サンシェードや窓開けでも防ぎきれない車内温度の急上昇と危険性
夏の車内の温度は、エアコンを停止した直後から急激な上昇を始め、わずかな時間で人体に深刻な影響を及ぼす水準に到達します。
【画像】夏の車内で絶対に放置してはいけないモノを写真で見る(10枚)
とくに、猛暑日の直射日光下において車内は密閉された状態となり、熱が逃げ場を失って蓄積され続けます。
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の資料によると、あらかじめ室温を25度に揃えたミニバンを用いて、気温35度の晴天時に実施された長時間のテストでは、対策なしの黒色のクルマの車内温度は最高57度に達しました。
対策なしの白色のクルマでも最高52度を記録しており、ボディカラーにかかわらず車内は非常に危険な状態となることが実証されています。
一般的に、日差しを遮るサンシェードの装着や窓開けは、車内温度の上昇を抑える対策として広く認識されています。
しかし、同テストにおいてサンシェードを装着したクルマの車内最高温度は50度、窓を3センチメートル開けた状態でも45度まで上昇しており、人が耐えられる環境を維持することはできません。
サンシェードは室温を安全な水準に保つほどの効果を持っておらず、窓開けについても十分な空気の入れ替えができないため、確実な温度低下は見込めないという結果が示されました。
また、エアコンを作動させた車両では最高温度が27度に保たれますが、エンジンをかけたままでクルマを離れることは暴走や燃料切れのリスクを伴います。
熱中症指標計を用いた測定では、エアコン停止からわずか15分後には、気温や湿度から算出される熱中症指数が危険レベルに達することが確認されています。
とくに、乳幼児は体温調節機能が未発達であり、高温の環境下では大人よりも短時間で体温が上昇し、命を落とす危険性が高まります。
また、高齢者も体温調節機能が低下しているため、寝ているからという理由で短時間でも車内に残しておく行為は非常に危険です。
このように、夏の車内における温度上昇は物理的な対策だけで防ぐことは難しいため、短時間であっても絶対に人を車内に残さないことが唯一の確実な対策といえます。
ダッシュボードの異常加熱による物品の破損と火災のリスク
気をつけるべきことは他にもあり、車内に置かれた物品が高温によって破損したり、予期せぬ事故を引き起こしたりするリスクが存在します。
たとえば、ダッシュボードは直射日光を直接受けるため車内の空気よりも温度が高くなり、対策なしのクルマでは最高79度という数値を記録しています。
ダッシュボード上にスマートフォンなどの日用品を放置して状態変化を調べたテストでは、日常的に使用している物品に深刻な影響が生じることが確認されています。
実験に用いられたスマートフォンは急激な温度上昇に耐えられず、画面に警告が表示されて一時的に使用不能な状態に陥りました。
精密機器は熱に弱く、高温環境下に放置することで機能低下や取り返しのつかない故障につながるおそれがあります。
また、スプレー缶やライターのような可燃性のガスを含む製品は、高温によって内部の圧力が急激に上昇します。
これらは破裂や引火事故を引き起こす原因となるため、危険物を車内に置いたまま離れることは極めて大きなリスクを伴います。
さらに、運転席の前に位置するハンドルも直射日光を浴びて高温になりやすい部品のひとつです。
乗車してすぐに素手で握ると火傷を負う危険性があるため、運転を開始する前には温度が下がっているかを確認する必要があります。
ダッシュボード周りの異常な温度上昇を防ぐという意味では、サンシェードの装着は一定の有効性を示しています。
同テストの測定結果においても、対策を全くしていないクルマのダッシュボードが79度に達したのに対し、サンシェード装着車では52度にとどまり、約27度という大幅な温度低下が確認されました。
したがって、サンシェードは室温の上昇を完全に防ぐことはできないものの、内装部品の過度な加熱を和らげ、物品の破損や火傷のリスクを低減する目的においては正しい使い方といえます。
このように、夏の駐車においては車内全体の温度だけでなく、直射日光が当たる場所の局所的な異常加熱にも十分に配慮し、車内に持ち込んだものを適切に管理することが求められます。
※ ※ ※
夏の炎天下における車内は、エアコンを停止してからわずか数十分で人体や物品に甚大な被害を及ぼす危険な空間へと変化します。
サンシェードの装着や窓開けといった対策は一定の補助的な効果を持つものの、熱中症を完全に防ぐことはできないため、車内に人や動物を残すことは絶対に避けなければなりません。
直射日光によるダッシュボードの高温化が引き起こすリスクにも注意を払い、常に安全を最優先とした駐車時の行動を心がけることが大切です。(Peacock Blue K.K.)
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「こ、この山が“あっという間”に…!」 熊本~大分の難所を貫く「県内最長の一般道トンネル」開通もう秒読み!? 効果はかなりデカい!
「8880億円でも難しかった?」 名古屋駅再開発が白紙に――巨大駅前開発で変わる名鉄の次の一手
「ドア開けたらすぐ座席」だった! 残りわずか1本 桜の名所へ向かう近鉄特急の古参が絶滅寸前
【なんじゃこりゃ?】み、醜い・・・M3²って何?こんなふうに改造されたM3が可哀そう・・・えっ?ベース車両はBMW M3じゃないの?
「日本初の立体交差駅」前に“ラウンドアバウト”出現! 130年前の迷宮駅「全面高架化」からの駅前大改造、いよいよ終盤!
みんなのコメント
使わないより使った方が絶対的にいいのですが、日影が出来ていると言っても高温になるのは違いないわけで。
事故防止のためにスマホもバッテリーも持ち出すのが良策ですよね。
乳幼児の車内放置は殺人と知れ