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【追悼】マルチェロ・ガンディーニの遺した名車を振り返る 50選 後編 伝説の自動車デザイナー、逝く

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【追悼】マルチェロ・ガンディーニの遺した名車を振り返る 50選 後編 伝説の自動車デザイナー、逝く

ランボルギーニ・カウンタック(1974年)

(この記事は後編です。カウンタック以前の作品については前編で紹介しています)

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ドラマチックな外観を持つ市販車といえば、1971年のジュネーブ・モーターショーでコンセプトカーが発表されたランボルギーニ・カウンタックに勝るものはない。

ミウラの4.0L V12を受け継ぎ、1974年に生産が開始されたときも、その輝きは変わらなかった。1990年に最終型が登場する頃には、排気量も5.2Lに拡大された。

マセラティ・カムシン(1974年)

マセラティの過去40年の歴史でおそらく最も車高の低いカムシンは、ボーラと同じ4.9L V8エンジンを搭載している。ただし、ボーラがミドシップなのに対し、カムシンではフロントに積んでいる。これは、MTとATを選べる2+2として、後方にスペースを確保するためであった。

1974年から1982年まで、合計435台が生産された。

ランボルギーニ・ブラボー(1974年)

1970年代初頭、ベルトーネとランボルギーニは緊密な関係にあった。ベルトーネはトリノ・モーターショーで、ウラッコのホイールベースを切り落とし、2シーターとしたブラボーを出展した。

コンセプトカーではあるが、ランボルギーニの最高出力300psの3.0L V8エンジンを搭載し、実走行が可能だった。どこを見ても素晴らしいディテールが施されていたが、悲しいことに、量産化は実現しなかった。

イノチェンティ90/120(1974年)

ランブレッタのスクーターで知られるイノチェンティは、1961年から1976年までミニをライセンス生産していたことでも有名だ。1972年には、ブリティッシュ・レイランドが同社を完全に傘下へ収めている。

イノチェンティは2気筒750ccエンジンを搭載した新型車の開発に取り組んでいたが、ブリティッシュ・レイランドが関与すると、代わりに998ccまたは1275ccのAシリーズ・エンジンを採用。その結果、モダンでスタイリッシュな90/120が誕生した。

マセラティ・クアトロポルテII(1974年)

初代クアトロポルテは、マセラティにとってかなりの成功を収めた。1974年に新型のクアトロポルテII(QPII)が発表されたが、当時シトロエンの傘下にあったことから、前輪駆動のSMをベースに、3.0L V6の搭載が計画されていた。

その後、シトロエンが財政的に行き詰まり、マセラティはデ・トマソに売却される。QPIIはわずか十数台しか生産されず、欧州以外の地域で販売された。

フィアット・ビジターバス(1975年)

フィアット初のミニバン(MPV、ピープル・キャリア)は600ベースのムルティプラで、1965年にはやや大型の850Tが導入された。1970年代に入ると、850Tの後継車開発がベルトーネに依頼された。

ガンディーニ氏は、850Tのプラットフォームをベースに6枚のサイドドアを採用し、3列シートへの乗降を用意にした。「ビジターバス」という奇妙なネーミングとともに走行可能な状態で発表されたが、ワンオフのままフィアットの工場見学に使われた。

ランボルギーニ・シルエット(1976年)

ランボルギーニは1970年代のほぼ全期間にわたって苦境に立たされていた。ウラッコの販売が軌道に乗らず、2シーターのジュニアスーパーカーを作ることになった。

しかし、ゼロから新型車を開発する資金がなかったため、ウラッコをベースに、最高出力260psにチューンされた3.0L V8を搭載するタルガルーフのシルエットが誕生。しかし、売れ行きは芳しくなく、ランボルギーニが破産するまでにわずか52台しか生産されなかった。

フェラーリ308GTレインボー(1976年)

フェラーリは長年ピニンファリーナと密接に仕事をしていたため、ベルトーネとの接点は小さかった。そこでベルトーネは、1976年のトリノ・モーターショーで308GTレインボーを披露し、フェラーリにアピールした。

308GT4のプラットフォームをベースに4インチ短くし、直線と平面からなるボディを組み合わせた。ルーフパネルを回転させてシート後方に収納し、オープントップにすることができるという革新的な構造を持つ。

アルファ・ロメオ・ナバホ(1976年)

量産化される可能性のない夢のフライト。これこそ、かつてのコンセプトカーの醍醐味だった。ナバホは、33ストラダーレからプラットフォームと主要部品を流用し、最高出力230psの2.0L V8をミドマウントしている。

