レッドブルのマックス・フェルスタッペンにとって、F1スペインGPは散々なレースになった。レース終盤まではマクラーレン勢と優勝を争っていたものの、ハードタイヤを履いて迎えたセーフティカー明けにポジションを落とし、最後は接触によるペナルティもあり10位に転落した。
勝負の分かれ目となったのは、やはりセーフティカーのタイミングでハードタイヤに交換したことにあると言える。この戦略判断について、クリスチャン・ホーナー代表が語った。
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「あのセーフティカーが出るまで、我々はしかるべき戦略によってマクラーレンに接近することができていた」
これはホーナーの弁。彼が言うようにフェルスタッペンは序盤から力強い戦いぶりを見せていた。3番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、前を行くマクラーレン2台がオーソドックスな2ストップ作戦だったのに対し、彼らに先んじてピットに入りアンダーカットを狙うというアグレッシブな3ストップ作戦を駆使。ルーティンストップを全て終えた際にはトップのオスカー・ピアストリと5秒差、2番手のランド・ノリスと2秒差で食らいつくなど、戦略は機能しているように見えた。
そして残り12周となった55周目、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)のストップにより運命を分けるセーフティカーが出動する。この時点ではピアストリ、ノリス、フェルスタッペン共にソフトタイヤに交換して10周も経っていなかったが、セーフティカー明けにニュータイヤを履く後続のライバルに攻め立てられるリスクを考えると、ここでピットに入るのが定石。 3台は立て続けにタイヤ交換に向かった。
ピアストリとノリスが履いたのは、中古のソフトタイヤ。一方でフェルスタッペンが履いたのは新品のハードタイヤであった。このレースで誰も使っていなかったハードの登場にフェルスタッペンも困惑し、無線で不満を伝えていた。
そして悪い予感は的中した。ウォームアップの悪いハードタイヤでセーフティカー明けのリスタートを迎えたフェルスタッペンはシャルル・ルクレール(フェラーリ)に交わされ4番手に落ちると、その後ジョージ・ラッセル(メルセデス)とのバトルに。1コーナーでの攻防で退避路に逃げたフェルスタッペンに対してラッセルにポジションを譲るよう指示が飛ぶと、あろうことか2台はターン5で接触。この際、一瞬譲ったように見せかけて行く手を阻んだフェルスタッペンの動きが悪質と判断され、10秒ペナルティが出されてしまった。
なおフェルスタッペンは後にラッセルとの接触については「正しいことではなかった」と非を認めている。
優勝争いをしていたはずのフェルスタッペンは、ペナルティで10位まで転落してわずか1ポイントの獲得に終わった。結果的にはウォームアップが悪くペースも遅いハードタイヤを履いたことが要因となった形だ。
ハードタイヤへの交換直後、チームはフェルスタッペンに対して「それが唯一の選択肢だ」と説明していた。一方で当時の持ちタイヤの残りを確認すると、決勝レースで中古ソフト→新品ソフト→ミディアム→中古ソフトと繋いでいたフェルスタッペンには、新品のハードタイヤの他に中古のソフトタイヤが1セット残っていたはず。ではなぜハードが“唯一の選択肢”だったのか?
これについてホーナー代表は、残っていた中古ソフトタイヤは、予選1アタック(アウト・インラップ含めて3周使用)に加えてグリッド試走などでも使っており、実際には7、8周走ったタイヤであったと説明。つまるところ、当時フェルスタッペンが履いていたソフトタイヤとほぼ同じ状態のセットだったわけだ。
そのためレッドブル陣営としては、フェルスタッペンをステイアウトさせてややマイレージのかさんだソフトタイヤで戦う方がダメージを最小限に抑えられたかもしれない。ホーナー代表も結果論で言えばステイアウトさせるべきだったと認めたが、当時はできる最善の決断をしたと語った。
「後から考えれば、そのまま走らせるべきだったということになる」
「ただおそらくマクラーレンの2台には抜かれていただろうね。ではルクレールにも抜かれていたかと言われると、それは主観の話になってくるので誰にも分からない。いずれにせよ、その時手元にある情報で判断をするしかない。それに3ストップをする時点で、レース終盤にセーフティカーが出ると不利になるというリスクがあった」
「だから(正解は)ステイアウトだったと結果論で言うのは簡単だ。それによって彼が3位になったか4位になったかは分からない。とにかく手元にある情報を頼りに最善を尽くすしかないんだ」
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みんなのコメント
ただ、ハードタイヤだったと言う理由以外にもダウンフォース不足と言う原因も有るのではと思う。マクラーレンに比べてあまりにもタイヤが持たないよ。