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80年代の地味アウディが2000万円! 4WD世界最高速記録を樹立した「5000 CS クワトロ スピードレコード プロトタイプ」とは

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80年代の地味アウディが2000万円! 4WD世界最高速記録を樹立した「5000 CS クワトロ スピードレコード プロトタイプ」とは

4WDの世界最高速記録を樹立した金字塔

2025年2月6日、ボナムズがフランスで開催した「Les Grandes Marques du Monde à Paris」オークションにおいてアウディ「5000 CS クワトロ スピードレコード プロトタイプ」が出品されました。アメリカで宣伝しようと思ったアウディは、世界速度記録への挑戦。サーキットにおける4WD車の最高速記録を書き換えることで、そのスポーツ性を広く伝えようと計画しました。その記録に挑戦したプロトタイプを紹介します。

「F40キラー」の異名をもつアウディが1億円オーバーで落札!「スポーツ クワトロ」はどうして「別格」扱いなのか?

エアロダイナミクスを得るために徹底的に改良した

さまざまなカテゴリーで積極的なモータースポーツ活動を続けるアウディだが、やはりその中でも最も象徴的なものといえば、WRC(世界ラリー選手権)での活躍ということになるのではないだろうか。

4WDの駆動方式を採用したクワトロでの活躍によって得た成功は、ヨーロッパではアウディのモータースポーツに対する名声を少なからず高めていたが、彼らが輸出市場として大きな成功を狙うアメリカでは、その影響はきわめて小さなものだった。

そこでアウディが企画したのが、よりダイレクトに宣伝効果を生み出すことが期待できる世界速度記録への挑戦。サーキットにおける4WD車の最高速記録を書き換えることで、そのスポーツ性を広く伝えようと計画したのだ。

この記録挑戦のために選ばれたモデルはアウディ 5000、ヨーロッパではアウディ100として販売されていた4ドアサルーンだった。そのスタイルは写真からもベースとなった5000から大きく変化していないかのようにも思われるが、アウディのモータースポーツ部門はそのエクステリアのディテールを、より高性能なエアロダイナミクスを得るために徹底的に改良。アウディ5000はそもそもCd値で0.30という空気抵抗係数を誇るモデルであったから、ここからさらなるアドバンテージを生み出すために、チームが施したエンジニアリングは、モータースポーツの世界から受け継がれた経験に基づくものであった。

アウディ 5000、正確にはベース車のアウディ5000CSが搭載していたエンジンは、2.2Lの直列5気筒ターボだったが、こちらも大幅な改良と強化が施され、その最高出力は650psというから、ベースユニットの4倍以上にも及ぶ性能を叩き出すことに成功した。組み合わされたトランスミッションは5速MT。駆動方式はもちろんアウディ自慢のクワトロ、すなわちフルタイム4WDである。

タラテガ・スピードウェイで332.007km/hを記録

1986年3月24日。ついに最高速テストの日が訪れた。その舞台となったのは、アメリカのアラバマ州タラテガにある、タラテガ・スピードウェイ。ドライバーはインディ500で3回の優勝を飾った実績を持つボビー・アンサー。彼ならば、この世界一危険なサーキットとも称されるタラテガで、最高速記録を樹立してくれることは確実だろう。

そして彼は見事に、46秒でこのオーバル・サーキットを周回し、332.007km/hという最高速記録を実現した。彼によれば、車速が320km/hを超えてもなお、アウディの4WD技術によって車体は路面に釘付けになっているかのような印象を受けた。

その後このプロトタイプは、アメリカでタイヤテスト用の車両として使用された後、ドイツのインゴルシュタットにある本社へと戻される。ここを訪ねたアウディV8のカスタマーが、たまたまアウディのモータースポーツ用エンジンの開発に携わってきたヴェルナー・ラウレンツ博士と交流を持ったことが、それを売却する大きなきっかけとなった。

今回ボナムズが提示した予想落札価格は10万ユーロ~20万ユーロ(邦貨換算約1650万円~3300万円)。オークションでは12万750ユーロ(邦貨換算約1935万円)での落札という結果になった。落札者は、まさにアウディの進化の歴史、その記念すべき節目を手にしたことになる。

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みんなのコメント

4件
  • ffz
    近年の輩アウディよりも「エアロダイナミクス」を重視した先進的な設計の、この時代のほうが好感持てる。
  • エガちゃんねらー
    なんかシブくてイイねえ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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