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「スバル360誕生 60周年」アメリカの地を激走した”サブロク”の中身をチェック

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「スバル360誕生 60周年」アメリカの地を激走した”サブロク”の中身をチェック

あのグレートレースを走破した60年前誕生のサブロクに乗てみた♪

60周年を迎えた不朽の名車・スバル360。その乗り味をあらためて確認すべく、国沢光宏さんが所有するサブロクをお借りして、東京都心をドライブ。持ち前の快適な乗り心地は今もなお健在なのか?!

ツーリングワゴンの歴史を作り、「SUBARU」の歴史を支えた『レガシィ』をクローズアップ



歴代スバル車のなかで、量産第1号にしてもっともリスペクトすべき存在といえるのがスバル360(以下サブロク)。2年前には機械遺産に認定されたほか、昨年は国沢光宏さんがアメリカまで運んでグレートレースに出場。見事に完走するなど、今も話題が尽きることのない稀代の名車だ。春のお彼岸に、この偉大なご先祖様を偲ぶがごとく、定期的にサブロクを取材してその名車っぷりを伝えることは専門誌の務めだ。そこで今回は去年グレートレースに出場して4000kmを走破した国沢光宏さんのサブロクを拝借。ジックリと乗り味を噛み締めさせてもらった。まずは、現代のクルマと遜色のないエンジンの始動フィールに感動する。レース前は調子を崩したと聞いたが、確かな整備と4000kmもの距離を9日間で走りきったことで、調子がよくなったようだ。

これら旧車を扱う際に注意すべきはミッションの操作。4速MTの細身のシフトノブは指2本で優しくタッチしながらスマートに動かす。60年前のクルマだけにギヤの入りが渋い時も多々あるが、無理をせずにひと呼吸置くなり、エンジンを軽く吹かすなどしてシンクロが噛み合う瞬間を待つ。1速がHパターンの左手前にあるためシフトミスをするのが怖いが、しばらく走らせているうちにミッションとの呼吸を合わせるコツが自然につかめた。副変速機付きの3速よりも扱いやすいのだ。ただ普通に発進して交通の流れに乗るまで加速と変速をするだけでも、じつに濃密にサブロクと対話をしている感覚。クルマという機械と向き合っている感がひしひしと伝わって来る。

試乗したクルマは、1964年式のヤングSS。エンジンはグレートレースに出ることを考慮して、耐久性の高いノーマルを搭載する。

ただ普通に走らせるだけでクルマとの対話が存分に楽しめる

車重は400kgほどと軽量とはいえ、25psしかないので、現代の平日の東京都心の国道で交通の流れに乗るまでは結構な時間がかかり、後続車をイラつかせないよう気を遣った。環七での50km/hの制限速度が、とても妥当なものに思える……。ボディは堅牢とはいえないまでもシェルの立て付けはしっかりしており、本当にタマゴの殻のなかにいるような感覚に包まれた。ブレーキは甘いものの直進性はしっかりしているし、アシストなしでも絹のように繊細な手応えで軽く回せるステアリングもグラついたりしないなど、安定感はすこぶる良好。

限られたパワーを一滴も無駄にせず、路面に伝える感覚が伝わるのは小排気量RR車ならではの魅力。アンダーステアは強めながら操縦安定性の高さには驚かされる。

さらに乗り心地のよさも特筆モノで、今のクルマでもキツめの衝撃が来そうな段差でも信じられないほど綺麗にショックを緩和。足回りをセッティングした「サンコーワークス」の実力によるところも大きいと思うが、足の動きがとてもよくて荒れた路面で真価を発揮してくれた。総じて、平日の都心でも思いのほか普通に運転できることに感動するものの、周囲のクルマの動きはちょっと怖い。2tトラックが真横に迫ると大型トレーラーのように見えるので、コチラの存在が視認されているのかとても不安だった。アメリカで追突された経験があるが、サイズが小さくて気づいてもらえなかった??(写真参照)。

とはいえ、不安要素はそれぐらいで、昔から定評のある乗り心地の良さは健在。運転以外の余計なことをする暇はないし、またしたいとも思わない。運転に没頭できるのが、これまたいいのだ。ちなみに、後席の頭上は狭いが前席の下に足が入るので意外とツラくない。一応、大人2名が座れた。

そういえば、よく見るとドアミラーのステーもただの棒ではなく、空力を意識したデザインであった。

今回の完調なサブロク試乗で、今でも自動車としての機能を十分に果たせることを実感。いつか所有してみたい、と真剣に思った。

サブロクが出場したグレートレースとは!?

1970年以前に造られたクルマを使い、アメリカを走るアベレージラリー「グレートレース」。コースは毎年異なり、サブロクが参戦した昨年は、カナダとフロリダを結ぶ高速道路として20世紀初頭に建設された「デキシーハイウェイ」がテーマ。フロリダ州・ジャクソンビル~ミシガン州・トラバースシティまで、計3761kmを縦断した。

(レポート&TEXT:マリオ高野、スバルマガジン編集部

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