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アリゾナの乾いた大地で見つけたクラシックな廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

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アリゾナの乾いた大地で見つけたクラシックな廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

オールズモビル・デルタ(1973年)

この1973年式オールズモビル・デルタ88のフロントフェンダーは、誰かが購入したようで、取り外しと発送を待っている状態だった。1973年、オールズモビルは92万2771台を販売し、2年連続でシボレー、フォードに次ぐ米国第3位の販売台数を記録した。

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1983年(91万6583台)と1985年(117万台)には、オールズモビルはフォードを抜き第2位の座を獲得した。しかし、やがて業績は悪化し、2000年には年間25万台すら達成できなくなった。米国最古の自動車メーカーの1つであるオールズモビルは、2004年に廃業した。

ポンティアック・カタリナ(1972年)

デザート・バレー・オートパーツにはコンバーチブルが多数あり、このレストア用の1972年式ポンティアック・カタリナもその1つだった。構造的には問題なさそうだったが、復活させるにはかなりの費用が必要だろう。特に、内装は完全に交換しなければならない。

シボレー・エルカミーノ(1974年)

部品取りに選ばれた車両とは対照的に、この1974年式シボレー・エルカミーノは、そのまま走って持ち帰れそうな状態だった。4本のタイヤにまだ空気が残っていたことから、長期間放置されていたわけではなさそうだ。

クーペ・ユーティリティのエルカミーノは1959年に発売された。ライバル車であるフォード・ランチェロより2年遅れての登場だ。ただ、クーペ・ユーティリティ自体は1930年代初頭にはすでにオーストラリアで生産されていた。

オールズモビル・スターファイア(1975年)

1970年代のオールズモビル・スターファイアはごく少数しか存在せず、現在ではほぼ見かけなくなった。1975年から1980年にかけて生産されたが、シボレー・モンツァのバッジエンジニアリングに過ぎず、販売台数は少なかった(6年間で12万5188台)。

ポンティアック・グランプリ(1971年)

1971年には約5万8325台のグランプリがポンティアックのショールームで販売されたが、これは前年より数千台少ない数字だった。実際、第3世代(1969~1972年)の中で最も売れないモデルであった。グランプリの名は1962年から2008年までポンティアックで使われ続けた。

クライスラー・インペリアル(1974年)

誰が、なぜ、このクライスラーに額縁を立てかけ、インペリアルのエンブレムを縁取ったのかは分からない。1974年式の2ドア・ハードトップで、一見良好な状態に見えたが、レストア向けではなく部品取り車となっていた。確かに、カバー付きヘッドライトなど、使える部品は豊富に残っていた。

7.2L V8エンジンを搭載していたが、車重が2300kg近くあったため、0-100km/h加速には17秒以上かかった。

キャデラック・エルドラド(1973年)

この1973年式エルドラド・コンバーチブルは、部品取りのために分解中だった。1970年代初頭までに、市場に出回る米国製コンバーチブルの数は減少していた。この個体が生産ラインを離れた3年後、1976年のエルドラドは「最後の米国製コンバーチブル」と銘打たれた。

このため多くの人が投機目的で購入したが、1984年にキャデラックがソフトトップのエルドラドを再発売した際には、彼らはあまり喜ばなかったようだ。

ポンティアック・サンバード(1976年)

数年前までは、ポンティアック・サンバードのような現代的なモデルを撮影対象に選ぶことは考えられなかった。しかし、この初代モデルは今や40年以上が経過しており、現存している数も特に多くはないようだ。

この2ドア・セダンの個体は1976年に5万2031台生産されたうちの1台で、デザート・バレー・オートパーツではレストア用として販売されていた。

クライスラー・インペリアル(1971年)

デザート・バレー・オートパーツは、間違いなくわたし達取材班が出会った中で最も管理の行き届いた廃車置き場の1つで、すべての在庫がきちんと分類されている。全車両に6桁のコードが記されており、最初の2桁が製造年、最後の4桁が個々の識別番号を示している。

製造年が分かれば、車両の特定ははるかに容易になる。とはいえ、このクライスラー・インペリアル・ルバロン4ドア・ハードトップのフロントガラスに書かれた「73」という数字には少々困惑した。明らかに1971年式に見えるからだ。

リンカーン・タウンカー(1976年)

