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排気量2458cc!! 量産バイク世界最大排気量のトライアンフ「ロケット3R」は欲張りすぎる究極のパワークルーザー

掲載 更新 19
排気量2458cc!! 量産バイク世界最大排気量のトライアンフ「ロケット3R」は欲張りすぎる究極のパワークルーザー

■ひと目でわかるロボット顔のフロントマスク

 世界最大排気量(2294cc)の量産バイクとして、2004年に初代「Rocket III(ロケット・スリー)」が登場。日本導入は翌2005年で、停止状態から100km/h到達までわずか2.8秒というケタ違いの加速力で注目を集めましたが、厳格された環境基準に合致できず2009年に国内販売を終了。わずか数年しか国内販売されなかったもののインパクト絶大で、その後根強いファンのリクエストに応え、2014年に限定50台(国内)を発売するなど、抜群の存在感を持つモデルでした。

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 そして2019年に新型となって待望の復活。モデル名を「Rocket 3(ロケット・スリー)」に変え、丸型のデュアルヘッドライトはLED化され、燃料タンクは薄くフラットな形状に刷新されましたが、ロボット顔のフロントマスクや堂々たる車体はひと目で「ロケット・スリー」とわかるもの。

 240mmのワイドタイヤをドライブシャフト側で支える片持ちスイングアームとし、ホイールも20本スポークの軽量アルミキャスト製にグレードアップ。フロントブレーキには最高峰のブレンボ製M4.30 Stylema 4ピストンラジアルモノブロックキャリパーが320mmダブルディスクに組み合わされるなど、足まわりも徹底強化されています。

 ロードスタータイプの「ロケット3R」と、ツーリング機能を高めた「ロケット3GT」の2本立てとなっていますが、日本への導入は「ロケット3R」のみ。では乗ってみましょう!

■またがると、意外なほどスリム

 とてつもないスケール感があるものの、ロードスターというだけあって鈍重には見えません。車体重量で40kg以上の軽量化を果たしたボディは、片持ち式スイングアームや大胆にショートカットされたテールエンドで、軽快感さえ演出するほどにスポーティさを感じさせます。

 またがると意外なほど車体はスリムで、ニーグリップがしっかりとできる絞られたタンク形状や、緩やかに上半身が前傾したライディングポジションからも、ロードスターを主張していることがわかります。

 内部配線としたハンドルバーのグリップエンドにミラーがマウントされ、スッキリとしたフロントまわり。バックライト付きスイッチキューブを搭載した第2世代TFTディスプレイで、ライディングモード(ROAD、RAIN、SPORT、RIDER)の設定が直感的におこなえ、メーターの表示パターンも切り替えることができます。

 シート高は773mmで、両足を地面におろすと身長175cm・体重65kgの筆者(青木タカオ)だとカカトが少し浮きます。車両重量318kg(乾燥)で、停まっているときは重さを感じますが、走り出せば動きは想像以上に俊敏です。

 クルーザーではフロント19インチなど大径ホイールが用いられ、おおらかなハンドリングとするのが主流ですが、「ロケット3」では17インチとし、前輪に安定した接地感があります。

 ゆっくり走り出すとステアリングに重さがあって、マシンと格闘しなければならないような強面の重量車という印象ですが、じっくりと乗り込み、スロットル操作と身体がシンクロしてくると、途端にニュートラルなハンドリングを楽しめるようになります。

 低速時に切れ込みを感じても、それを活かせばタイトコーナーもシャープにターンでき、慣れるほどにエキサイティングなライディングが味わえます。

 前後サスペンションはSHOWA製で、フロントフォークはインナーチューブ径47mmの倒立タイプ。伸/圧減衰力が調整可能なアジャスタブル式で、リアサスペンションもピギーバックリザーバーを備えてハードな走りに対応しています。

■独特の野太いサウンドを奏でる、トリプルエンジンが味わい深い

 ハイドロフォーミング製法で成形された3連エキゾーストヘッダーパイプが飛び出す心臓部は見るからに強力で、高速道路料金所の一般レーンでお金を支払うと「すごいバイクだね~」と、料金収受員から声をかけられます。

 DOHC4バルブ直列3気筒エンジンは極低回転域から力強いトルクを発揮し、4000rpmで量産バイクではトップの221Nm(22.55kg-m)を発生。クランクケースから作り直し、潤滑システムやバランサーシャフトも新作とし、エンジン単体で18kgもの軽量化を達成しています。

 振り落とされないようシートエンドには尾てい骨を支えるストッパーがあり、ワイドオープンすれば車名の通り、まさに“ロケット”のごとく突き進み、ゼロから100km/hまでわずか2.89秒というダッシュ力をライダーは堪えなければなりません。

 3本出しのショートマフラーが野太いサウンドを奏でるトリプルエンジンは、フラットに伸び上がりつつもざらついた鼓動感を伴い、2500から4000rpmでパンチが特に効いて心地よいものに。高速巡航は6速120km/hを2800rpmでこなし、この領域を使ってのクルージングがとても味わい深く、100km/hまで速度を落とすと2200rpmとなり、トルクフィールに力感をなくし5速で走りたくなります。

 ストリートファイター的なマッスルバイクでありつつ、クルージング性能も高くロングライドも得意。絶対的な存在感があり、その巨体とは裏腹にコーナーも楽しめる「ロケット3R」は、欲張りすぎる究極の“パワークルーザー”と言えるでしょう。それでいながら税込み271万5000円からという車体価格は、お買い得に感じてなりません。

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みんなのコメント

19件
  • こういうのも乗ってみたいけど
    いざ駐車場の取り回しでモタモタフラフラしたら格好悪いから
    テクニックとパワーがある人限定だよねぇ

    自分は無理w
  • ヨーロッパは不思議だ
    CO2CO2と言いながら片方ではこんな無駄なモノを作ってる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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