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エンジン車が電気自動車を逆転する可能性。グレタさんに教えてあげたい「CCUS」とは?

環境負荷に対する影響や温暖化議論の是非はともかく、CO2(二酸化炭素)の排出量を削減することは世界の共通認識となっています。一時は政治的な動きが中心でしたが、とくに2019年、グレタ・トゥーンベリさんが国連気候アクションサミットで演説してからは、ポピュリズム的にもCO2排出減が大きな課題として認識されるようになってきたといえます。

クルマ業界でいえば「もうエンジン(内燃機関)には先がない」といったムードが高まっています。製造から廃棄までを含めて考えるとCO2排出量はEVでもエンジン車でもさほど変わらない(車齢が短いとむしろEVが不利)といった主張も見かけますが、グレタさんの刺激的な演説には焼け石に水、エンジン車は消え去るのみといった雰囲気さえあります。

しかし、炭化水素の液体燃料(ガソリンや軽油もその一種)を使うエンジン車が消えることはないかもしれません。そのために覚えておきたいのが「CCUS」という言葉です。これは「カーボン・キャプチャー・ユーティリゼーション・ストレージ」の頭文字をとったもので、直訳すると「炭素・回収・利用・貯留」となります。大気中の二酸化炭素を回収して、利用したり、貯留したりすることで、CO2濃度を減らそうという試みです。しかも、夢物語ではなく、日本では経済産業省が中心となってCCUSを推進しています。この技術が実現すれば、エンジン車はなくならないばかりか、大気中の二酸化炭素がそのままエネルギーになるという時代がやってきます。

たとえば、CCUSにおけるCO2の利用においてはドライアイス(二酸化炭素を冷却して凝固させたもの)などにするといった直接利用も考えられていますが、メインは「カーボン(炭素)リサイクル」です。大気から回収したCO2を利用して化学品を作ったり、燃料を生み出したりすることが考えられています。再生可能エネルギーによる発電(太陽光や風力)で余った電力を水素に変換して溜めておく水素社会というアプローチもありますが、CO2回収によって得た炭素と水素から炭化水素の液体燃料、いわゆる人工燃料を生み出すことも研究されています。

経済産業省が出しているロードマップでは、自動車用ではなく航空機用のジェット燃料がターゲットとなっていますが、2030年での目標コストはリッターあたり100~200円といいますから、現在の化石燃料ベースのジェット燃料と価格的に同等レベルを目指しています。カーボンリサイクルによる生産コストが実用的になるということは、投入エネルギーよりも大きな燃料が生み出せるということですし、また大量生産を前提としていることは間違いありません。

もし、カーボンリサイクルによって人工ガソリンが製造されたとしたら、完全にカーボンフリーですから環境負荷や気候変動といった視点からのCO2排出量は気にしなくていいことになります。そうなると、バッテリーの製造・リサイクル・廃棄にコストのかかるEVよりも、シンプルな構造のエンジン車が再評価されることになるかもしれません。もっとも、都市部での大気汚染の問題も無視できませんから、排ガス処理能力についてはさらなるレベルアップが必要なのではありますが。

というわけで、内燃機関が大好きというなら「CCUS」に関わる企業や組織、研究者を応援することで、その大好きなエンジンを思い切り楽しめる未来がやってくるかもしれません。CO2の回収段階からして課題は山積みですが、「CCUS」という言葉が自動車ファンの常識であり、共通認識となっていくのではないでしょうか。

※写真について(写真:アウディAG)
1、2枚目:アウディの推進する炭酸ガスの再利用計画で、二酸化炭素からガソリンやディーゼル(軽油)の代替となる炭化水素燃料を合成する。

3枚目:アウディによる、合成燃料(eガス)の製造イメージ例。CO2と水素を反応させると、天然ガスの主成分となるCH4(メタン)と副産物の水ができる。

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