現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > エンジン車が電気自動車を逆転する可能性。グレタさんに教えてあげたい「CCUS」とは?

ここから本文です

エンジン車が電気自動車を逆転する可能性。グレタさんに教えてあげたい「CCUS」とは?

掲載 更新 29
エンジン車が電気自動車を逆転する可能性。グレタさんに教えてあげたい「CCUS」とは?

環境負荷に対する影響や温暖化議論の是非はともかく、CO2(二酸化炭素)の排出量を削減することは世界の共通認識となっています。一時は政治的な動きが中心でしたが、とくに2019年、グレタ・トゥーンベリさんが国連気候アクションサミットで演説してからは、ポピュリズム的にもCO2排出減が大きな課題として認識されるようになってきたといえます。

クルマ業界でいえば「もうエンジン(内燃機関)には先がない」といったムードが高まっています。製造から廃棄までを含めて考えるとCO2排出量はEVでもエンジン車でもさほど変わらない(車齢が短いとむしろEVが不利)といった主張も見かけますが、グレタさんの刺激的な演説には焼け石に水、エンジン車は消え去るのみといった雰囲気さえあります。

しかし、炭化水素の液体燃料(ガソリンや軽油もその一種)を使うエンジン車が消えることはないかもしれません。そのために覚えておきたいのが「CCUS」という言葉です。これは「カーボン・キャプチャー・ユーティリゼーション・ストレージ」の頭文字をとったもので、直訳すると「炭素・回収・利用・貯留」となります。大気中の二酸化炭素を回収して、利用したり、貯留したりすることで、CO2濃度を減らそうという試みです。しかも、夢物語ではなく、日本では経済産業省が中心となってCCUSを推進しています。この技術が実現すれば、エンジン車はなくならないばかりか、大気中の二酸化炭素がそのままエネルギーになるという時代がやってきます。

たとえば、CCUSにおけるCO2の利用においてはドライアイス(二酸化炭素を冷却して凝固させたもの)などにするといった直接利用も考えられていますが、メインは「カーボン(炭素)リサイクル」です。大気から回収したCO2を利用して化学品を作ったり、燃料を生み出したりすることが考えられています。再生可能エネルギーによる発電(太陽光や風力)で余った電力を水素に変換して溜めておく水素社会というアプローチもありますが、CO2回収によって得た炭素と水素から炭化水素の液体燃料、いわゆる人工燃料を生み出すことも研究されています。

経済産業省が出しているロードマップでは、自動車用ではなく航空機用のジェット燃料がターゲットとなっていますが、2030年での目標コストはリッターあたり100~200円といいますから、現在の化石燃料ベースのジェット燃料と価格的に同等レベルを目指しています。カーボンリサイクルによる生産コストが実用的になるということは、投入エネルギーよりも大きな燃料が生み出せるということですし、また大量生産を前提としていることは間違いありません。

もし、カーボンリサイクルによって人工ガソリンが製造されたとしたら、完全にカーボンフリーですから環境負荷や気候変動といった視点からのCO2排出量は気にしなくていいことになります。そうなると、バッテリーの製造・リサイクル・廃棄にコストのかかるEVよりも、シンプルな構造のエンジン車が再評価されることになるかもしれません。もっとも、都市部での大気汚染の問題も無視できませんから、排ガス処理能力についてはさらなるレベルアップが必要なのではありますが。

というわけで、内燃機関が大好きというなら「CCUS」に関わる企業や組織、研究者を応援することで、その大好きなエンジンを思い切り楽しめる未来がやってくるかもしれません。CO2の回収段階からして課題は山積みですが、「CCUS」という言葉が自動車ファンの常識であり、共通認識となっていくのではないでしょうか。

※写真について(写真:アウディAG)
1、2枚目:アウディの推進する炭酸ガスの再利用計画で、二酸化炭素からガソリンやディーゼル(軽油)の代替となる炭化水素燃料を合成する。