ヘッドライトは横に飛び出し、リアスポイラーは車速に応じて調整可能で、キャビンには戦闘機にインスパイアされたダッシュボードを備えている。

ジャガー・アスコット(1977年)

1970年代のガンディーニ氏は、明らかに直線を愛していた。曲線というものはまるで見当たらない。例えば、アスコット。ベースとなっているのがジャガーXJ-Sだとは思いもよらないだろう。5.3L V12が搭載され、ハッチバックの実用性と、スエードで覆われたインテリアが備わるコンセプトカーだ。

ランチア・シビロ(1978年)

2018年のジュネーブ国際モーターショーにシビロが出展されたことを覚えている人もいるのではないだろうか。ちょうど40年前に初公開されたときは、大きな驚きをもって迎えられた。

ランチア・ストラトスをベースにウェッジシェイプを突き詰め、同車の2.4L V6を流用。ポップアップ式のヘッドライトとデジタル・ダッシュボードが装備されている。

ボルボ・ツンドラ(1979年)

1976年に発表された300シリーズは、ボルボらしい保守的な乗用車であり、スポーティな要素はまるでなかった。

ベルトーネは、343を手直ししたツンドラでボルボへの接近を試みた。エンジンは1.4Lで、4速MTを介して後輪を駆動する2ドア・クーペである。このモダンなデザインは当時のボルボの重役には響かなかったが、数年後にシトロエンBXとして市販車に昇華することになる。

ルノー5ターボ(1980年)

ルノー5は素晴らしいデザインだが、1980年頃には見慣れたものになりつつあった。そこで、ミドシップエンジンを搭載し、ボディをパンプアップした5ターボが製作された。ガンディーニ氏は、標準車とできるだけ部品を共有しないことを求められ、パワートレインや足回りとともに、ほとんどすべてのボディパネルを変更した。

5ターボは当初、標準車の販売を活性化させるためのショーカーであったが、1983年までに1690台が生産され、続くターボ2も1986年まで3176台が生産されている。

マツダ・ルーチェ(1981年)

第4世代のマツダ・ルーチェ(海外名:929)は、ガンディーニ氏が独立前の1980年に担当した、ベルトーネ時代最後の作品である。2種類の4ドア・セダン(通常版とスポーティ版)と2ドア・クーペを設計するという内容だった。

デザインは十分に素晴らしいものだが、メカニカルな部分も興味深い。従来のレシプロエンジンに加え、ロータリーエンジンも用意されていたのだ。

シトロエンBX(1982年)

何年もの間、ガンディーニ氏は角ばったコンセプトカーをデザインしてきたが、その多くが量産化には至らなかった。保守的な自動車メーカーにとっては先鋭的すぎたが、シトロエンは違った。直線デザインを全面的に受け入れたのだ。

GSAの後を継ぐべく誕生したBXには、ハッチバックとステーションワゴンの2タイプがあり、どちらも5ドアである。このクルマに求められたのは、軽量であること(ベースモデルで900kg)と高い信頼性であり、後者は「loves driving, hates garages(ドライブを愛し、ガレージを憎む)」という宣伝文句につながった。

ルノー5 Mk2(1984年)

550万代も売れた初代ルノー5の後継車を作るにあたって、コンセプトを維持しつつ、時代に合わせてリフレッシュすることが求められた。ガンディーニ氏は、初代のミシェル・ブエ氏のデザインをうまく1980年代にマッチさせた。

エアロダイナミクスを改善し、ボディシェルを強化し、グラスエリアを20%増やした。初代ほどのインパクトはなかったが、それでも販売面で大成功を収めた。

チゼータV16T(1988年)

1980年代後半、世界経済は絶好調だった。かつてないほど富裕層が増え、その需要を満たすために高級車メーカーが雨後の筍のように続々と誕生した。

その1つが、ミュージシャンのジョルジオ・モロダー氏が出資し、伝説的な自動車エンジニア、クラウディオ・ザンポーリ氏によって設立されたチゼータだった。究極のスーパーカーを作るべく、ガンディーニ氏がデザインしたボディにV16エンジンを “横置き” で搭載し、最高出力560ps、最高速度328km/hを謳った。

このスペックだけで、あらゆるライバルを打ち負かしたと言っていいだろう。しかし、チゼータが解散するまでにわずか20台ほどしか生産されなかった。

マセラティ・シャマル(1989年)

1970年代にシトロエンからマセラティを買収したデ・トマソは、BMW 3シリーズの対抗馬を作ることで販売台数を伸ばそうとした。その結果、信頼性が低く、高価で、見た目も平凡なビトゥルボが誕生した。

