現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > テスラのイーロン・マスクCEOが「レベル5自動運転の達成間近」発言。リアリティはどのぐらいあるのか?

ここから本文です

テスラのイーロン・マスクCEOが「レベル5自動運転の達成間近」発言。リアリティはどのぐらいあるのか?

掲載 24
テスラのイーロン・マスクCEOが「レベル5自動運転の達成間近」発言。リアリティはどのぐらいあるのか?

現在は「レベル5」より2段階も低い「レベル3」を目指している

中国・上海で開催されている世界人工知能大会(WAIC)のオープニングで、テスラモーターズのイーロン・マスクCEOが「自動運転レベル5の実現に極めて近づいている、レベル5の基本的な機能を2020年中に完成させる」というメッセージを寄せたことが話題となっています。

通常、自動運転のレベル分けの基準はSAE(自動車技術会)が定めたものが採用され、簡単に言うと次のように整理できます。

レベル1:システムが加減速・操舵のいずれかを支援(例:AEBのみ、ACCのみ)
レベル2:システムが加減速・操舵の両方を支援(ACC+車線維持、運転手の監視は必要)
レベル3:システムがすべての運転操作を担当(運転手は瞬時に引き継げるように待機)
レベル4:特定の条件でシステムがすべての操作を担当(条件下では引き継ぎ不要)
レベル5:すべての場所でシステムが運転操作を担当(引き継ぎ不要)
※AEB:衝突被害軽減ブレーキ
※ACC:アダプティブ・クルーズ・コントロール
※現時点で市販車が実現しているのはレベル2
※一般的に自動運転と呼べるのはレベル3以上

つまりレベル4以上の自動運転というのは、人間は乗っているだけで何の操作もしなくていいクルマのこと。コンセプトカーはハンドルやブレーキがないことがありますが、それはレベル5(少なくともレベル4以上)を想定しているからです。ちなみに現在はレベル3実現に向けて各メーカーが開発を進めているところで、日本では2020年4月に道交法が改正されて、レベル3の自動運転が可能になったばかりです。

ちなみにレベル5の先に人が乗っていない状態の「無人運転」があります。レベル5の自動運転ができるのであれば無人運転も技術的には可能といえますが、無人になると最高速を制限するというルールが各国であったりするので、高速で無人の車両が移動するというSF映画の世界はさらなる法整備が必要でしょう。ちなみに日本では無人運転の公道実験は当面20km/hを上限とするというお達しが警察庁から出ています。

イーロン・マスクの発言の真意はどこにあるのか?

それはさておき、イーロン・マスクCEOが、自動運転レベル5の実現が近づいていると発言した真意はどのようなものでしょうか。

現時点で、テスラの車両に搭載されているシステムは人間による監視が必要なレベル2ですから、レベル5の実現といわれても眉唾な印象を受けます。

現時点では、各自動車メーカーは高速道路におけるレベル3の自動運転の実用化を目指しているのが現実。レベル3における運転手の役割は、監視からは解放されますが、自動運転機能がいつキャンセルされてもいいように待機しておく必要があるというもの。まだまだ完全自動運転には時間がかかりそうな技術レベルといえます。

テスラの現行モデルに装備されたオートパイロットも今はレベル2でしかなく、過去にはドライバーが監視を怠ったとされる事故も起きています。よほどのブレイクスルーがない限り、ソフトウエアのバージョンアップだけで技術的にレベル5を実現するというのは考えづらく、イーロン・マスクのメッセージは割り引いて受け取るべきでしょう。

自動車メーカーが「自動運転レベル5を実現する!」と主張していかない限り、法整備などがなかなか進まないという見方もありますが、こうした発言により株価が上がることで利益を得るのは一般的に創業者、つまりイーロン・マスク氏ですから、そうした部分も考慮する必要があるかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

