クラス優勝を果たしたウーズレー3.5hp
1900年4月に英国で開催された、1000マイル・トライアル。ロンドンを出発した83台は、グレートブリテン島北部のエディンバラへ辿り着くまでに51台に減っていた。試作のようなクルマが、未舗装の道を走ったことを踏まえれば、かなりの残存数といえる。
【画像】126年前の生き証人 3.5hp ヴォワチュレット 同年代のクルマたち 後のウーズレーも 全112枚
ロンドンへ南下する途中で16台が脱落し、完走は35台。英国の新聞、デイリー・メール紙は賞金として1台毎に10ポンドを贈っている。メーカー・カテゴリーで優勝したのはデイムラー。ウーズレー3.5hp ヴォワチュレットは、その中のクラス優勝を果たした。
この1000マイル・トライアルは、自動車の魅力を認知させることへ、大きく貢献したことは間違いない。同時に、当時のAUTOCARは「自動車がいかに汚いものかという印象を、人々へ残したようです」。とも伝えている。
馬車が通る雨がちな道を、複数のオープンカーで競うのだから、ドライバーは泥だらけになったはず。その後にクルマは飛躍的に進化し、服が汚れることもなくなったが。
独自開発の1.3L単気筒 高品質を重視
不思議なことに、ウーズレーの上層部は自動車製造への進出に否定的だった。クラス優勝を遂げた翌年、1901年には事業の一部を売却。新たな体制でウーズレー・モータース社は操業し、開発を率いたハーバート・オースチン氏も一緒に移籍している。
その後、ウーズレーは20世紀初頭の英国で、自動車産業を牽引することになった。「WOL」の愛称で呼ばれる3.5hpヴォワチュレットも、第一次大戦前のウーズレーの代表作ではないとしても、技術的には印象的な内容にあった。
エンジンは独自開発の1.3L単気筒。シリンダーライナーやピストン、燃焼室などは鋳鉄製で、高品質が重視されていたことがわかる。エンジンオイルは、ダッシュボード上のサイトフィード式装置で送られる。一度の設定で、240kmは走行できたらしい。
特別な技術と理解が必要でも着実に走る
シートの下には、布製のドライブベルトを介した、3枚のギアが並んだトランスミッション・ボックス。更にファイナルギアへは、チェーンで動力が伝わる。ギザギザのゲートから伸びるレバーを横に動かすと、ギアが選べる。ニュートラルとリバースもある。
アクセルペダルはなく、スロットルレバー。ステアリングホイールはなく、ダッシュボード中央にステアリングレバーが据えられている。ブレーキにはペダルがあり、30インチ・スポークホイール内に固定されたリムとシューで制動力を生む。
高圧コイルの点火タイミングを目一杯遅らせ、スロットルレバーを中間に。クランク棒を素早く回し、イグニッションをオンにすれば、エンジンが目覚める。
試乗場所は、グレートブリテン島中部、ゲイドンにある英国自動車博物館の周辺。WOLは現在、ここに展示されているからだ。この年代のクルマの場合、特別な技術と理解が必要。メーカーによって、操縦方法は異なる。それでも、着実に走ってくれる。
開発者の意欲と未来への想いに共感する
点火タイミングを少し早め、スロットルレバーは中央のまま、サイドブレーキを解除。長いシフトレバーを1速に入れれば、ジョギング程度のスピードまで加速できる。さらに2速へ押し込む。単気筒エンジンは、メトロノームのようなビートを刻む。
充分に速度を乗せるには、シフトレバーへ力を込め、重さでドライブベルトの摩擦を稼ぐ必要がある。3速で、クルマらしい速度に到達。エンジンの回転数は、1000rpmに達していないだろう。
サスペンションは、馬車へ準じたリーフスプリング。乗り心地は褒めにくい。ステアリングレバーの反応は曖昧。マンホールを通過しても、キックバックが伝わらないほど。それでも、安定性には唸ってしまう。数年後のモデルより、優れていたはず。
エンジンの時代が終わろうとしている2025年に、黎明期のクルマを走らせる。技術は未熟で、運転方法は不自然でも、開発者の意欲と未来への想いに共感し、気持ちが高ぶる。125年前、クルマへ懐疑的だった英国人の目からは、ウロコが落ち始めていた。
協力:英国自動車博物館、スティーブン・レイン氏、ロンドン・ブライトン・ベテランカー・ラン、ジョナサン・ギル氏
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