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【ヒットの法則83】E60型BMW M5を従来モデルと比較して見えた“普遍のスポーツ魂”

2005年8月、E60型BMW M5がいよいよ日本に上陸。これを機にMotor Magazine誌では先代のE39型M5と乗り比べて、その進化をチェックしている。今回はその興味深い新旧比較を見てみよう。(以下の記事は、Motor Magazine 2005年10月号より)

E39型と比べ、大幅にレベルアップしたE60型M5
今回、久しぶりにE39型M5に乗ってみた。上質で、快適で、力強く、速く、扱いやすく、刺激があり、非常に愉しいクルマだった。2回目の車検を取ったばかりの完全整備車で、タイヤもミシュランPS2に履き換えたばかりのE39型M5は、新車のときと同じフィーリングで走ることができた。

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このクルマに乗っていると、「これ以上何を望めばよいのか」、「もうこれ以上の美人はいないでしょ!」と思わせるレベルの高さを感じる。これがお見合いだったら、即結婚を申し込むだろう。

しかし新しいE60型M5をドライブしてみると、E39型M5で感じたひとつひとつの感激が、さらに大きく感じられる。「ああっ、もっと美人がいたんだ!」という感じだ。

上質感はエクステリアやインテリアの仕上がりという見た目だけの問題でなく、シートに座ったときの身体のフィット感、スイッチ類の操作感、走行中のエンジン振動の伝わり方、サスペンションの動きなどすべてにわたってしっとりした感じなのだ。

ブレーキの感触も良くなっていた。E39型M5のブレーキも良く効くのだが、E60型M5はさらに強力なだけでなく、ペダルの踏み始めからさらに強く踏み込んだ状態までリニアにブレーキ力が増加していくので、とてもコントロールしやすくて良い。

快適性もさらに増した。E39型M5でも長距離を疲れずに走れたが、E60型M5は超高級サルーンとしての快適性が備わっていた。窓を閉めているとエンジン音は遠くで聞こえるようになり、タイヤノイズや風切り音なども減っている。その他の雑音は極端に減っている。さらにサスペンションのしなやかな動きが乗り心地の良さを強調することになる。EDCC(連続可変電子制御減衰力コントロール)ダンパーにより、コンフォートを選ぶと快適な乗り心地を確保してくれる。

ただし「M5に乗っている」という意識が薄くなったのも事実だ。お客様を乗せて走るときなどはちょうど良いかもしれない。でもひとりでドライブするときにはもっと刺激が欲しくなるかもしれない。

先月、ドイツで乗ったときにはそんな印象はなかったから、これはE39型M5から乗り換えたから、ドイツと日本では走行するスピードレンジが異なるからだろう。E60型M5にとっては日本の流れはゆっくり過ぎるのかもしれない。エンジンの高性能化とともに、よりハイスピードな領域にシフトしてしまったのだ。

力強さと扱いやすさを両立したE60型M5
力強さと市街地でのコントロールしやすさを両立しているのがE60型M5だ。これはコンピュータ制御のお蔭である。まずエンジンをかけると、自動的に400psモードになる。センターコンソール上シフトレバーの横にあるPOWERボタンを押すことにより507psになるが、ボタンを押さずに走ればアクセルペダルに対して穏やかなトルクの出方で扱いやすいのだ。こんな2つの顔を持てるのもコンピュータをうまく使っているからだ。

速さもこのPOWERボタンを押すかどうかで決まってくる。日本で走っている分には400psモードでも十分に速く鋭い加速感を味わえるのだが、507psモードにしたら明確に速いということが実感できる。V8とV10という違いはあるが、同じ5Lエンジンでこれほどまでにパワフルになるとは、乗り比べてみないと判らないだろう。

SMGIIIはスムーズに素早くシフトできるようになった。7速になったことも、スムーズにシフトできる要素だ。それはギアレシオの段差が小さくなっているからだ。さらにエンジンと協調してトランスミッションの制御ができるから、コントロールは自在である。これもコンピュータのおかげである。

E60型になりマニュアルトランスミッションはなくなり、すべて2ペダルのSMGになった。コンピュータ制御で油圧を介してギアチェンジをするのだが、ギアの配置をSMG専用にしたことで速くシフトできるようになったという面もある。つまりこれまでのギアの配列とは異なり、通常のHパターンにはできないのだ。