このリンカーンの栄光は、残念ながらはるか昔に過ぎ去った。色褪せた塗装、剥がれかけたルーフ、へこんだホイールから判断すると、この場所にある多くの車両と同様、長い間動かされていなかったのだろう。

フォード・サンダーバード(1964年)

この1964年式フォード・サンダーバードは実に美しいクルマだった。少し手入れして、新品のタイヤ4本とビニール製のルーフを交換すれば、クラシックカーショーに出ても遜色ないだろう。廃車置き場で朽ち果てるには、あまりにも良すぎる1台だった。

1964年は第4世代サンダーバードの発売初年度であり、生産台数9万3465台を記録した最盛期でもあった。

フォード・マーベリック(1977年)

デサート・バレー・オートパーツの在庫番号によれば、このフォード・マーベリックは生産最終年の1977年に出荷されたようだ。この4ドア・セダンは9年間で計210万台が生産されたが、この最終年は5万8420台にとどまった。

ビュイック・エレクトラ(1966年)

この1966年式ビュイック・エレクトラ225コンバーチブルが、どのような状態でこの廃車置き場に運ばれてきたのか、そしてなぜレストア候補ではなく部品取り車と判断されたのか、知りたいものだ。非常に人気のあるモデルであり、わずか7175台しか生産されていないため、希少価値もある。

マーキュリー・マーキー・コロニーパーク(1971年)

1971年式マーキュリー・マーキー・コロニーパークのステーションワゴンが敷地の入口に置かれていた。誰かに見つけてもらい、購入され、修理され、かつての輝きを取り戻し、また家族旅行に連れて行ってもらうことを願っているようだった。

少々傷んではいるが、ホイールトリムを除けばほぼ完品だった。

ポンティアック・カタリナ(1971年)

デザート・バレー・オートパーツには、1971年式ポンティアック・カタリナ2ドア・ハードトップが2台あった。1台はレストア用、もう1台は部品取りだ。後者は間違いなく貴重なスペアパーツの供給源となっただろうが、残念ながらフロントガラスが割れていた。

クライスラー・タウン&カントリー(1968年)

1968年式クライスラー・タウン&カントリーのステーションワゴンには、標準装備としてウォールナット調のパネルが施されていた。クーペやコンバーチブルでは、同様の木目調パネルがオプションで選択可能だった。この個体の以前の所有者はおそらくフェイクの木目を好まなかったのだろう、手作業でピンク色に塗り替えている。

ダッジ・アスペン

青い1976年式ダッジ・アスペンのフロントガラスには3つの指示が書かれていた――「中身を片付けろ」、「良いものはトランクに取っておけ」、「ヤードに置け」。一体どんな「良いもの」があったのだろうか。車内を漁れば、きっと素晴らしい部品や小物を見つけられるに違いない。小銭もたくさん拾えるかもしれない。上の黄色のアスペンも1976年式と思われる。

ポンティアック・ファイヤーバード(1980年)

確証はないが、この2台のポンティアック・ファイヤーバードはどちらも1980年式だろう。下の個体の純正ワイヤーホイールカバーはきちんと残っている。同年、計10万7340台が生産された。

ビュイック・スカイラーク・スポーツワゴン(1968年)

車体のフロント部分がなくなっていることから、この1968年式ビュイック・スカイラーク・スポーツワゴンが再び走ることはないと断言できる。しかし、入手困難な貴重な部品がいくつか残っていた。後部座席上のサンルーフはとっくに取り外されていたが、荷室上部の高くなった部分のサイドウィンドウは無事だった。

1968年、同様の構造を持つオールズモビル・ビスタクルーザーが3万6143台販売されたのに対し、スポーツワゴンは約2万3000台にとどまった。

クライスラー300(1966年)

部品取り車にするにはあまりにも状態が良すぎるように見えたが、残念ながら部品取りとして扱われていた。1966年式クライスラー300の4ドア・ハードトップで、非常に頑丈な作りだった。

背景には、ファイヤーバードも2台並んでいる。

著者について

英国の自動車ジャーナリスト、ウィル・シャイアーズ(Will Shiers)は過去35年にわたり、廃車となった米国の自動車を撮影し続けている。50州すべてを旅して、納屋、野原、砂漠、ゴーストタウン、ジャンクヤードなどを探検し、隠された宝物を探している。自動車雑誌への寄稿も多い。

これまでの作品を集めた写真集『Roadside Relics-America’s Abandoned Automobiles』の著者でもある。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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