この記事をまとめると
■ルノー・キャプチャーがマイナーチェンジ
欧州はエンジン淘汰の流れなのにハイブリッドを新規開発! 謎に思えるルノーの戦略の答えとは
■印象を大きく変えたほか新たなパワートレインを導入
■内外装や走りやグレード体系について詳しく解説
2種類のハイブリッドシステムを採用
新顔のキャプチャーと街なかですれ違ったら「ルノーの何というクルマだろう?」と思う人がいそう。というのも、今回のマイナーチェンジではとりわけフロントマスクのデザインがガラっと変わり、さらに新デザインのルノーのエンブレムを採用したことで印象が大きく変わっているんです。
ちなみにキャプチャーは世界累計販売台数が200万台以上を超える人気車種。ボディサイズ全長4240mm×全幅1795mm×全高2640mmは、日本の道路環境にも合っているし、フルハイブリッド「E-TECH」を搭載するモデルの燃費は輸入車SUVナンバー1(今回、これがさらに向上しているのでのちほど紹介します)。走りや乗り心地、さらにパッケージングもコンパクトSUVとしては優れているからもっと日本でも見かけてもいいのにと思うモデル。
ただ、日本の販売店が約70店舗というのは、230店舗を超えるVWと比べたら購入/販売チャンスを逃しているのは否めません。でも、近くにディーラーがあるのに素通りはもったいないのではないかしら、と。
そんな印象がより強まったのは2019年にこの2代目キャプチャーとアルカナが登場したころから。日産とのアライアンスによって開発されたプラットフォームやADAS(少し前までフランス車はかなり遅れていました)、前述のとおりの燃費性能、質実性を大幅に向上させました。輸入車=フランス車であるルノーの個性とモダンさを味わいながら、クルマ本来の性能や装備面でも満足度の高いモデルへと進化を続けているのです。
そこで今回のキャプチャーのマイナーチェンジ。主なトピックは大きく印象を変えたデザイン。パワートレインはE-TECHに加え新たにマイルドハイブリッドを導入し、電動モデルの二本立てとなったこと。また、グレード体系はふたつのパワートレインで「エスプリ アルピーヌ」が選べ、マイルドハイブリッドに「テクノ」を設定。ADAS、快適装備の充実などもさらに図られています。
デザインでとくに注目のフロントマスクは、従来モデルに対しボンネットの中央を盛り上げフラットな厚みを出し、その一方でフロントグリルやライトを薄くすることでより顔全体のボリューム感が強調されています。ルノーが“ロサンジュ”と呼ぶエンブレムは立体感のあるものからフラットな新デザインを採用。これを中心にライトまで左右に広がるバンパー上部とグリルにブロック模様を採り入れ、エレガントさも感じられるアクセントになっています。よく見ると、グリルはポリカーボネートを採用していてボディカラーが透けて見え、これが光の加減で印象も変わるという細工がオシャレ。質感も高くルノーデザインのこだわりが感じられるところです。
さらに左右に配されるデイタイムライトもエンブレムを半分に割り、左右対称に配置。マットで立体感のある白光が表情を引き締め、一層、際立たせています。
リヤはLEDライトにクリアレンズや新デザインのバンパーを採用し、フロントと同様に2Dエンブレムが配され、新しさを表現。今回、グレードによる外観の違いは「エスプリ アルピーヌ」には“専用バッジ”と19インチの専用デザインが施されたアルミホイールが採用され、「テクノ」では18インチの専用アルミホイールが装着される以外、大きな違いはありません。
燃費は輸入車SUVナンバー1の23.5km/L
ドアを開けてまず目が向いたのは、縦型10.4インチのタッチ式パネル。物理的なスイッチもパネルに溶け込むデザインのおかげで室内はシンプル&モダン、上質さも感じられます。
