ネタじゃないです。マジなんです。ヒット商品連発で売上250%増 話題の異端児「サンコー」のおもしろ家電11選!!

　サンコーという家電メーカーをご存知だろうか。2003年に会社設立し、ネット通販「サンコーレアモノショップ」を開設。2016年に家電業界に進出し、急成長を遂げている企業だ。

　ニッチでちょっとヘンな製品をたくさん作っている。例えば、着るこたつ「こたんぽ」、化粧品専用LEDミラー付き冷蔵庫「ワタシコフレ」、朝専用ヨーグルトメーカー「ヨーグルト冷蔵庫」など。ニッチすぎて売れるか心配になる（余計なお世話）製品を毎週2製品、年間100製品以上も出しているのだから驚き。業界に先駆けて発売した「糖質カット炊飯器（売上2万台）」など、大ヒット製品も多数生み出している。

　本企画では編集部が厳選したニッチだけど思わず欲しくなるであろう製品を紹介。また、製品開発ヒストリーなどの貴重な情報を家電ジャーナリストのコヤマタカヒロ氏に取材してもらったので、あわせてお届けしよう。

※本稿は2022年6月のものです
文／コヤマタカヒロ、写真／ベストカー編集部 ほか
初出：『ベストカー』2022年7月26日号

■コロナ禍でってマジですか！ サンコーのおもしろ家電 厳選11

●01.シワを伸ばす乾燥機アイロンいら～ず（8480円）

　乾燥バッグにシャツを着せて、バッグの中に温風を送って乾燥させてシワを伸ばせる。通常洗濯のシャツを約30分で乾かせるぞ！ ジーンズも乾かせる「2」もあるほか、最新の「3」も予約受付を開始したぞ！

01.シワを伸ばす乾燥機アイロンいら～ず（8480円）。サラリーマンはひとり1台持つべし

●02.自動カップ麺メーカーまかせ亭（5980円）

　カップ麺と水をまかせ亭にセットして時間を入力すれば、自動でお湯を沸かして注いでくれて、出来上がりを教えてくれる。熱が逃げにくいので普通に作るより美味しく仕上がる。デイトレーダーなどその場を離れられない人に人気があるらしい。なるほど。

02.自動カップ麺メーカーまかせ亭（5980円）。お湯を沸かして入れる それすら省略したい人たちへ…。 ※商品の画像はギャラリーにて

●03.おひとりさま用焼き鳥メーカー（8480円）

　なぜおひとりさま用にしたか？ それは開発者がおひとりさまだからだ、という焼き鳥メーカー。タテ型ヒーターを採用し、煙が出ないので自宅でも臭いを気にせず楽しめる！

03.おひとりさま用焼き鳥メーカー（8480円）

●04.シメまで美味しい俺のラーメン鍋（7980円）

04.シメまで美味しい俺のラーメン鍋（7980円）。卓上で袋めんが作れる！〆にコメも入れちゃう？

　袋めんを作るのは手順も洗い物も多くて面倒。そこで開発された「俺のラーメン鍋」は、最速6分でお湯が沸き、麺を割らずにそのまま入れて調理でき、洗い物もコレ1つで済むのだ！

●05.ドラム式全手動洗濯機ぐるぐるぶんまわ槽（7980円）

　電気代0円、電源不要でどこでも使える。なぜなら、手回しだから。普段の全自動洗濯機とは別に洗いたいものを洗うのに活用したい。現在予約受付中で、7～8月頃発売だ！

●06.光と振動で目が覚めるアイマスクアラーム（7380円）

　アイマスクを付けて寝ると光が遮断されて起きづらい。このアイマスクアラームはアイマスクが光と振動を発して起こしてくれる。快適な眠りと起床を1つで実現する画期的商品！

06.光と振動で目が覚めるアイマスクアラーム（7380円）。タイマーはアイマスクとスマホをBluetooth接続して専用アプリで設定する

●07.快適おひとりさま空間家ナカ秘密基地テント（6980円）

　自分の部屋を持てないアナタに超オススメ、家の中に自分だけの秘密基地テントが作れてしまう。188cm×90cmのシングルベッドサイズの空間は居心地抜群。風通しもいいぞ！