ビトゥルボの売れ行きは悪く、1980年代の終わりには、経営難に陥ったマセラティの株式の49%をフィアットが取得していた。その後、ビトゥルボをベースに、最高出力330psに強化した高級2ドア・クーペのシャマルが作られた。残念ながら、1989年から1996年の間に生産されたシャマルはわずか369台だった。

ランボルギーニ・ディアブロ(1990年)

カウンタックの後を引き継いだディアブロは、見た目は少し丸みを帯びたかもしれないが、中身は変わらずモンスターだった。初期の5.7L車は最高出力485psを誇るが、2001年の生産終了時には排気量6.0L、最高出力575psに達した。

デ・トマソ・パンテーラSi(1991年)

デ・トマソ・パンテーラが初めて世に出てから20年後、ガンディーニ氏による復刻版が発表された。「Si」と名付けられたこのモデルは、オリジナルの構造、ドア、窓ガラスはそのままに、その他の部分を可能な限り最新のものに変更している。

ソフトなラインながらも重厚感のあるルックスで、パンテーラは見事に生まれ変わった。しかし、わずか44台しか生産されず、そのうち4台はコーチビルダーのパヴェッシによってタルガに改造された。

ブガッティ035(1991年)

1980年代後半にロマーノ・アルティオーリ氏がブガッティを復活させたとき、4名のデザイナーに特別なスーパーカーを提案するよう依頼した。その4名とは、パオロ・マルティン氏、ジョルジェット・ジウジアーロ氏、ヌッチオ・ベルトーネ氏、そしてマルチェロ・ガンディーニ氏である。

選ばれたのはガンディーニ氏のデザインだった。角ばったドラマチックな造形で、4台のプロトタイプが作られた後、EB110へ発展していくことになる。しかし、プロトタイプ(写真)はガンディーニ氏の作品であったが、EB110はジャンパオロ・ベネディーニ氏が手がけた。

日産AP-X(1993年)

1990年代初頭、非常に近未来的なスポーツカーが日産から登場した。AP-Xだ。S-13型シルビア、あるいはZ32型フェアレディZの後継車として発売されてもおかしくなかった。

フロントに3.0L V6を搭載し、CVTを介して後輪を駆動する。ハッチバックの実用性と驚くほど保守的なインテリアを備えたAP-Xだが、残念ながら日の目を見ることはなかった。

マセラティ・クアトロポルテIV(1994年)

ガンディーニ氏が提案したクアトロポルテII(QP II)は失敗に終わったが、第4世代のクアトロポルテ(QP IV)のデザインは成功だった。それまでのクアトロポルテがメルセデス・ベンツSクラスのような高級路線を目指したのに対し、QP IVはスポーツセダンのシェアを独り占めしていたBMW M5に対抗するものだった。

ギブリIIのプラットフォームの拡張版をベースにしたQP IVは、最高出力290psの2.8L V6ツインターボを搭載し、後に最高出力340psの3.2L V8ツインターボも登場した。

デ・トマソ・ビグア(1996年)

この2シーター・クーペ・カブリオレは当初デ・トマソ・ビグアを名乗っていたが、1960年代のマングスタの名を引き継ぐことになった。その後、資金提供や商標権移転など紆余曲折を経てクヴェール(Qvale)社からマングスタとして販売されることになる。

その後、クヴェールがMGローバー傘下に入ったことで、マングスタも2002年に生産終了。わずか284台しか販売されなかった。その後、マングスタのプラットフォームを流用したMG XパワーSVが登場している。

ストーラS81(2000年)

1919年に設立されたストーラは、知名度こそ低いものの、デザインとプロトタイプ製作で100年におよぶ歴史を持つ伝統的な会社だ。ガンディーニ氏との関係は、1980年代後半のブガッティEB110の開発から始まった。1996年、ストーラは自社の技術力を示すコンセプトカーとしてS81の製作を開始する。

ランチエ・ストラトスのオリジナルデザイン発表から30年が経過していたため、ストーラはガンディーニ氏にストラトスの21世紀バージョンの製作を依頼した。最終的に、クアトロポルテと同じマセラティ製V8エンジンをミドマウントするプロトタイプが完成し、2000年のトリノ・モーターショーで発表された。走行はできないようだ。

ストーラS86ディアマンテ(2005年)

S86ディアマンテのデザインは、2005年のジュネーブ国際モーターショーの直前に発注された。ガンディーニ氏はわずか5週間でデザインを仕上げ、コンセプトカー完成にこぎつけた。

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