サイトトップへ

サイト
トップへ


現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【白昼堂々盗んでいく】現代の車両犯罪 新しい手口、海外では恐れ知らずの犯行も

ここから本文です

【白昼堂々盗んでいく】現代の車両犯罪 新しい手口、海外では恐れ知らずの犯行も

英国で盗難に遭った車両は8万台以上

映画「ミッション・インポッシブル」の主人公、イーサン・ハントでさえ、愛車の盗難を防ぐことができなかった。今年8月、俳優のトム・クルーズが所有するBMW X7は、彼が滞在していたバーミンガム中心部のグランド・ホテルから盗み出されたのだ。

【画像】SUV系が狙われやすい?【車両盗難件数が多いモデル5選】 全119枚

車両には追跡装置がつけられていたため、しばらくして5kmほど離れた場所で回収された。CCTVの映像には、3人組が中身の入ったバッグを持ってクルマから離れる様子が映っていた。

トム・クルーズはこの事件に激怒したと報じられているが、この事件を他人事と捉えることはできない。事件当時、犯行の手口としては、クルマのセキュリティシステムにキーを誤認させるリレーアタックが有力視されていた。しかし、数週間かけて警察当局が掴んだのはシステムが危険にさらされたということだけで、どのように盗まれたかは正確に把握できていない。

この事件は、現在の市販車が十分に洗練されているにもかかわらず、簡単に盗めるようになっていることを示している。今回、英AUTOCAR編集部は英国での車両盗難状況をもとに、最新の車両犯罪の実態を取り上げたい。

2020年、英国で盗難被害に遭ったクルマは8万9000台で、2019年に比べて2万4000台減少した。この減少は、ロックダウン中の移動が少なくなったことに加え、セキュリティの向上、一般市民の意識の高まり、取り締まりなどが要因となっている。

例えば、ウェストミッドランズ警察によると、過去1年半で100件以上のチョップショップ(盗難車を組織的な犯行グループが分解して部品にする場所)を特定し、閉鎖したという。

これは良いニュースだが、悪いニュースは、昨年の数字が2013年よりもまだ2万台も多いということだ。実際、全国警察本部長評議会(NPCC)は、5月から6月にかけての車両犯罪件数が前年同期比で3.1%増加したと報告しているのだ。

●英国での車両犯罪

1. 盗難の85%は夜間に発生。39%は所有者の自宅前で起きている。

2. 盗まれたクルマの72%は持ち主の元に戻らない。

3. 盗難車の30%は抹消されている。

4. 盗難の44%は無施錠のドアを開けて侵入しており、36%はリモートロックの信号を操作して侵入している。

5. 車内から盗まれるものの39%は貴重品。

6. 盗まれたクルマの37%は、新車登録から1年以上5年未満。

7. 盗難による精神的影響として最も多く報告されているのは「迷惑」で、76%にのぼる。

(数字提供:英国家統計局、Crime Survey for England and Walesより、2019年4月~2020年3月)

リレーアタック

車両盗難の手口として、最近よく知られるようになったのがリレーアタックだ。その手順としてはまず、窃盗犯はドアに装置を当てて、クルマが発信するセキュリティ信号を増幅させる。また、所有者の家の近くに置かれた装置によってキーのペアリング信号を中継し、ドアを開けてエンジンを始動させるものだ。リレーアタックは、所有者の家のすぐ近くで行われることが多い。さらに、ドアベルの映像が証拠として残らないように、家のWi-Fiを無効にするケースも出てきている。

NPCCによると、2021年5月から6月にかけての車両犯罪の増加のうち、リレーアタックが大きな割合を占めているという。2020年に車両追跡会社のTracker社が「盗難」と記録した車両のうち、93%がリレーアタックにより盗まれたという事実から、その規模の大きさがわかるだろう。

ありがたいことに、自動車メーカーも対応を進めている。フォードは2019年、使用していないときには無効になる「スリーピング・キーフォブ」を導入し、今年初めには導入車種を拡大した。この技術はリレー装置で作動させることはできない。導入以来、フォード・フィエスタの盗難件数は3分の2減少したという。

この他にも、オンボード診断ポートを使って電子機器を調整したり、エンジン・コントロール・ユニットを交換したりすることで、電子的な盗難の防止を図ることができる。窃盗団が使用する装置の多くは、オンラインで購入することができる。

喜ばしいことに、窃盗犯にはおよそ「名誉」などというものは存在しない。とあるセキュリティ関係者は、次のように語っている。

「ある人物が1万2000ポンド(約190万円)で購入したシステムを使って、新車のレンジローバーに侵入したという報告がありました。しかし、侵入はできたものの、エンジンをかけるためのファームウェアが入っていませんでした。彼は今、アップデートのためにデバイスを返品しても、戻ってこないかもしれないと心配しているようです」

●リレーアタック対策

1. キーレスエントリーを装備している場合は、システムを無効にできるかどうかを確認し、無効にできない場合はソフトウェアのアップデートで可能になるかどうかを確認する。

2. キーを保管するときは、金属箔を貼った缶などに収納して信号を遮断する。

3. ECUセキュリティクレードルを装着する。

4. ハンドルロックなどの物理的ロックを装着する。

触媒コンバーターの盗難

リレーアタックも大規模な犯罪だが、触媒コンバーターの盗難は別次元だ。白昼堂々と道端やスーパーの駐車場で行われることが多いのである。狙いは触媒コンバーターに含まれる貴金属で、さまざまな人の手を経て、市場では天文学的な価格で取引されている。

BBCがイングランドとウェールズの警察から入手した情報によると、2019年には1万3000件のコンバーターの盗難が記録されている(2018年は2000件)。2020年4月、英国最大の自動車保険会社の1つであるアジアス社は、ロックダウン中にコンバーターの盗難が急増し、盗難請求の約3分の1を占めていると述べた(ロックダウン前は5分の1)。

