ナイキの3Dプリント「エア マックス 1000」はエコで機能的な未来の新定番？──GQ新着スニーカー

シームレスでレースレス、妥協のないシルエットがランニングシューズ界に新時代の到来を告げる。

ナイキが「エア マックス 1000 “Oatmeal”」をリリースする。

この新作は、ランニングシューズどころか、この惑星のものであるようにさえ見えない。それでも人工物であり、意思表示でもある。そしておそらく、未来のランニングシューズに向けた最初の一歩なのだろう。2025年に発売されるとは信じがたい先進的な美的感覚だが、実際にこの夏に登場する。

伝統的なスニーカーよりも工業デザインを彷彿とさせる「エア マックス 1000」は、ゼラーフェルド社の3Dプリント技術によって生み出された。ステッチされたパネルもなければ、接着剤も使われていない一体成型だ。

かかとには半透明のレッドの可視化されたエアユニットを搭載し、ナイキの伝説的なデザイナーであるティンカー・ハットフィールドの偉業との繋がりも感じさせるが、その他は未知の領域だ。立体的なメッシュのアッパーから多方向に広がるトラクションパターンが刻まれたアウトソールまで、すべてが未来志向でデザインされている。

アッパーは落ち着いた単色ながらわずかに光沢があり、技術的な正確さが際立つ格子模様を施した。軽量で通気性に優れ、デジタル構造により靴下のように足に馴染む。ヒールには靴紐の代わりに、技術力が光る小さなタブが付いている。

しかし、重要なのはデザインだけではない。「エア マックス 1000」は、靴の製造方法の変化をも象徴している。3Dプリントによって材料の無駄を劇的に削減、さらには汚染を引き起こす工程を排除し、各地で生産できるようになった。今回は“Made in Germany”のマークが付けられ、より徹底した管理下で、エコかつカスタマイズしやすいスポーツ用品製造の新しいあり方を示唆している。

「エア マックス 1000 “Oatmeal”」は今夏、ナイキと一部小売店にて200ユーロ（約3万3000円）以上で発売と予想される。日本での展開は現時点で未確認。

From GQ Spain

By Néstor Parrondo
Translated and Adapted by Ryo Todoriki