プラットフォームを共有する兄弟車であっても車格の違いは存在する。そのため、本来はアッパークラスなのにもかかわらず、ワンランク下のクラスに見られてしまう不幸なモデルもある。今回はそうした兄弟たちを紹介していこう。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ、日産、ホンダ、CarWp.com
オーナーは悲鳴!? ちょっと切ない!? 見間違えられるのが悲しい…高級車3選
【画像ギャラリー】「えっ、間違えられた!?」似すぎ!? の高級車たち(17枚)
高級車、それとも一般向け?
●日産 シーマ(5代目) vs フーガ(2代目)
日産 シーマ(5代目)。登場は2012年で、先代の生産終了から1年9カ月のブランクを経ての復活となった。この5代目からハイブリッド専用車に
日産の高級車・シーマは、1988年にセドリック&グロリアの上級バージョンとして、日産系列店ごとにセドリックシーマ、グロリアシーマの名称で発売され、バブル景気の後押しもあって大人気車になった。
その後もシーマの販売は続けられたが、「シーマ現象」と呼ばれるほどのブームを巻き起こした初代モデルに比べると、販売台数には先細り傾向がみられるようになった。
そんなシーマの5代目にあたるのがHGY51型と呼ばれるモデルで登場は2012年。そしてこの5代目シーマには兄弟モデルが存在していた。
2004年にセドリック&グロリアの後継車として登場していたフーガは、2009年に2代目へと進化し、このモデルはY51という型式番号を持っていた。
そう、HGY51型シーマは、Y51型フーガをベースにした上級モデルだったのだ。
シーマとフーガには車格の違いがあるが、2代目フーガが登場した2009年時点ではシーマの製造販売が中止されていて、フーガが日産製自動車のフラッグシップの地位にいた。
しかし2012年にはシーマが復活して、日産最上級モデルの座は再びシーマのものとなった。
とはいえ、プラットフォームを共有していただけあって、HGY51型シーマとY51型フーガの外見は互いに良く似ていた。
これは裏を返せば、シーマに乗っていても外からはフーガとの見分けがつきにくいということを意味する。
シーマのオーナーにとってみれば、フーガに間違われるのは本意ではないはず。
Y51系のシーマ&フーガは2022年に生産が終了しているので、この勝負の結果は痛み分けといったところか。
●トヨタ ヴェルファイア(2代目) vs ヴォクシー(3代目)
2代目トヨタ ヴェルファイア。兄弟モデルのアルファードより厳つい雰囲気を持っているのがヴェルファイアの特徴であり、幅広い年齢層に支持された
トヨタのヴェルファイアは、兄弟車のアルファードと並ぶトヨタ製ミニバンの最上級モデル。
特にヴェルファイアはアルファードよりも迫力ある顔つきに仕上がっていることもあって、若者人気も獲得している。
現在は3代目モデルが走っているヴェルファイアだが、2015年デビューの先代モデルはある車種にとても似ているといわれていた。
それが同じトヨタのヴォクシーだ。
ヴォクシーは2001年に初代が登場したトヨタのミニバンで、2.0リッターエンジンを搭載した、手の届きやすい価格帯のモデルだ。
そのコンセプトは4代目の現在まで継承されているが、2014年に発売された3代目モデルは、同年代の2代目ヴェルファイアにソックリともいわれた。
近年の自動車メーカーは、自社製モデルに共通イメージのフェイスデザインを採用することが多く、2代目ヴェルファイアと3代目ヴォクシーでもそれは同じだった。
結果として、ベーシッククラスのヴォクシーが、最上級のヴェルファイアに間違われるというケースも発生した。
もちろんよく見れば異なる部分も多いのだが、パッと見で同じクルマに思われるのはヴェルファイア側にとってうれしくない場合もあっただろう。
「伝説」か、それとも「調和」か?
●ホンダ レジェンド(4代目) vs アコード(8代目)
2004年にデビューしたホンダの4代目レジェンド。ホンダの最上級4ドアセダンであり、300psを叩き出す3.5リッターV6 VTECエンジンを搭載していた
ホンダのレジェンドは、同社のフラッグシップとなるべく1985年にデビューしたモデルであり、ホンダ初の3ナンバーサイズを採用したことでも話題になった。
対するアコードの歴史はさらに古く、初代のハッチバックモデルは1976年に販売開始され、翌年には4ドアセダンが登場している。
このように、レジェンドとアコードは長年にわたって棲み分けを行っていたが、アコードは時代が進むにつれて大型化し、1993年発売の5代目では全グレードが3ナンバーサイズになった。
こうなるとレジェンドとアコードの違いは少なくなり、2004年登場の4代目レジェンドと、2008年発売の8代目アコードの外見はかなり近づいていた。
8代目アコードの販売価格は約250万円~、4代目レジェンドは525万円~と価格帯には大きな差があるのにもかかわらず、見た目があまり違わないというのはレジェンド側にとって痛かった。
レジェンドの意味は「伝説」でアコードは「調和」だが、アコードがレジェンドに調和してしまうのは問題なかったのか?
その後もアコードの大型&高級化路線は続き、レジェンドが生産終了になった2022年以降は、アコードが事実上のレジェンドの後継車の地位を務めている。
番外編~ネタにもなった似ている(?)2台
●トヨタ AE86 vs AE85
トヨタ AE86型スプリンタートレノ。人気コミックの影響もあって販売終了後に人気が再燃し、現在でも程度の良好な中古車は高額で取り引きされている
最後は、高級車ではないものの、見間違えがある種のネタにもなったモデルを紹介したい。
トヨタの「ハチロク」ことAE86型スプリンタートレノ&カローラレビンは、1983年の登場から40年以上が経過した現在でも多くの人に愛されている。
そしてこのAE86の影ともいうべき存在が、同時期に販売されていたAE85型のトレノ&レビンなのだ。
AE85はAE86の廉価版であり、エンジンやブレーキ、内装が異なっていた。
特にエンジンはAE86の1.6リッター直4型DOHC(130ps)に対し、AE85は1.5リッター直4型SOHC(85ps)と大きな違いがあった。
当然ながら、走行性能においてAE85はAE86の足元にも及ばなかった。
ただし、AE86とAE85は基本的に同一車種のグレード違いのため、外見上の差異は中身以上に少なかった。
だが、性能や価格の違いにより、当時AE86に乗っていた人は、自車がAE85に間違われるのを非常に嫌がっていたという話もある。
お互いにそっくりであっても中身はまるで違うことから、現在でもAE86とAE85の差がネタとして話題になることも多い。
しかし、近年のAE86人気の影響で、程度の良いAE85の中古個体がAE86を復活させるためのベースに選ばれることも増えていて、それがAE85の価値を高めているのは皮肉な現象といえそうだ。
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みんなのコメント
この型のシーマはほとんど走ってないし。
スカイラインとフーガは並ぶとボリューム感が違うからわかるけど単体や遠目から見るとパッと見はほぼ同じだし
日本以外では、それぞれシーマ→インフィニティQ70Lとフーガ→インフィニティQ70で、シーマはフーガのホイールベースを伸ばしただけのストレッチ版ですね
シーマのQ70LのLは、ロングホイールベースのLの意味