07.快適おひとりさま空間家ナカ秘密基地テント（6980円）

●08.強制目覚ましマットで二度寝知らず「ニドネン」（5280円）

　10秒踏まないと鳴り止まないため、ベッドから出て立たざるをえない目覚ましマット。朝が弱い、絶対に遅刻できない、そんな人の救世主（メシア）となる商品だ。コレ欲しい！

08.強制目覚ましマットで二度寝知らずニドネン（5280円）

●09.レンジなしでもホカホカ！ USBおにぎりウォーマー（2480円）

　コンビニで売られている普通のおにぎりにピッタリサイズのUSBおにぎりウォーマー。約30分（まぁまぁかかる）で冷たいおにぎりもほっかほかになるぞ！ 実はコレ3代目の人気商品。

09.レンジなしでもホカホカ！ USBおにぎりウォーマー（2480円）

●10.工事不要でシンク横に置けるタンク式食洗機ラクアmini（1万9800円）

　工事不要なので賃貸住宅に住んでいる人でも気軽に導入できる食洗機がこのラクアminiだ。これは1～2人用なのでシングルにもおすすめ。

　洗浄力も高く、時短、節水になるぞ！ 3人分の食器が入るラクア（2万9800円）もラインナップ。

10.工事不要でシンク横に置けるタンク式食洗機ラクアmini（1万9800円）

●11.ミストシャワー付ファンブレラ（5980円）

　扇風機（ファン）とミストシャワーと傘を組み合わせたのがこのミストシャワー付ファンブレラだ。水を入れたペットボトルをセットするとミストが出てくる。ぶっちゃけると重そうだ。

11.ミストシャワー付ファンブレラ（5980円）

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　企画力＋販売力＋広報力が三位一体となって成長を続けているサンコー。広く浅くではなく、せまく深くぶっ刺さる、ユニークな製品ばかり。本企画でサンコーが気になったなら、一度サンコーのネットショップを覗いてみてほしい。あなたに深くぶっ刺さる製品に出会えるかもしれない。

　ちなみに、本企画ではまったく触れなかったが、実はカー用品も数多く取り扱っているぞ。え？ そっちを特集しろって？ スイマセン!!!

■サンコーの製品開発ヒストリー

●ネッククーラーSlim（6480円）

　近年、夏場になると頻繁に見かける小型の扇風機ハンディファン。そんななか、サンコーではさらに一歩先ゆく製品を2015年より手掛けている。それが首元を直接冷やすネッククーラーだ。

「暑い場所で扇風機を使ったら熱風が来ます。なら直接冷やせる方法はないかと考えてパソコンのCPUクーラーなどからヒントを得ました」（えきさん）

　ペルチェという熱交換の仕組みを採用して首元を強力に冷やしてくれる。毎年モデルチェンジしており、昨年モデルは47万台の大ヒット。日経トレンディの「年間ヒット商品」にも選ばれているのだ。

ネッククーラーSlim（6480円）

●エレクトリックナイフSlim（5980円）

　サンコーの数ある商品のなかでも、 予想以上に売れたと広報のえきさんが振り返るのが、断面が美しいコードレス電動包丁「エレクトリックナイフ Slim」だ。これは、すでに商品としてあった電動包丁を改良したもの。

「もともと電源コードがついた製品があったのですがそれだと危ないのでコードレスの製品を探して販売していました。ヒットしたのですがやはり重いという声があったので、より軽く、握りやすくしました。その結果、コロナ禍の巣ごもり需要にマッチして5万数千本の大ヒットになりました」（えきさん）

エレクトリックナイフSlim（5980円）

■メディア出演年間300回以上って多すぎでしょ!! 名物広報「えき氏」インタビュー

　サンコーを代表するのが面白い製品の数々と、それをノリノリで紹介する名物広報のえき晋介さんだ。オレンジのシャツに蝶ネクタイ。にっこり笑顔でエッキーポーズを決めるえきさんは年間300本以上のテレビやラジオに出演。自ら広告塔としてサンコー製品を宣伝しているのだ。この大量のメディア出演と、それに伴うサンコーの売上拡大は、えきさんの戦略によって生み出されている。

