BMW i4 M50を凌駕する動力性能
登場から8年が過ぎ、アップデートを受けたテスラ・モデル3。出色の動力性能に変わりはなく、お手頃な後輪駆動仕様でも0-100km/h加速は5.4秒でこなす。試乗車だった四輪駆動のロングレンジでは、4.2秒へ縮まる。中間加速も、BMW i4 M50より鋭い。
【画像】コスパ出色の電動サルーン テスラ・モデル3 増加の一途 欧州で競合しそうなモデルは? 全154枚
トラクションに優れ、路面が濡れていてもホイールスピンは生じず、電子的な制御が激しく介入することもない。発進加速はシームレス。車重は1846kgと、動力性能や航続距離を踏まえると、軽く仕上がっている。
気になるのは、ブレーキペダルの感触。踏み心地が若干曖昧で、速いのに減速時に自信を得にくい。なぜか、シングルモーターの方がタッチは優れるようだ。
回生ブレーキは、ワンペダルドライブにも対応。ほぼ、摩擦ブレーキを使わず走ることも難しくない。ただし、利きの強さを循環するように選べないのが、惜しいといえる。運転のしやすさとエネルギー効率へ、効果的だと思うのだが。
ミドシップ的挙動 薄いステアリングの感触
ステアリングの反応は、ハッとするほど鋭い。カーブへ飛び込めば、フロントタイヤがしっかり路面を掴み、サスペンションがボディロールを抑えているのがわかる。
カーブ中ほどでアクセルペダルを緩めると、フロントノーズは内側へ食らいついていく。後輪駆動の方がより明確に体感できるが、ミドシップへ近い振る舞いといえる。
だが慣性は小さくなく、旋回時の挙動が落ち着くのは1秒ほど経ってから。スポーツ・モードにしても、リムを握る手のひらへフィードバックは殆ど伝わってこない。
スタビリティ・コントロールは、運転を楽しみたい場面で少々お節介。シャシーはバランスに優れるが、電子的になだめられてしまう。ステアリングの薄い感触や、高負荷時の姿勢制御と相まって、i4のように電動スポーツサルーンと呼べるわけではない。
実感できる静寂性 現実的な航続は552km
乗り心地は、硬めのサスペンションで、荒れた路面でやや落ち着きを欠く。快適性は、もう少し高められる余地がある。
2025年のアップデートでは、静寂性を大幅に高めたと主張される。空気抵抗を減らし、サスペンション・ブッシュや防音ガラスを改良することで、風切り音は30%、ロードノイズは20%減らされたという。タイヤも、静かさ重視のものが履かされている。
その効果は実感できる。5年前と比較し、すべての速度域で車内は静か。i4に並んだ。
電費は、ツインモーターのロングレンジで、高速道路の平均が6.4km/kWh。市街地を交えた複合的な条件では、7.0km/kWhへ伸びた。現実的な航続距離は、約550kmといえる。急速充電器、スーパーチャージャーを優先的に利用できることも、強みになる。
出色のコスパ 従来以上のプレミアム感
登場から8年目を迎えても、バッテリーEVとしての性能に優れ、出色のコストパフォーマンスを持つモデル3。後輪駆動のエントリーグレードですら、競争力は高い。
ただし、デュアルモーターでも運転体験はクラスベストではない。車内のインターフェイスには、馴染みにくい部分がある。長距離の快適性は、より高めてもいいだろう。
とはいえ、普段使いしやすい電動サルーンであることは、紛れもない事実。大幅にアップデートされた内装が、従来以上のプレミアム感も生み出している。BMWが繰り出す次世代、ノイエクラッセはどこまでアドバンテージを得られるだろうか。
◯:抜きん出た動力性能 機敏な回頭性 質感が大きく向上したラウンジ風インテリア 航続距離の長さ 日常的な運転のしやすさ
△:荒れたアスファルトでの乗り心地 完全には信頼し難い自律運転システム 一部で機能的ではないインターフェイス
テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)のスペック
英国価格:5万9800ポンド(約1220万円)
全長:4720mm
全幅:1850mm
全高:1441mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:4.4秒
航続距離:629km
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1840kg
パワートレイン:非同期モーター(前)+永久磁石同期モーター(後)
駆動用バッテリー:75.0kWh
急速充電能力:250kW(DC)
最高出力:498ps(予想)
最大トルク:50.2kg-m(予想)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動
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