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いまや軽市場は全体の4割も… 軽自動車に押されるコンパクトカー市場の行方とは

掲載 更新 24
いまや軽市場は全体の4割も… 軽自動車に押されるコンパクトカー市場の行方とは

■軽自動車やSUV・ミニバンに押され気味の「コンパクトカー」

 国内市場では、「軽自動車」「コンパクトカー」「ミニバン」「SUV」「セダン」などとボディタイプや規格によっていくつかの種類の分けることができます。なかでも、コンパクトカージャンルは販売上位かつ各社でラインナップに力を入れています。人気のコンパクトカー市場は、今後どうなっていくのでしょうか。

不人気にもほどがある!? ビックリするほど売れていない軽自動車5選

 最近では、2020年2月10日にトヨタ「ヴィッツ」から車名を変えた新型「ヤリス」が発売。4代目となるホンダの新型「フィット」は、その4日後の14日に発売されるなど、大きな盛り上がりを見せています。

 2020年3月時点では、トヨタ9車種、スズキ5車種、ホンダ2車種、日産3車種、ダイハツ3車種、三菱3車種、マツダ1車種、スバル1車種というラインナップ(メーカーHPに準ずる)です。

 また、直近2月の登録車販売台数ランキングでは、全体2位日産「ノート」、全体5位トヨタ「アクア」、全体7位フィット、全体8位トヨタ「ルーミー」と、上位10台中で4台がコンパクトカーが占めています。

 なお、同月1位のコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」を含めると半分となり、新車市場においても高い人気を誇っているジャンルだということがわかります。

 しかし、近年では軽自動車市場が急成長を見せており、登録車と軽自動車を合わせた全体のシェアでは約4割が軽自動車といわれるほどです。

 実際に、2月の販売台数では、登録車1位のライズが9979台だったのに対して、軽自動車1位のホンダ「N-BOX」は1万9177台と約2倍近い台数を記録しています。

 売れ筋のフィットとN-BOXを販売するホンダの販売店スタッフは、次のように話します。

「近年の軽自動車は普通車並の安全・快適装備を備えているうえ、走行性能も格段に向上しました。また、元々の購入・維持に掛かる費用が普通車に比べて抑えられる部分などもあり、普通車から軽自動車に乗り換えるお客さまが増えております。

 しかし、ひと昔前の軽自動車は、あくまでも買い物や近所の移動といったイメージが強かったほか、安全性や快適性においてもずば抜けて良いという印象を持たれているお客さまは少なかったように感じます」

※ ※ ※

 金額面やパワートレイン(軽自動車は660cc自主規制)以外では、サイズ感、安全・快適機能など似ている部分が増えてきたコンパクトカーと軽自動車。

 また、最近ではトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」などのコンパクトミニバンや、前出のライズやホンダ「ヴェゼル」などのコンパクトSUVといった従来のコンパクトカーのイメージとは異なるジャンルも普及しつつあります。

 これまで、コンパクトカーは下記クラスの軽自動車と上位クラスのミニバンやSUVと踏み分けが出来ていましたが、従来の3ドア/5ドアハッチバックタイプのモデルが、今後のコンパクトカー市場はどうなっていくのか注目です。

■コンパクトカーは無くなる存在…?

 軽自動車やミニバン・SUVに押されつつあるコンパクトカー。今後は、縮小傾向にあるのでしょうか。

 ホンダは、4代目となる新型フィットの発売において、同社におけるコンパクトカー市場の重要性を説明しています。

 それによると、歴代フィットは2001年に初代モデルが登場してから2020年1月時点で、累計269万台を販売。さらに、同社の保有車種では、2010年頃までは「ライフ」が圧倒的な保有台数を誇っていましたが、その後はフィットがもっとも多くなり全保有数のうち17%となる183万台(2018年末時点)を誇っていました。

  また、2018年度時点での国内登録車市場全体を見ると、もっとも高いシェアを誇るのがコンパクトカー/ハッチバックの112万台(40%)、ミニバンの55万台(23%)、SUVの55万台(19%)、セダン/クーペの37万台(13%)、ステーションワゴンの14万台(5%)となっているのです。

 登録車市場において、コンパクトカー/ハッチバックは最大シェアを誇るジャンルで、2000年以降全体の40%を維持し続けている安定した市場といえます。

 新型フィットの投入背景について、商品企画担当者は次のように述べています。

「国内の登録車市場では、フィットが属するコンパクトカー/ハッチバックは、大変大きな市場です。新型フィットは、登録車の販売をけん引するエースとして育てたいと考えております」

 また、売れ筋のノートや「デイズ」を販売する日産の販売店スタッフは、次のように話します。

「現行ノートは2012年に登場しています。その後、2016年に現在の販売を支える電動パワートレインのe-POWERが追加されました。実際に、ガソリン車との比較では約7割がe-POWER車を選んでいるようです。

 一方で軽自動車の「デイズ」も好評です。e-POWER車の設定はありませんが、セレナやエクストレイルなどに搭載している先進安全技術「プロパイロット」を軽自動車初採用するなど、安全や運転支援の部分で好評頂いております。

 当店では、e-POWERやプロパイロットのような先進技術がお客さまから評価され販売に繋がっているのだと思います」

 最近では、上級モデルに採用される技術がコンパクトカーよりも先に軽自動車へ採用される例も増えており、益々コンパクトカーというジャンルの存在意義が危ぶまれる声も出ているようです。

 しかし、前出の商品企画担当者は、次のようにも話します。

「ハッチバックタイプのコンパクトカーは無くならないと思います。確かに、軽自動車の性能向上やミニバン・SUVのダウンサイジングなどさまざまな面で、コンパクトカー市場に影響が出てはいます。

 しかし、それと同時にユーザーのニーズも細分化され、ハッチバックを望むユーザーも一定数存在するので、今後コンパクトカーは存在し続けるのではないでしょうか」
 
※ ※ ※

 細分化し続ける国内市場。ユーザーのニーズが多くなるどそのジャンルはさらに増えてしまうのかもしれません。

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みんなのコメント

24件
  • 「あれもこれも付けて」で乗り出しの軽と、「あれとこれはいらない」で乗り出しのコンパクトカーとで同じぐらいの支払いになるなら………軽かな?
    ですが、内装の部品の装着の仕方やシートの作りなど細かな造り込みは小型車のほうに感心することが多い自分です。
    いろいろ登場して楽しいコンパクトカーの市場になって欲しい。
  • 車に寄ってたかってあらゆる税という形で金を貪り取ろうとする政府の方針にせめてもの大衆の抵抗の表れだよ。海外ではありえない13年オーバーの車に差別的理由の不明瞭な乏しい割り増し税やその考え方を二輪車にまで適用している馬鹿げた官僚や歳費だけが目的の政治屋たちを弾劾すべきだと思うが日本人は従順すぎると。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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