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【イメチェン成功?】トヨタ・ハイラックス かつての「商用車」いま日本で人気のワケ

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【イメチェン成功?】トヨタ・ハイラックス かつての「商用車」いま日本で人気のワケ

なぜいま「ハイラックス」が売れている?

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】ラリーがイメージ変えた?【トヨタ・ハイラックスを見る】 全48枚

editor:Taro Ueno(上野太朗)

最近、トヨタのピックアップトラック、ハイラックスが人気だ。

月間販売目標400台を超える、年間5000台レベルを維持している。

こうした台数を単純に見ただけでは、けっして人気車とは呼べないかもしれないが、日本社会の中では特異な存在であるクルマとしては、このペースで売れ続けると、街中の風景も変わっていく。

とくに、ハイラックスのユーザーは本格的なカスタマイズを好む傾向があり、コロナ禍の山や海で、奇抜なハイラックスに出会う機会が増えたと感じている人も少なくないのではないだろうか。

一方で「ハイラックスって、結局どんなクルマで、なぜ最近になった人気が出てきたのか? 」という思いを持っている人も多いはずだ。

そうした疑問の回答を、さまざまな方向から探ってみよう。

まず、そもそもハイラックスとはどんなクルマなのか?

1968年に初代が発売されており、現行車は8代目となる。こうした歴代車をふりかえってみると、80年代から90年代の5代目までは、日本人にとっては「商用車の1つ」という認識に過ぎなかったと思う。

それが、90年代後半からのアメリカでのピックアップトラック乗用化というトレンドが起こり、日本の一部ユーザーやハイラックスの主要販売地域である東南アジアのユーザーに大きな影響を与えた。

米でのピックアップ・ブームが飛び火も……

アメリカでのピックアップトラック乗用化では、フルサイズピックアップトラックが主体となり、ブームがけん引されていった。

筆者(桃田健史)は当時、アメリカ南部に居住し、アメリカ自動車業界がピックアップトラック、そしてSUVへと大きく転換していく状況を体感している。

人気車は、フォードF150、GMシボレーC/K1500、そしてダッジ・ラムが御三家だった。

一方で、日本製はフルサイズピックアップトラックがラインナップされておらず、ミッドサイズピックアップどまりの状況だった。

トヨタの場合、T100があったが、アメリカ人の多くが「V8でなければ、ピックアップトラックとは呼ばない」と、T100をワンランク下のクルマと揶揄していた。

アメ車でもミッドサイズピックアップトラックではシボレーS10やフォードレンジャーがあったが、フルサイズピックアップトラックが販売の主流であるため、純正パーツやアフターマーケットで流通するカスタマイズパーツについて、ミッドサイズピックアップトラック向けの取り扱いは限定的だった。

こうしたアメリカでのブームが東南アジア、南米、中東などにも飛び火したのだが、各国や地域での社会事情から、各メーカーはアメリカ型のフルサイズ、またはミッドサイズという二者択一のピックアップトラック戦略を取らなかった。

トヨタが打ち出したIMV構想とは?

そうした中、トヨタがIMV構想を打ち出した。

イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ヴィークルの略である。

トヨタは2004年8月25日、「新開発のピックアップトラックと多目的車(IMV)の世界最適生産・供給体制を構築へ」というニュースリリースを出している。

同日、タイで生産するハイラックス・ヴィーゴを発表。

生産拠点として、タイ、インドネシア、南アフリカ、アルゼンチンの4か国として世界140か国に輸出するとした。

この時期、世界の経済界では経済新興国をBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼び、自動車メーカー各社がこれまでの、欧米日を中心とした事業体系を大きく見直していた。

筆者は当時、トヨタを含めてBRICsや東南アジア各国の現場取材を行っていた。

こうした社会の大波の中で、ハイラックスは6代目までの流れを刷新し、7代目から新世界戦略車となると同時に、日本からハイラックスは新車ラインアップから姿を消した。

その後、2015年には現行の8代目がタイで発表されると「日本でもかならず売れる」という声が日本国内のトヨタディーラーの間で出始めた。

背景にあったのが、日本でのSUVシフトというトレンドだ。

キャンプなどアウトドア対応で、ランドクルーザーやランドクルーザープラドの販売が好調だった。

「商用車」から「SUV」へのイメージ転換

こうして2017年9月12日、ハイラックスは13年ぶりに日本で発売された。

全数がタイからの輸入である。

当時の開発担当者は「主に、作業で使用する保有者が約9000人いる」と説明したが、トヨタとしては決してハイラックスを商用車として位置付けたのではない。

事実、トヨタのホームページを見れば、ハイラックスはSUVのジャンルに分類されている。

日本復活を機に、トヨタはハイラックスをスポーツトラックというイメージでさまざまな広報・宣伝活動を行い、その筆頭にガズー・レーシングでのダカールラリーマシンを紹介した。

こうして、日本でも「カッコいいピックアップトラック」としてハイラックスの認知度が高まると同時に、昨今のキャンピングカーブームもハイラックスにとって追い風となっている。

荷台に脱着式キャビンを積む、トラックキャンパー(トラキャン)や、キャンピングトレーラーをけん引するために、ディーゼルエンジンによる手厚いトルクを誇るハイラックスを活用するケースが今後、さらに増える可能性もある。

唯一無二の存在で、日本でのピックアップトラック市場を切り開くハイラックス。

海外でのライバル、日産ナバラの日本参入、また三菱トライトンの復活にも期待を持ちたい。

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