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大排気量NA+MTに乗るなら最後! 現行フェアレディZしか得られない魅力とは

掲載 更新 83
大排気量NA+MTに乗るなら最後! 現行フェアレディZしか得られない魅力とは

新型登場間近 だからこそ衆目を集める現行フェアレディZ

 2020年の夏の終わりに、次期モデルのプロトタイプモデルが公開された日産「フェアレディZ」。先日はSNSなどで市販仕様と目されるスクープ写真も出回ったが、正式に発表されるのは早くても今年秋以降となると思われる。

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 400psオーバーのV型6気筒3.5Lターボ。つまり「スカイライン400R」に積むものを流用するようだが、400RにはないMTをドッキングするのがホットトピックだ。おそらく、モーターを組み合わせないガソリンエンジンだけの本格スポーツカーは日産として最後のモデルとなるだろう。

 さて、そんな新型へのカウントダウンがはじまった今だからこそ、今回はあえて現行モデルの「Z34」に注目。その魅力に迫る。

6代目の現行Z34はロングセラーモデル

 デビューは2008年12月。気が付けば12年以上も前である。

 まずはクローズドボディが発売され、約2年後となる2009年10月には電動ソフトトップを備えた「ロードスター」も追加。ただし、日本向けのロードスターは2014年9月までの受注を以って生産を終了している。

マニュアルミッションが残る希少なモデル

 そんなZ34型フェアレディZ(以下「Z34」)の注目すべきポイントはまず、日産における本格スポーツカーとしては唯一、マニュアルトランスミッション(MT)が選べることだ。

 日産を代表するスポーツカーの「GT-R」にはMTがないし、手頃なスポーツカーの「マーチNISMO S」はマニュアルで走りが超絶楽しいのは認めるけれど、やっぱりZとはスポーツカーとしての方向性がかなり異なる。マーチNISMO Sには“後輪駆動”という記号性がないのも残念なところだ。

 Z34に組み込まれるギヤボックスは6速で、ベースグレード(397万9800円)、「バージョンS」(484万8800円)、「バージョンST」(519万8600円)、そして「NISMO」(640万9700円)と多くのグレードに設定されている。「バージョンS」に至ってはMT専用グレードなのだからMT好きとしては嬉しい限りだ。

 また、ベースグレードの400万円を切る価格は、今となってはリーズナブルといえるプライスタグ。ターボの有無や装備水準が違うとはいえ、同じプラットフォームにV6エンジンを組み合わせるセダンである「スカイライン」のベーシックグレードの価格が435万3800円といえば分かるだろう。比べてみてもZ34は比較的手の届きやすい価格と言えるのだ。

NISMOバージョンや自然吸気の魅力的なエンジンサウンド

 もうひとつ、Z34の魅力と言えるのが「フェアレディZ NISMO」の存在だ。スーパーGTなどレースに参戦する車両からインスピレーションを受けたデザインは前後のリフトバランスを最適化し、風の流れを味方につける空力特性が魅力。さらに心臓となるエンジンはチューニングを受けて標準モデルから19psアップの355psを達成。よりハイレベルな走りを目指した味付けのサスペンションも注目ポイントだ。

 この「フェアレディZ NISMO」は高速道路用のパトカーとして警視庁にも導入されている。

 そんなZ34の、次期モデルが見えてきた今だからこそいえるもうひとつの魅力が、大排気量高出力の自然吸気エンジンだということ。現時点で入っている情報だと、次期フェアレディZはターボエンジンだけの設定だけになるようだ。たしかに次期Zに搭載されると目されるターボ付きのVR30DDTTエンジンは高回転の吹け上がりやパワーの盛り上がりも含めて刺激的で文句の付け所のないエンジンではあるが、Z34が積む自然吸気のVQ37VHRエンジンのビート感やレスポンスの気持ちよさもまた捨てがたい魅力。自然吸気のフィーリングを所有するなら、次期モデルではなく現行のZ34しかないのだ。

 次期モデルへのカウントダウンが始まった今、そんなZ34が買えるのに残された時間はない。自然吸気のZを新車で乗ろうというなら、そろそろ真剣に悩んだほうがいいかもしれない。

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