Dモード(自動シフトモード)で走行する場合、ギアシフトの速さとエンジン回転をどれくらい引っ張って走るかはドライブロジックを使ってドライバーが選ぶことができる。シフトレバー手前側にあるスイッチを押すことによって5段階に調節するのだが、これはインストルメントパネル内に表示される短いバーの本数で確認できる。

1本だとエンジン回転は低めでクラッチもゆっくり繋ぎ、シフトショックはまっくない。ドイツで走ったときには2本がちょうど良いと感じたが、日本で走ると3本の方が良かった。たぶん日本の道は加減速をしなくてはいけないシーンが多いのだろう。低速域でもすぐに加速したいというときには、エンジンのレスポンスとともにクラッチの繋ぎもキビキビしてくれた方が走りやすいからだ。4本ならかなりの刺激を感じることができるだろう。

ドライブロジックで自在にカスタマイズできる
刺激を求めるという点ではシフトレバーをもう一度右に押してSモード(シーケンシャルモード)で走ったほうが面白い。シフトレバーの前後操作かハンドルの裏にあるパドルシフトを操作しないとギアチェンジしないから、よりマニュアルシフトに近い。自分の好きなタイミングで好きな回転数まで引っ張ってギアチェンジすればよい。

この場合もドライブロジックでクラッチの繋ぎ方を「スムーズ」から「素早く」までの5段階から選ぶことができる。ここでは右足をMTのようにアクセル操作するという条件なら4本でもいいだろう。過激でなくスムーズな範囲でクラッチを繋いでくれる。

507psを100%使って全力加速しようとしたら、右足でアクセルペダルをコントロールするだけではなかなかうまくいかない。レーシングスタートはローンチコントロールが一番速い。ただし、これを使った履歴が残るから、使うときには慎重に考えてからにした方がいい。

シリンダー内のピストンスピードはE39型M5とE60型M5は同じ位なのに最大回転数は1000rpm以上上昇し、そこから高出力を得ている。Mモデルの伝統を守り、さらにMモデルらしく益々高回転型エンジンになった。

本国仕様ではオプションのHUD(ヘッドアップディスプレイ)が標準装備になった。E39型M5にはオプションでも装着できなかった。ドイツでも日本でも使ってみたが、これは非常に便利だ。

ボンネットのやや先の道路上(に見える部分)に、スピード、ギアの段数、必要に応じてナビの行き先が矢印で表示される。MDM(Mドライブモード)を使うときに出てくるグラフィックなタコメータも常時出しておくこともできる。このHUDが目障りだという人は、ライトスイッチの隣にあるボタンで消すことも可能だ。

運転席からHUDの表示がよく見えない人もいる。その場合ドライビングポジションのアイポイントの位置を確認した方がいい。BMWが設定した位置より低い可能性が高い。シートの高さ調節を有効に使えば見えるはずだ。

新しいM5はコンピュータ制御を最大限に駆使してパフォーマンスを向上させただけでなく、M5の特徴である快適な超高級サルーンとスーパースポーツカーの二面性をもっと極端に表現してきたように思う。

E39型M5でも十分にM5のアイデンティティを味わうことができるが、「もっと快適に」「もっとスポーツカーに」という部分がさらにグレードアップしているから、オーナーはさらに大きなM5の満足感を味わえることになる。その意味ではE39型からE60型へ、M5らしい正常な進化を遂げたといえる。より磨きがかかった絶世の美人になったと表現すればわかりやすいだろう。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2005年10月号より)



BMW M5 (E60型)(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4870×1845×1470mm
●ホイールベース:2890mm
●車両重量:1860kg
●エンジン:V10DOHC
●排気量:4999cc
●最高出力:507ps/7750rpm
●最大トルク:520Nm/6100rpm
●トランスミッション:7速SMG
●駆動方式:FR

BMW M5 (E39型)(1998年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4785×1800×1435mm
●ホイールベース:2830mm
●車両重量:1790kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4941cc
●最高出力:400ps/6600rpm
●最大トルク:500Nm/3800rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR

[ アルバム : E60型M5/E39型M5の比較 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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