しかし、良いニュースもある。英国内のコンバーター盗難のピークは今年の3月で、3245件が記録された。翌月、英国運輸警察はこの問題に対処するため、複数の機関と協力して大規模作戦を展開。1000個以上の盗難コンバーターが回収され、50人以上が逮捕された。その後、盗難件数は着実に減少し、7月にはわずか1378件となった。

NPCCは、警察間の連携が強化されたことに加えて、コンバーターに固有の参照コードなどを目に見えない特殊な方式でマークを付けたことが貢献したと評価している。このマークはSmartwater Group社が開発した高耐熱性製品で、整備工場でコンバーターに塗布することができる。

ウェストミッドランズ警察の犯罪防止マネージャーであるマーク・シルベスターは、次のように語っている。

「コンバーターにマーキングするだけでは盗難を防ぐことはできません。しかし、チョップショップなどでコンバーターを発見した場合、固有のコードを読み取ることで盗難品であることを識別でき、所有者を特定し、有罪判決につながる要素となり、さらなる盗難を阻止することができます」

●触媒コンバーターの盗難対策

1. 車庫に入れるか、コンバーターに手の届きにくい場所に駐車する(他のクルマに挟まれるようにして駐車するなど)。

2. クルマの動きを感知する警報装置をつける。

3. 窃盗犯は昼間に活動するが、クルマは見晴らしの良い明るい場所に駐車するようにする。

鍵の盗難

車両管理会社AX Innovationの調査サービス担当ディレクター、ニール・トーマスによると、自宅からクルマの鍵を盗まれることはまずないそうだ。「窃盗犯の多くは、被害者の家に入ることを嫌がります」と彼は言う。

このような窃盗犯は、自分たちのことを「ツーカー(twoccers)」と呼んでいる。「ツーカー」とは「無断で使用する」という意味で、自分たちを強盗とは思っていない。それなら安心、というわけではない。実際、トーマスの隣人は最近、目を覚ますと泥棒が踊り場に立っていて、クルマの鍵を探していたそうだ。

マーク・シルベスターによると、新しいキーフォブをプログラムすることも攻撃方法の1つだという。

「装置は自由に入手できますが、一般的に言って、ほとんどのクルマのECUは3つ以上の鍵を割り当てられないようになっています。ディーラーに依頼して、3つ目のキーを認識しないようにECUをアップデートしてもらいましょう」

●被害者の声

2年前、デビッドさん(仮名)は自宅でギャングにBMWの鍵を要求された。

「夜中の1時でした。寝室のドアを開けると、目出し帽をかぶった3人組が現れたんです」

鍵を渡すと、数秒後にはクルマも彼らも消えていた。

「警察は数分後に到着し、高速道路を走っていたわたしのX5をANPR(ナンバープレート読取装置)で追跡しました。結局、クルマは戻ってきませんでした」

デイビッドはこの経験を受け、リスクを避けてセキュリティを意識するようになったと言う。

「人々は、自分が持っている抑止力の層を確認すべきです。例えば、車道にクルマがはみ出ているのを見ると、それがどれだけ盗みやすいかを考えます。泥棒のように考えなければなりません」

●安全を守るために

1. クルマの鍵は1階に置いておく。宅内に侵入されるよりは見られたほうがいい。

2. ECUをアップデートして、鍵を2つまでしか認識しないようにする。

カージャック

3年前にバーミンガムで起きた事件では、車道を塞ぐゴミを移動させるためにクルマを止めたドライバーが、警棒を振り回した暴漢に襲われ、クルマを奪われた。この事件は、同年に同市近郊で発生した一連のカージャック事件の1つだ。

他にも、被害者の家の近くで待ち伏せして鍵を奪ったり、故障しているふりをしたり、後ろからぶつけたり、ヘッドライトを点滅させてクルマを止めるように仕向けたりする手口もあった。カージャックの蔓延を食い止めるために、警察はわずか数週間で600人を逮捕した。

日本国内でカージャックのニュースは聞き慣れないが、海外で被害に遭うこともある。

●被害に遭わないために

1. 行く手を遮るものがないか、ヘッドライトで止まれと言われていないか、近くに人が集まっていないかなどを疑ってみる。

2. 定期的に駐車場所を変える。

3. 車内に素早く乗り込み、内側からロックできるように鍵を手元に置いておく。

4. 運転席のドアだけを解錠するようにする。

5. 前方の車との間に十分なスペースを確保し、すぐ逃げ出せるようにする。

車上荒らし

車両犯罪のランキングでは、車上荒らしがいまだに1位だ。以前は、車内に侵入しやすかったり、窓を開けたままにしていたことが原因だったが、現在では鍵のかけ忘れが原因となることもある。マーク・シルベスターは次のように説明する。

「鍵をかける際、すべてのクルマがロックされたどうかを知らせてくれるわけではありません。車種によっては、ハンドルを引くとロックが解除されることもあるので、確認が難しいケースもあります。ミラーが折りたたまれていたり、ウインカーが点滅したりすると、ロックされていることがわかります」

「一方、貴重品を外から見えるようにしないという昔からのアドバイスは、これまでと同様に有効です。車上荒らしの多くは日和見主義です。貴重品を見せておくことは、犯罪を招き入れることになります」

●被害に遭わないために

1. ロックするときは、ウインカーが点滅しているか、ドアミラーが折りたたまれているかを確認する。

2. 窓が閉まっていることも確認する。

3. ポータブル・ナビを含め、貴重品は目につかないようにする。

4. 明るい場所、見晴らしの良い場所、人通りの多い場所に駐車する。

おすすめのニュース

サイトトップへ

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します