現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 欧州グリーン制作より以前から進めてきたランボルギーニのカーボンニュートラル活動はすでに10周年

ここから本文です

欧州グリーン制作より以前から進めてきたランボルギーニのカーボンニュートラル活動はすでに10周年

掲載 1
欧州グリーン制作より以前から進めてきたランボルギーニのカーボンニュートラル活動はすでに10周年

オンバランス・カーボンニュートラル認証取得から10年

2025年、ランボルギーニはサンタアガタ・ボロネーゼの生産拠点におけるオンバランス・カーボンニュートラル認証取得から10周年を迎えます。ランボルギーニがこの10年間で行ってきた環境対策を紹介します。

ランボルギーニ「カウンタックLP400S」のF1GPセーフティカーが登場! ヴィンテージカーショーにミウラSVなど名車が続々登場

年間1200トンのCO2削減に貢献

オンバランス・カーボンニュートラルとは、排出削減措置を講じた後に残存かつ不可避な排出をカーボンオフセットで補償する(埋め合わせる)ことで、純排出量ゼロを達成する状態を指す。ランボルギーニは排出削減施策と世界各地での自主的なカーボンオフセットを組み合わせることで、生産拠点のカーボンニュートラルを実現した。これは2015年にサンタアガタ・ボロネーゼにある生産拠点の認証取得からはじまり、エネルギー効率の向上や技術革新など具体的な施策が年々展開され、不可避な排出に対するオフセットが継続されてきた。

オンバランス・カーボンニュートラルとは、単にCO2排出を補償することではなく、まずはそれらを体系的に監視し、削減する戦略を採ることが前提となる。ランボルギーニは過去10年間で生産拠点のCO2排出量を2014年比で49%削減した。

同社の取り組みは2010年に初の太陽光発電システムを導入したことにはじまり、その後、設備は1万5000平方メートルまで拡張された。当時としては地域最大級であり、年間200万kWh超を電力網に供給、年間約800トンのCO2削減に貢献している。同社は太陽光発電設備のさらなる拡張を予定し、倉庫エリアにおける工事が2025年末までに完了予定である。この投資により年間289万kWhの追加発電が可能となり、年間1200トンのCO2削減が見込まれ、拠点のエネルギー自立性が一層強化される。

ESG戦略の節目、2025年に初のサステナビリティ・レポート発行へ

エネルギーの効率化は建築にも及んでいる。2017年に竣工した本社ビル「Torre 1963」はLEEDプラチナ認証を獲得し、イタリア国内で当時最高スコア(100点満点中92点)を記録した。

ガス消費に関しては、2015年および2017年に導入された2基のトリジェネレーション設備(発電時の排熱を空調や給湯に用いる)により、天然ガスから電力・熱・冷熱を同時生成可能となった。これにより年間約2200万kWhの発電と、約1000トンのCO2削減を実現している。さらに、2015年にはイタリアの自動車業界で初めてバイオガスによる地域熱供給システムを導入し、年間3000MWhの熱供給と500トンのCO2削減を達成している。

2024年における生産拠点のCO2排出量は2万9849トンであった。ランボルギーニはこれを可能な限り削減することを目指しており、残存かつ不可避な排出については、認証済みのカーボンクレジットにより完全に補償されている。

2025年は、サンタアガタ・ボロネーゼ拠点のオンバランス・カーボンニュートラル認証取得の年であると同時に、ランボルギーニのESG(Environment・環境、Social・社会、Governance・ガバナンス)戦略進化において重要な転機となる、同社初の「サステナビリティ・レポート」が発行される年である。このレポートは単なる情報開示ではなく、得られた成果、進行中の取り組み、将来の目標を体系的かつ透明にまとめた、実践的なガバナンスツールとなる。内部における環境・社会・ガバナンスの各パフォーマンス監視の基盤を強化しつつ、ステークホルダーとのコミュニケーションも一層深めるものとなる。

AMWノミカタ

イタリアは欧州グリーン政策に沿って、脱炭素社会の推進を目指し、環境問題に対する取り組みが活発になっている国のひとつである。モビリティ分野に関しては、鉄道の電化・高速鉄道網の整備の推進、都市内の低排出ゾーン(ZTL)の拡大やシェアモビリティの支援、EV購入補助金やハイブリッド車への税制優遇、2035年以降の内燃機関車(ICE)の新車販売禁止に向けた法整備などが現在行われている。

2019年に欧州グリーン政策が発表され、イタリア政府もこれに対応し、国家戦略の大幅見直しの準備を開始した。しかし、ランボルギーニは遡ること2015年にイタリアがパリ協定に署名した年からすでに本格的な環境対策を講じたことになる。

ランボルギーニ太陽光発電システムの導入は2010年とかなり早く、2015年からは天然ガスの使用に加え、イタリアの自動車業界で初めてバイオガスによる地域熱供給システムを導入している。また、工場のカーボンニュートラル化もフォルクスワーゲングループのどのブランドよりも早いことも注目に値する。ランボルギーニは、ブランド初となるバッテリー電気自動車(BEV)「ランザドール(Lanzador)」のコンセプトモデルを発表し2029年の市販化を目指しているが、ヨーロッパのEV政策が軟化している中、工場と自動車の完全EVブランド化の道に進んでいくのか否かが興味深い。