3枚目:アウディによる、合成燃料(eガス)の製造イメージ例。CO2と水素を反応させると、天然ガスの主成分となるCH4(メタン)と副産物の水ができる。

こんな記事も読まれています

将来のスポーツカー開発を視野に入れた取り組みも。マツダが2024年スーパー耐久参戦体制を発表
将来のスポーツカー開発を視野に入れた取り組みも。マツダが2024年スーパー耐久参戦体制を発表
AUTOSPORT web
「海外生産の日本車って大丈夫?」なんて心配いまは無用! それでも国内販売で苦戦する理由とは
「海外生産の日本車って大丈夫?」なんて心配いまは無用! それでも国内販売で苦戦する理由とは
WEB CARTOP
雨の混乱の中、ノリスが驚異の走りでポール! ハミルトンが2番手、角田裕毅はSQ1敗退|F1中国GPスプリント予選
雨の混乱の中、ノリスが驚異の走りでポール! ハミルトンが2番手、角田裕毅はSQ1敗退|F1中国GPスプリント予選
motorsport.com 日本版
全部当てはまったら「クルマ好き老害」認定! ついついやりがちな「他人に煙たがられる」カーマニアの行動7つ
全部当てはまったら「クルマ好き老害」認定! ついついやりがちな「他人に煙たがられる」カーマニアの行動7つ
WEB CARTOP
質実剛健に原点回帰 トヨタ新型「ランドクルーザー250」ついに発売!“丸目”限定モデルも登場
質実剛健に原点回帰 トヨタ新型「ランドクルーザー250」ついに発売!“丸目”限定モデルも登場
乗りものニュース
4月20~21日開催の岩佐歩夢プロデュース「スーパーフォーミュラキャラバン」、Q&Aセッションなどキッズ向け新コンテンツが追加
4月20~21日開催の岩佐歩夢プロデュース「スーパーフォーミュラキャラバン」、Q&Aセッションなどキッズ向け新コンテンツが追加
motorsport.com 日本版
ホンダ、N-VANをマイナーチェンジ 一部仕様に急アクセル抑制機能を追加
ホンダ、N-VANをマイナーチェンジ 一部仕様に急アクセル抑制機能を追加
日刊自動車新聞
トヨタ新型「ランドクルーザー250」発売! 価格は520万円から 注目の“丸目ライト” ZX「ファーストエディション」は計8000台の限定販売
トヨタ新型「ランドクルーザー250」発売! 価格は520万円から 注目の“丸目ライト” ZX「ファーストエディション」は計8000台の限定販売
VAGUE
15年ぶりの全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売! 限定“丸目”仕様が高人気か!? 待望の「人気車」に反響集まる!
15年ぶりの全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売! 限定“丸目”仕様が高人気か!? 待望の「人気車」に反響集まる!
くるまのニュース
トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
レスポンス
ピレリ、ポルシェ・タイカン用に2種の新しい承認タイヤを開発! P ZERO タイヤでEVの特性に適したELECTのレンジを拡大!
ピレリ、ポルシェ・タイカン用に2種の新しい承認タイヤを開発! P ZERO タイヤでEVの特性に適したELECTのレンジを拡大!
LE VOLANT CARSMEET WEB
人間の心の闇に踏み込んだ衝撃のアンチモラル・ロマンス『マンティコア 怪物』
人間の心の闇に踏み込んだ衝撃のアンチモラル・ロマンス『マンティコア 怪物』
バイクのニュース
NEDOと東京都、水素エネルギーで未来を紡ぐラッピングバス運行開始
NEDOと東京都、水素エネルギーで未来を紡ぐラッピングバス運行開始
レスポンス
ニヤケテールがいいじゃないか!スカイラインに対決を挑んだ「二代目コロナ・マークII」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第45回
ニヤケテールがいいじゃないか!スカイラインに対決を挑んだ「二代目コロナ・マークII」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第45回
LE VOLANT CARSMEET WEB
F1中国GPスプリント予選速報|雨の中ノリス最速! ハミルトン2番手で母国戦の周がSQ3進出。RB角田裕毅は19番手
F1中国GPスプリント予選速報|雨の中ノリス最速! ハミルトン2番手で母国戦の周がSQ3進出。RB角田裕毅は19番手
motorsport.com 日本版
ダイハツ、ムーヴキャンバスとロッキー/ライズHVの出荷停止が解除 現行モデルすべての試験完了
ダイハツ、ムーヴキャンバスとロッキー/ライズHVの出荷停止が解除 現行モデルすべての試験完了
日刊自動車新聞
アクティブの「ラウンド/ストレートオイルクーラーキット」がリニューアルして登場
アクティブの「ラウンド/ストレートオイルクーラーキット」がリニューアルして登場
バイクブロス
日産、2023年度決算見通しを下方修正 販売計画に届かず サプライヤー関連費用も拡大
日産、2023年度決算見通しを下方修正 販売計画に届かず サプライヤー関連費用も拡大
日刊自動車新聞

みんなのコメント

29件
  • 17の小娘には理解できない技術だと思う。
  • 良いですね
    そんな技術が研究されているなんて
    いずれにしても地球環境第一
    それに今の環境では何処の国を取っても火力発電に頼っている国がほとんど
    特に日本の様に電力会社在りきって図式が気に入らない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村