現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【動画付き】乗ってわかったジープ「ラングラー」が売れまくっている理由

ここから本文です

【動画付き】乗ってわかったジープ「ラングラー」が売れまくっている理由

掲載 更新 22
【動画付き】乗ってわかったジープ「ラングラー」が売れまくっている理由

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

「ラングラー」はジープの伝統を継承し、進化されてきた唯一無二の存在だ。そのスタイリングデザインは、1940年代の初代ウイリス・ジープの流れを今でも受け継いでいる。独立したフロントフェンダー、その内側にある丸型ヘッドライト、左右ライトの間にある縦長グリルは当時からのものだ。

オンロードからオフロードまで気ままに冒険が楽しめる“ヨンヒャク・アドベンチャー”。ホンダのアドベンチャーモデル「400X」

 しかし、その中味は大幅に進化している。とくに2018年10月に全面改良された現行モデルは、これまでの「ラングラー」とは完全に一線を画すモデルとして認知された。最新モデルは、それまでのV6、3.6ℓ改良型ガソリンエンジンに加え、新開発の直列4気筒2ℓガソリンターボを追加した。

同時にドアパネル、フェンダー、ウインドシールドフレームにアルミニウムを、リアのゲートの骨格部分や内側パネルにはマグネシウムを用いることで、車両重量の軽減化を実現したのだ。とはいっても試乗した「アンリミテッド・サハラ2.0ℓ」で車重は1960kgもある。取り外しできる前席の天井は、左右別々にワンタッチで脱着できるようになり、取り付け箇所の雨漏れ対策も強化された。室内の快適性は前後席ともに大きく向上している。

 プッシュボタンのエンジンスターター、ドアノブに触れるだけで施錠開錠ができるキーレスエンター、テレスコとチルト機能付きのハンドル、フルカラーの7インチマルチビューディスプレイなどは「ラングラー」史上初の装備だ。安全装備も後退時の後方視界を補助するリアバックカメラやパークアシストも標準装備となっている。

 試乗していてラクだったのは、このリアビューカメラに加えて、最小回転半径が従来型よりも大幅に小さくなったことだ。「アンリミテッド サハラ」で6.2m(従来型7.1m)にまで縮小されたのだ。パワーユニットは直列4気筒の2ℓガソリンターボ。エンジンルームはボンネット横のフックを左右2か所外すだけで開閉できる。2ℓターボは2000回転あたりからトルクが盛り上がり、5500回転まで実用域。4000回転をオーバーするとエンジン音が高まってくる。

 そして、オンロードでの走行性能はかなり速い。Dレンジでの0→100km/hの加速は6秒台。このクラスのクロカン4WDとしてはトップレベルを誇る。高速走行時のハンドリングもやや重めで、どっしり感がある。ワインディングではフラつくことなく、一定のスピードを保って走り抜けることができる。このハンドリング性能はこれまでの「ラングラー」と比べても群を抜いている。

 4×4システムは、従来のパートタイム4×4に加え、「ラングラー」史上初となるフルタイムオンデマンド4×4を採用。「4H AUTO」モードを備えるサブ変速機が用意された。路面や天候状況に応じて駆動力を自動的に前後輪に配分する。「4H パートタイム」「4L」モードではセンターデフロックが可能。

試乗したトマムリゾートの雪道では「4H AUTO」モードを多用したが、閉鎖されたスペシャルステージで他のモードも試してみた。「4H AUTO」モードでは、積雪のあるところでも走破性は高く、安心感がある。試しに「2H」にシフトしてみたが、瞬時に後輪が空転し、車両が不安定に陥ってしまった。それをハンドル操作で立て直そうとしたところ、車両重量2tのクルマということもあり至難の業だった。

 一方、「4Hパートタイム」では強力なトラクションがかえって禍いし、安定性に欠けてしまう。この時も車重がネックになった。この走破性の難しさの一因は、装着されていたタイヤにある。ノーマルのオールテレインLT255/70R16だったのだ。約半日、トマムリゾートの雪の中で「ラングラー アンリミテッド」を運転したが、ここでわかったのは、このクルマは雪でなく、泥や岩場、荒地のほうが似合うし、楽しく走ることができるということだった。

 統計によると「ラングラー」は2009年には年間輸入販売台数がわずか516台だった。それから毎年、前年比を上回るようになり、2020年には5757台を記録しSUV・Dセグメントで1位になった。しかも、2位のメルセデス・ベンツ「GLC」を約1500台離して、ダントツの1位に輝いたのだ。この不思議な魅力を持つベストセラーSUVに一度でいいから試乗してみてほしい。きっと、クルマの新しい世界が見えてくるはずだ。



■関連情報
https://www.jeep-japan.com/wrangler-jl.html

文/石川真禧照  撮影/佐藤靖彦

こんな記事も読まれています

シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
グーネット
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
グーネット
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
グーネット
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
グーネット
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
グーネット
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
グーネット
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
グーネット
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
ベストカーWeb
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

22件
  • 他のSUVと違って、ワイルド感で売れてるんだと思う、都会派SUVはいっぱいあるから、余計存在感がある
  • どのAWDも雪道は同じで万能ではないですよ。ヘビー志向のラングラー、ランクル、パトロール、ジムニーだって岩場や泥濘地なら機能発揮するが、雪道じゃどれも同じで難儀するもの。自動車評論家なら常識の範囲ではないですか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

799.0905.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.01768.0万円

中古車を検索
ラングラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

799.0905.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.01768.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村