おかげで内装の細かな装飾がじつに効果的なアクセントになっていたのがメイングレードの「エスプリ アルピーヌ」でした。アルピーヌロゴ入りのバイオスキン&ファブリックのシートやブルーのステッチ入りシートベルトなどはアルピーヌ好きにはたまりません。一方で、トリコロール色のパイピングやステアリングのステッチ、ブルーグレーのダッシュボードもなかなかほかにないセンスで素敵だけど、その下段にはオシャレな織物の生地を採用し、トリコロールの刺繍をあしらうあたりは万人のフレンチ好きにも刺さりそう。マニアとオシャレなクルマを求める層をさり気なくくすぐるデザインも新型の魅力です。
「テクノ」には“ロサンジュ”がデザインされたイエローステッチのシートが採用されています。
居住空間はこのクラスとしては十分な広さが感じられ、後席が16cmもスライドすることでキャビンとラゲッジをバランスさせながら使える実用性の高さもキャプチャーの魅力。エスプリ アルピーヌにはシート&ステアリングヒーターが標準装備ですが、テクノにもシートヒーターが付かないのは残念。ただ、後席には専用のエアコン吹き出し口とUSBソケットが装備されています。
キャプチャーに初搭載となるマイルドハイブリッドは1.3リッター直4ターボエンジンと発進や加速時の動力アシストを行うモーター(BSG)を組み合わせ、トランスミッションは7速AT(7EDC)を採用しています。WLTC燃費は17.0km/L。
その走りは軽快でスイスイ、爽快! いまどきの1.3リッターターボエンジンの動力に不満はないとは思っていたけれど、それどころかモーターアシストは見事に黒子となりスムースにターボ領域へと走りを繋いでくれる。7速EDCのシームレスな変速も走りの軽快さに繋がっています。
さらにマイルドハイブリッドにはパドルシフトも備わり手もとでそれを操作すれば、よりダイレクトでリニアな走りが楽しめます。じつは今回、もっとも気になっていたのがこのコンパクトSUVに19インチのタイヤを履いていたこと。ところがタイヤからのノイズも抑えられ快適な一方で、縦/横のグリップはしっかりと得られる。ミシュランeプライマシー2の性能とのバランスが取れているということもあるのだと思います。
F1のテクノロジーも注がれるフルハイブリッドのE-TECHは、そろそろお馴染みのパワートレイン。これに今回はE-SAVE機能を新採用し、バッテリーの充電量を40%以上に維持しEV走行を含むモーターのアシストがより最適に行えるようになっています。
簡単にE-TECHのシステムを紹介すると、ふたつのモーターと1.6リッター直列4気筒の自然吸気エンジンを組み合わせ、これに電子制御ドッグクラッチマルチモードATが12通りの変速比をフル活用してモーターとエンジンの動力を巧みに繋いでくれます。発進時はモーターで走行し、35~40km/hあたりからエンジンも走行に参加。モーターが苦手な高速走行になるとエンジン走行が主役になる。ホンダのe:HEVに類似します。ただ、E-TECHはドッグクラッチミッションの複雑なシフトマネージが走りの洗練に繋がっています。
連なる上り坂やワインディングのアクセルの加減に対しモーターとエンジン、ドッグクラッチミッションの人知れず巧みに行われるギヤ選択の秀逸さは特筆すべきポイントです。速度に関係なく切れ目なくかつキビキビと走り、システムがギヤ選択を迷うわずかなタイムラグやショックもなく気もちがいい。
コーナーではライントレース性に優れているけれど頑に踏ん張る感じではなく、ロールも少ない。ボディとサスペンション、タイヤ(ミシュランe-プライマシー2)、そしてこのハイブリッドシステムの総合力と評すべきでしょう。乗り心地に優れ、静粛性はとても優れているといえるレベルです。WLTC燃費はこれまでの22.8km/Lから23.5km/Lに向上し、相変わらず輸入車SUVナンバー1!
「エスプリ アルピーヌ」でふたつのパワートレインを比べた価格差は55万円。エンジン主体の走りが好きならマイルドハイブリッド、静粛性に優れ洗練された走りと燃費も気になる方はE-TECH、どちらを選ぶかはお好み次第。内外装の魅力はぜひルノーディーラーで確認されることをお勧めいたします。素通りはもったいないですよ。
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