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厳しい「音量規制」で「パワーアップ」も困難! 自動車カスタムの定番「マフラー交換」のいま

掲載 更新 148
厳しい「音量規制」で「パワーアップ」も困難! 自動車カスタムの定番「マフラー交換」のいま

 排気音量は年々厳しくなる傾向にある

 エンジンのパワーアップ、チューニングの第一歩としてスポーツカーから、SUV、ミニバン、軽自動車にまで定着しているマフラー交換。

ノーマルでも爆音気味のスーパーカーは車検に通るのか?

 パワーアップの要諦は、エンジンへの吸入空気量を増やすことであり、排気効率がよくなって、エキゾースト系の抜けがよくなれば、エンジンは混合気を吸い混みやすくなり、パワーアップにつながるというのが排気系チューンの原理。

 排気効率を上げるには、マフラーのメインパイプを太くしたり、配管の曲がりを少なくしたり、サイレンサー内の構造を見直して排気抵抗を少なくするのが一般的。一方で、マフラーとはズバリ消音器のことであり、排気効率と消音効果は基本的にトレードオフの関係にある。近年、保安基準の音量規制は厳しさを増す一方で、2018年11月以降、新車時の近接排気騒音は、

・車両後部にエンジンを有するもの(MR/RR)=95dBまで ・車両後部にエンジンを有するもの以外(FF/FR/フロントエンジンの4WD)=91dBまで

となっていて、車検証にその車種ごとの具体的な数字が明記されている。そしてアフターパーツのマフラーに交換する場合は、「新車時の近接排気騒音(車検証などに記載)に5dBを加えた値以下であること」(平成28年騒音規制)というのがルールだ。

 EVやハイブリッドが普及して音量の大きさがもっと目立つように

 音量は、そのままエネルギーの大きさでもあり、マフラー交換でパワーアップするのなら、マフラーの抵抗を減らし(=音量大)、性能向上を図るのが定番だった。しかし上記の音量基準はかなり厳しく、保安基準内に収めるにはノーマルマフラーから音量を上げる余地はほとんどないのが実情。

 たとえば、トヨタのGRスープラなどは、ノーマルエンジン・ノーマルマフラーでも、保安基準ギリギリの音量だったりする。おまけに最近ではサーキットでも、「ナンバー付き登録車両は、保安基準に適合する音量を遵守」というルールを採用しているところが多く(例:筑波サーキットなど)、公道以外でも音量の上限に関しては容赦ない!?

 さらに、ハイブリッド車やEVが普及してきたこともあり、街なかを走るクルマが平均的に静かになり、住宅地や朝夕の時間帯により静かなクルマ、より静かなマフラーが好まれる傾向が増している……。

 こうした実情を踏まえ、マフラーメーカー各社では排気抵抗を減らしつつ消音効果を上げるために、新しい消音材を開発したり、サイレンサーの容量を増やしたり、構造に工夫を凝らすことで保安基準をクリアしながら、排気効率を高めてパワーアップを可能にする新しいマフラーを開発。

 同時に材料置換による軽量化やリヤビューのドレスアップ、そして音量より音質にこだわったマフラー作りに力を入れているところなので、こうした新しいマフラーを選べば、今でもマフラー交換のメリットは十分ある。

 そうした工夫のなかには、触媒の直後のフランジ部にモーターで開閉できるバルブを設け、任意に音量を調整できるECV(エキゾーストコントロールバルブ)などもあり、このECVもメジャーになりつつある注目のアイテム(ECVだけ後付けするタイプもある)。ちなみに2010年4月1日以降に製造されたクルマの場合、インナーサイレンサーなどの消音器の取付は禁止となっているので要注意。

 これからは大音量のサウンドを楽しむことはNGとなりそうだが、限られた音量のなかでも、オリジナルの音質やパワーアップ、ドレスアップといったマフラー交換の魅力そのものは失われることはないだろう。

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みんなのコメント

148件
  • プリウスとかアクアに社外マフラーを入れてる奴、明らかにアホ
  • 時代の流れでしょうね。個人的にはつまらないと感じますが流れには逆らえません。サーキットでも十数年前から音量規制でした。当時はマニ、フロントパイプ、マフラーの組み合わせでいかに好みの音を出すか試行錯誤していた時代が懐かしいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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