文:Auto Messe Web AMW
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

フィアット「500」にハイブリッドモデルが年内登場! EV化からわずか1年で方向転換した理由とは?【みどり独乙通信】
フィアット「500」にハイブリッドモデルが年内登場! EV化からわずか1年で方向転換した理由とは?【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
日産はなぜ「メイド・イン・チャイナ」に賭けるのか? EV「N7」の可能性と「グローバル拠点化」へ挑む28年間、大勝負の行方どうなる
日産はなぜ「メイド・イン・チャイナ」に賭けるのか? EV「N7」の可能性と「グローバル拠点化」へ挑む28年間、大勝負の行方どうなる
Merkmal
ベトナムの街角をスイスイと駆け抜ける小型EV!国民車として庶民の夢を乗せて大ヒット中【Key’s note】
ベトナムの街角をスイスイと駆け抜ける小型EV!国民車として庶民の夢を乗せて大ヒット中【Key’s note】
Auto Messe Web
なぜ日立は「車両メーカー」から脱皮するのか? 信号・制御で世界トップシェアの裏に、年平均成長率9.3%「7兆円市場」への大転換
なぜ日立は「車両メーカー」から脱皮するのか? 信号・制御で世界トップシェアの裏に、年平均成長率9.3%「7兆円市場」への大転換
Merkmal
フェラーリ「F40」が約4.6億円で落札!どこまで高騰するのか“最後のピュアフェラーリ”
フェラーリ「F40」が約4.6億円で落札!どこまで高騰するのか“最後のピュアフェラーリ”
Auto Messe Web
ランボルギーニとの共同開発を予定していたBMW「M1」の相場は約6900万円以上だったが
ランボルギーニとの共同開発を予定していたBMW「M1」の相場は約6900万円以上だったが
Auto Messe Web
欧州「ソーラー燃料」で低炭素化 EVとの共存図るスタートアップ
欧州「ソーラー燃料」で低炭素化 EVとの共存図るスタートアップ
AUTOCAR JAPAN
ホンダはなぜ「大型EV」を捨てたのか? 北米「11万台の壁」と25%関税――三重苦からの再編戦略とは
ホンダはなぜ「大型EV」を捨てたのか? 北米「11万台の壁」と25%関税――三重苦からの再編戦略とは
Merkmal
納車前に性能向上!? “おこ顔”がキュートな小型EV『ミニオグリーン』が追加開発を発表
納車前に性能向上!? “おこ顔”がキュートな小型EV『ミニオグリーン』が追加開発を発表
レスポンス
三輪の珍車「ボンド・バグ」残存台数が少なく希少性は高いが落札額は約159万円から
三輪の珍車「ボンド・バグ」残存台数が少なく希少性は高いが落札額は約159万円から
Auto Messe Web
BASFコーティングス、トヨタ モーター ヨーロッパと「Body&Paintプログラム」の開発における戦略的パートナーシップ契約を締結
BASFコーティングス、トヨタ モーター ヨーロッパと「Body&Paintプログラム」の開発における戦略的パートナーシップ契約を締結
AutoBild Japan
税関はここまで見ている! 500万円級中古車の「不正輸出」が即バレする理由
税関はここまで見ている! 500万円級中古車の「不正輸出」が即バレする理由
Merkmal
究極ツーリングワゴンBMW 「M3 CSツーリング」が全国30台限定で受注発売!
究極ツーリングワゴンBMW 「M3 CSツーリング」が全国30台限定で受注発売!
Auto Messe Web
一体なぜ? バイクにもあった「ロータリーエンジン」 クルマみたいに現存しないワケとは……
一体なぜ? バイクにもあった「ロータリーエンジン」 クルマみたいに現存しないワケとは……
バイクのニュース
“キャンピングカーの王様”フィアット「デュカト」にEVトラック版が登場! 新型「カーゴボックスBEV」が拓く、次世代バンライフの姿とは
“キャンピングカーの王様”フィアット「デュカト」にEVトラック版が登場! 新型「カーゴボックスBEV」が拓く、次世代バンライフの姿とは
LEVOLANT
次世代クロスオーバーEVへ超絶進化!! 日産がグローバルに向けて新型「日産リーフ」を発表
次世代クロスオーバーEVへ超絶進化!! 日産がグローバルに向けて新型「日産リーフ」を発表
バイクのニュース
トヨタは「新車依存」を捨てた? 既販1.5億台から収益2兆円の「バリューチェーン戦略」、自動車産業の何が変わるのか
トヨタは「新車依存」を捨てた? 既販1.5億台から収益2兆円の「バリューチェーン戦略」、自動車産業の何が変わるのか
Merkmal
F1の情熱を刻む新時代「ウィリアムズ×UNDONE」コラボウォッチが登場!
F1の情熱を刻む新時代「ウィリアムズ×UNDONE」コラボウォッチが登場!
Auto Messe Web

みんなのコメント

1件
  • shouchan829_
    校正怠るべからず。タイトルくらいはしっかりね♡
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677 . 3万円 698 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

498 . 0万円 880 . 0万円

中古車を検索
ロータス ヨーロッパの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677 . 3万円 698 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

498 . 0万円 880 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村