梅雨のシーズンは自ずと雨中走行が多くなる、その際に気をつけたいのがタイヤだ。すり減ったタイヤではウエット性能が劣化するからだ、雨走行の安全性を考えてタイヤの残溝確認を実施してみよう
◆雨中の運転には危険が一杯!事前チェックを欠かさずに
タイヤは走行安定性や快適性、ドライグリップ性能、ハンドリング性能などに加えウエット性能(雨中での走行性能)が重要な要因になっている。タイヤの状態次第で雨中走行時のグリップ力は大きく変わるので、梅雨時の今こそ愛車のタイヤ点検を実施して、ウエット走行の安全性を再確認してみると良いだろう。
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タイヤの減りとウエット性能の低下はほぼ比例して起こると思っても良いだろう。タイヤのトレッド面にはいくつもの溝が施されているのはご存じの通りだが、トレッド面が摩耗していくと相対的に溝部分が浅くなっていく。その結果、新品時のウエット性能から性能が落ちてしまうのだ(スリップしやすい状態になる)。
そのメカニズムを簡単に説明しておくと、ウエット路面を走行するとタイヤと路面との間に水膜が入り込むことになる、極端にいうとタイヤが水膜の上に浮いているような状態になることがスリップの原因になるのだ。しかし、その際に水膜を除去して路面にタイヤを接地させる効果を発揮するのが溝だ。
タイヤと路面の間にある水膜は溝部分を伝って排出される仕組みなので、十分な溝があるときには排水がうまく機能するのでタイヤがしっかり路面に接触するのだが、トレッド面が摩耗して溝が浅くなると排出できる水の量は減っていく(水路が狭くなるので流れる水の量が制限されるため)。さらに激しく摩耗して溝が無くなるとまったく水膜を排出できなくなってしまうことが理解できるだろう。これが徐々にウエットグリップが劣化していくメカニズムだ。
◆実際のチェックは何をすればいいのか?
では具体的にタイヤはどのようにチェックすれば良いのだろう? ウエット性能という面に限ればトレッドの摩耗状態を見るのが重要だ。そこで確認したいのはトレッドパターンの“残溝”。新品時に対してどの程度まで溝の深さが浅くなってる(=まわりのトレッドがすり減っている)かが目安になる。
この残溝のチェック用にタイヤの溝の中にはスリップサインと呼ばれる少し盛り上がった部分が用意されている。つまり摩耗が進んで溝が浅くなってくると、溝内の盛り上がりであるスリップサインが表面に露出するタイミングがやって来るのだが(他の溝はまだ残っている状態)、ここが摩耗の限界と考えてタイヤ交換が必要だというサインとなる。
スリップサインはひとつの目安にはなるのだが、ウエット走行中にドライバーがスリップを感じるほどタイヤが劣化してしまってからの交換では危険すぎるので要注意だ。実は新品時からの摩耗に連れて少しずつウエットグリップは落ちている。それを端的に表しているのが制動距離だ。
タイヤ関連のテストデータによると80km/h走行時にブレーキを掛けた際、新品時では40mの制動距離で停車できたのものが、残溝=約半分まですり減ったタイヤでは50m、さらに80%程度まで減ったタイヤ(2分山)では制動距離が65mまで伸びたというデータもある。この結果を見るだけでも万が一の急ブレーキで危険なのは言うまでもないだろう。つまり知らず知らずのうちにタイヤは摩耗して性能が下がっていることを認識して置いた方が良いのだ。
また走行中に水膜の上にタイヤが浮き上がってしまいハンドルやブレーキが効かなくなるハイドロプレーニング現象が起きることもあるので定期的にタイヤの残溝チェックをして、タイヤ性能が大きく劣化する前に交換しておこう。
タイヤの残溝チェックにはタイヤ溝ゲージを用意すると良いだろう。カー用品店で安価で手に入るものなので愛車に積載しておいて、洗車などの際には定期的にチェックしておこう。タイヤの摩耗状態を常に知っておけばタイヤローテーションやタイヤ交換の計画も立てやすくなるので安全で長持ちなタイヤマネジメントができる。梅雨時のウエット走行で安全性を確保するタイヤの残溝、次のドライブ前にチェックして安全な雨中走行を心がけよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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みんなのコメント
溝が残ってようが製造年が経ったヤツは危ないよ