文:carview! 編集部
【キャンペーン】8月の毎週金・土・日はガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ダイハツ「タフト」最新モデル登場 販売店への反響や現在の納期は?
ダイハツ「タフト」最新モデル登場 販売店への反響や現在の納期は?
くるまのニュース
戴冠ウェーレイン、ジャガーのチーム戦術を猛批判「僕のレースとチャンピオンシップを壊そうとしていた」
戴冠ウェーレイン、ジャガーのチーム戦術を猛批判「僕のレースとチャンピオンシップを壊そうとしていた」
motorsport.com 日本版
スーパーカブ乗り集結、高知で「おおカブ主ミーティング」初開催
スーパーカブ乗り集結、高知で「おおカブ主ミーティング」初開催
レスポンス
MANの燃料電池大型トラックが公道に! 「電気」が主役だが「水素」にも重要な役割が!?
MANの燃料電池大型トラックが公道に! 「電気」が主役だが「水素」にも重要な役割が!?
ベストカーWeb
「アルファード超え」マジであるかも!? 16年ぶり新型エルグランドの完成度が高すぎる4つの理由
「アルファード超え」マジであるかも!? 16年ぶり新型エルグランドの完成度が高すぎる4つの理由
ベストカーWeb
【なるほどメルセデス・ベンツ】空へ飛び出したスリーポインテッド・スター クレム・ダイムラーの軽飛行機
【なるほどメルセデス・ベンツ】空へ飛び出したスリーポインテッド・スター クレム・ダイムラーの軽飛行機
AutoBild Japan
テスラはたった20年で巨大企業に! 既存自動車メーカーじゃあり得ない戦略で成功を収めたワケ
テスラはたった20年で巨大企業に! 既存自動車メーカーじゃあり得ない戦略で成功を収めたワケ
THE EV TIMES
「最強装備全部乗せ」じゃダメ!? 次期戦闘機GCAP開発の“意外な壁” 高性能化の裏にある深刻なジレンマ
「最強装備全部乗せ」じゃダメ!? 次期戦闘機GCAP開発の“意外な壁” 高性能化の裏にある深刻なジレンマ
乗りものニュース
防災対策に、ジェスマイクのカセットガス式発電機『JM1700iK』発売
防災対策に、ジェスマイクのカセットガス式発電機『JM1700iK』発売
レスポンス
奥田碩さんを偲ぶ---「豊田兄弟」の“真髄”を見抜き、変革にアクセル[新聞ウォッチ]
奥田碩さんを偲ぶ---「豊田兄弟」の“真髄”を見抜き、変革にアクセル[新聞ウォッチ]
レスポンス
トヨタ・カローラ スポーツが一部改良を実施。カローラ誕生60周年を記念した特別仕様車「G“Z・ACTIVE ELEGANCE”」も登場
トヨタ・カローラ スポーツが一部改良を実施。カローラ誕生60周年を記念した特別仕様車「G“Z・ACTIVE ELEGANCE”」も登場
カー・アンド・ドライバー
超高級車ベントレーからブーンまで!? 有名自動車評論家たちが「いま本気で欲しい中古車」5選
超高級車ベントレーからブーンまで!? 有名自動車評論家たちが「いま本気で欲しい中古車」5選
ベストカーWeb
「ヴァリオ パーフェクト1200 QSプラチナ」は充電器付きの車庫を内蔵する日本では考えられない超豪華なモーターホーム その価格は?たったの4億1,800万円です
「ヴァリオ パーフェクト1200 QSプラチナ」は充電器付きの車庫を内蔵する日本では考えられない超豪華なモーターホーム その価格は?たったの4億1,800万円です
AutoBild Japan
スマートの小型2シーターがBEVで復活! 新型「#2」が10月のパリモーターショーで発表【新車ニュース】
スマートの小型2シーターがBEVで復活! 新型「#2」が10月のパリモーターショーで発表【新車ニュース】
くるくら
老眼じゃない! 護衛艦の番号が見えにくくなったワケ でもハッキリ描かれた自衛艦も その違いとは?
老眼じゃない! 護衛艦の番号が見えにくくなったワケ でもハッキリ描かれた自衛艦も その違いとは?
乗りものニュース
トヨタ『カローラツーリング』次期型はどうなる? 5つの注目点
トヨタ『カローラツーリング』次期型はどうなる? 5つの注目点
レスポンス
1560馬力のV8ツインターボ。時速100kmまで1.9秒の怪物ビーストX
1560馬力のV8ツインターボ。時速100kmまで1.9秒の怪物ビーストX
Auto Messe Web
潜水艦は自衛隊の3倍、戦闘機は6倍!? 最新「防衛白書」が突きつける中国の圧倒的な脅威 在日米軍は頼りにならない?
潜水艦は自衛隊の3倍、戦闘機は6倍!? 最新「防衛白書」が突きつける中国の圧倒的な脅威 在日米軍は頼りにならない?
乗りものニュース

みんなのコメント

24件
  • 完全に自動運転車両のみが通行する道路で人が往来せず、手動運転車両もない道なら自動運転も実現出来るかもしれないが、不規則に複数が動く街中や一般道路ではプログラム以外のイレギュラーが起きる度に事故を起こすでしょうね。
    そして完全自動運転で事故を起こした際に発生する責任はメーカーなのか国なのか搭乗者(所有者)なのかをハッキリさせないとね。もちろん完全自動運転で搭乗者に責任を取らせるのは論外ですけどね。
    メーカーが全ての責任を取る姿勢でない限りメーカーサイドの人間が軽々しく完全自動運転などと言ってはいけない。
  • イーロンマスクの発言、
    まぁ、いつものハッタリでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村