを巻く必要があります。ドライバーや乗員保護するのために、金属がむき出しのままでは車検に通りません。あとはリアシートを取っ払ってロールケージを装着する場合は、2名乗車になりますから、車検証に記載のある乗車定員数を変更しなければなりません」。

ロールケージの種類や価格、取り付けコストについて

 では最後に、ロールケージにはどんな種類があって、それぞれの価格、取り付けコストに関することを、引き続き解説してくれたサイトウロールケージの例を挙げて整理していきたい。

 ロールケージの基本構造は、リア4点式と6点式がベースになっている。リア4点式はメインアーチとリアバー2本で構成され、4ヵ所を止めるタイプ。6点式はリア4点式に左右フロントバーが追加され、フロントバーの左右をつなぐバイザーバーがつき6ヵ所で止めるようになっているもの。

 さらにリアシートを外して装着する2名乗車タイプ、乗車定員を変更せずに装着できるトランクスルータイプがある。素材は、スチール、クロモリ、アルミからチョイスできるようになっていて、スチールかクロモリが人気のようだ。

 これをベースにオプションが用意されていて、斜行バー、リアセンターバー、リアクロスバー、リアバイザーバー、サイドバー、メインセンターバーなどを追加することが可能になっている。

 具体的にピックアップすると、現行のアルトワークス(HA36S)では以下の通り。

【2名乗車タイプ】◆リア4点式スチール 3万5000円クロモリ 4万円

◆6点式スチール 6万円クロモリ 6万5000円

【トランクスルータイプ】◆リア4点式スチール 4万5000円クロモリ 5万円

◆6点式スチール 7万万円クロモリ 7万5000円

【オプション】◆斜行バー 1万円◆リアセンターバー 1万円◆リアクロスバー 3万円◆追加サイドバーキット 2万3000円~◆ロールケージパッド 黒 1500円/1m◆ロールケージパッド カラー 1800円/1m

 そして、ロールケージの取り付けもサイトウロールケージに依頼することが可能。同社に作業を頼む場合はロールケージパッド+巻工賃込みの価格で、リア4点式で3万5000円~、6点式で5万円~になっている(溶接加工や内張りカットが必要な場合は別途費用が必要)。

 簡単な装着作業に思えるロールケージだが、じつは装着こそ、プロの腕の見せどころという側面もあるのだ。失敗のない美しい仕上がりはもちろん、機能的なメリットも最大限に活かすには、取り付けをプロにまかせるのが絶対的に安心と言えるだろう。

【工賃】◆リア4点式 3万5000円~◆6点式 5万円~◆ロールケージパッド巻工賃 6点式1万2000円~◆ロールケージパッド巻工賃 4点式6000円~

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