「もともと営業としてサンコーに転職しました。営業活動のなかで広報としての機能が会社に必要だと感じ、社長に進言して営業兼広報として働き始めたのがきっかけです」

取材に応じてくれた「名物広報」えき氏（右）と家電ジャーナリストコヤマタカヒロ氏

　ひとりぼっちの広報としてメディアと接していくなかでさまざまな取り組みに挑戦した。単にプレスリリースを書いて送るだけでなく、季節に合った製品を提案する資料をまとめ、日本中のメディアに送付した。

「最初は地方のラジオ局さんが反応してくれましたが、それが広がって行きました」

　メディアからの期待に応える形で、えきさん自身も進化していく。衣装を変え、ポーズを作り、求められるキャラクターを作っていく。さらに「基本的に断らない」方針で、急なテレビの依頼にも応えていった。

「テレビにこれだけ出ているとスタッフが欲しいことや構成も若干理解できるようになったので、それを整理してお伝えしています。こっちで用意した写真や映像素材で放送されることもありますよ」

■家電ジャーナリストが分析!! サンコーはなぜ「異端児」なのか

　ガジェット好きなら誰でも知っている秋葉原の名（迷）店がサンコーレアモノショップだ。店頭にはひとり用の焼き鳥マシンから、強力なスポットクーラー、首かけのクーラーなど、ちょっと変わった機能を持つ家電やガジェットがところ狭しと並んでいる。名前のとおり、レアモノが勢揃いのお店なのだ。ここを営んでいるのがサンコー株式会社。今、テレビやラジオに引っ張りだこの注目の会社だ。

　サンコーは2003年に創業。当初はちょっと変わったPDAやパソコン周辺機器を取り扱う店だった。2005年頃から「仰向けごろ寝デスク」など、微妙にパソコン周辺機器ではない製品も生み出していく。そして現在は調理家電や生活家電領域にも参入。いち早く糖質カット炊飯器を発売したり、串をぐるぐる回しながら焼ける全自動焼き鳥マシンなど、ちょっと変わった家電を数多く、生み出し続けているのだ。

　サンコーの家電に共通するのが、大手メーカーの家電にはない、楽しさだ。取り扱う家電の多くは思わず「なんだこれ？」と唸ってしまうような、それでいて使ってみると便利でおもしろさがある。必需品ではないけど、あると生活が豊かになる、笑顔になれる。そんな家電なのだ。

　通常、家電を開発・販売するとなるとマーケティングをして、ニーズをつかんで、といった過程がある。 しかしサンコーにあるのは楽しい、欲しいという思いだけ。だから普通の会社なら実現しないような、ちょっと変な家電も作り出してしまう。そのアイデアと実行力がサンコーの魅力なのだ。

ネット販売を主力としながら、リアル店舗を2店舗構え、販売力があるのがサンコーの強みとなっている

【番外コラム】大失敗も見てみよう「USB電動静音うちわ」

　独自の視点と開発力で、これまで市場になかったさまざまな家電を作り出して来たサンコー。大ヒットした商品もあるが当然なかには鳴かず飛ばずだった失敗作もある。その代表的な製品が2017年に発売した「USB電動静音うちわ」だ。

　これは名前のとおり、直線的な扇風機やエアコンの風が苦手で自然な風を求めるユーザーに向けてうちわで仰いでくれるガジェット。3980円の組み立てキットが売れたことから、本格的な2世代目を作ってみたところ、これが売れなかった。

自然な風を求めるユーザーのため作られた「USB電動静音うちわ」。アルミ削り出しで作ったボディは6980円と高価で売れなかった

「なぜか社長のこだわりでアルミ削り出しボディを採用して6980円になったんですが、これが本当に売れませんでした。最終的には1980円に値下げしてなんとか売り切りました」（えきさん）。

　おもしろさと価格設定の難しさを改めて教えてくれる、思い出深い製品として記憶に残ることになったそうだ。

Comments

画像が欲しいです。

ついに家電記事か。よほどネタがないんだな。